【真・女神転生デビルサマナー】雇われサマナーキル夫7
- 2018/09/10
- 12:26
342: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:00:36 ID:fgrERJQI0
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|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´ スレでも話題に出てたから、早めにあるキャラを顔出しさせたくてね。
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|::::::::::::::(_____ノ´|| それじゃ、短めだけど見てってプリーズ。
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
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343: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:04:02 ID:fgrERJQI0
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│ 第七話『レジェンド・リターンズ』 ....│
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344: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:06:53 ID:fgrERJQI0
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, < ≧ミ
/≧=/ _ 、 \ \ _ rャ=┐\
{ニУ / ヽ rャ≦Ⅵ}ニニニ}\ ヽ
7 ./ `、 .マニニニ/}「ニく \∧
/ /! r 7i`ヽ! i .\ /ニ{∨ニ ヽ \!
, / .| |/_ i i ! | |ニ | .∨ニニ〉 ∧
i ./| .| |f:}\、} } } |三!  ̄ ∧ この写真のおじさん、誰?
|/ .!.r ∨ !j j ,′ | |ヽ ∧
V.ハ ,′ / /、 | | ∨ i
| ∧っ / / /i / Vi .} } .Ⅵ
| /| ヘ __/ /| / .}/'´ _にv ∧ !‐- 、}
i′! / / ./} , / / }/ i/ /
.i/Z / }7} //}イ _}i >
7}} i i/ くV 斗rヤ r― _〉
r'´/ ̄ `y' / 7 〉―― くノ\ ̄}´
/| { .{ /\__xく \}
,′V ヽ__/! \ / / i
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/ ∧ ___」 く ィ′ \
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パイモンが護衛対象の写真を指差し、首を捻る。
今回受けた依頼は、ガイア教団への資金援助をしている、それなりの規模を誇る
建築会社の社長の護衛である。
というのも、最近になってガイア教団の支援者が暗殺される騒ぎが起きている
らしく、次の標的になりそうな人物を護衛してほしいとガイア教団直々に依頼が
きたのだ。
以前起きたアートマの件からガイア教団にいい印象はないが、報酬はいい。
背に腹は代えられないのだ。
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345: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:07:10 ID:fgrERJQI0
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/ (ー) (ー)\ 今回はお偉いさんの護衛だ。
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ / 失礼なこと言うなよ?
/ |
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しかし、ガイア教団から指名が入るということは、自分の名前も売れてきたという
ことだろうか。
今のところ、自分の評判を他所から聞くことはほとんどなかった。
実際、自分くらいの実力のサマナーであれば、捜せばいる。
だが、十年前の事件からサマナー全体の平均レベルが落ちているのも事実だ。
その生き残りの中で、自分は最古参ともいえる。
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346: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:09:30 ID:fgrERJQI0
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/ \
/ \
| (●) (●) |
\ (トェェェェェェェェイ)/
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そう、十年前のことである。
あの時、各地で同時多発的に悪魔が出現し、当時のサマナーたちが
対処に追われた。無論、その頃にはまだ存在していた葛葉たちもだ。
病院や学校、多くの人が集まる施設が悪魔に襲撃される形となった。
喜留夫が通っていた高校もそうだった。
あの時、喜留夫はちょうどCOMPを偶然手に入れ、それによってピクシーであった
メイヴと契約し、当時の災厄を生き延びたのだ。
それ以降、葛葉は壊滅。他の高位のサマナーも軒並み死ぬか、戦闘不能の体に
されてしまったらしい。もっとも、閻魔哀のような例外はいるが。
必然的に、息の長い喜留夫は現在のサマナーの中でもそれなりの実力を
持つに至ったというわけである。
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347: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:12:41 ID:fgrERJQI0
..-‐ ¨ ≧ァオ¨_ミ:x.__
,ィニjァ='ィ ⌒´辷彡ス `Y
r:ヘ.Yツ / / i l i ヽ ` ヾ) i |
トi ,ィ/ ′ i l l l | | l .ハ (( | !
| jヘトN i | | ィ7从┼l‐-i! }` !リ
レ′ l Vアフ彡ィ/ j」⊥j、! イ ハ、
/ 八 くヾrjYtリ ´ヒ:z:ノ;7 / Y ヽi
/ / ヽ卜辷r" : "" { ! ハ ト-ミ: ____ 今回の依頼は、何もなければそれでよし、らしいわ。
√ァ’ / トミ Ⅵ( ‐.‐ 人ヾ { , マ≧ レ==ミ`ヽ
/〃 /イ ャ‐ミxヾ:`へ、_ ..√てハ>"{ ヽノノ ヽ\ 何も起きないことを祈りつつ、最大限の注意を払いましょう。
人{/ / } }rリ) r' `’ ) _/ `ヽУく )/
.-一=彡 ハ /r‐ " ,ィ Yヽ辷彡= _厂Y `う レ/ \ ー=彡
ィ´  ̄ /ヾく | =彡 リ_ / > < 1| {:_ /イ\ 丶
/ / /\-ィ 「ぇ≧z\_/ィミУ { 〃´ /ヽ \
/ 〃 ′ Y | " ヾ ̄  ̄ /_ }.:′ / } ヽ
.ィ i { Lk、 ! ¨_ノ /=ミ 〉/⌒ヾ ハ
/ { ヾ:、 r'¨ ` rァヘ:、 ヽ しぅ〃 : ヾ ∧ }l /
く 八 ヽ/ /ソi } ` :.、 } ソイ} } i 〃 /
ハ ヽ r='=<r彡八V_ ==≧<ア/ ¨{/ ト、 v/イ 八
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今回の暗殺騒ぎの犯人に挙げられているのはメシア教だ。
ガイア教が被害を受けて一番得をするのが、抗争相手のメシア教だからだ。
恐らく、暗殺の首謀者がメシア教なのであれば、実行者はメシアサマナーだろう。
もしもウルフウッドであれば喜留夫に勝ち目はないが、その情報はない。
あれだけの派手な武装と仲魔だ。ウルフウッドであれば、たちどころに噂が
広まるだろう。つまり、ウルフウッドである可能性は低いということだ。
護衛の開始日時は今日の正午から。時刻は十時を切っていた。
喜留夫は装備を確認した後、護衛対象に会うべく事務所を出た。
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348: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:14:14 ID:fgrERJQI0
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349: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:21:19 ID:fgrERJQI0
~TIPS~
< r=-、 > ' ´ / / rァ/ }v'´`i > ゝ
>イ{r-j}ソ トv´ ゝイ.人K i
廴Y/ ┘ / ヒ=-ゞ イノ小 |
ノiヾイ'´ / i i ≧三≦ .| ハ
、 _/ィ // i il .il i 升 ハ .ヘ
 ̄ ノ i .i il i. i il .il il |.i ii .ヘ
/ / i i i il ハ .il .il il Ⅶ ハ
/ il i__ ハ. il .升 iⅦ i i.lハ ノ ハ
i i ナTl il il -ハナilー -.i il ト ソ i i
| il il il il i il i / il .il ilハ/ .イl il il {ハ
人. il il ilゥ≦ミ=、 il il il / 行芯及ァイ// 小、 i .il ヽ
ハ. il il ノ/<t 」ノ ゝハi .il ハ {辷t jrリ./イ / il il. il ( ミ;,、
V>‐ il i il人ゞ- 、 _ハノ ハ' ´ 弋z_ソ.// / .il il / ハ ヽ
} i ハ .il ハ ト≧_>イ イ. / il il ./ i ヽ
ノ .|/ Ⅶハ i i i ノ人( _ -=彡イ il // i 人 ',
, '´ / / ヾハ 人 ( `ヽ /.< ̄ ̄ ̄ ̄ヽ_il / il ノ
/ / }人≧、 ー =- イ} }) / ( .il (
/ハ / il ゞ > イ∧_∧ / / ∧ il ヽ
iハ ゞ. i ≧}人 K /> ─ ´i || | | .| i .i / ゝ i ヾ _ ヽ\
i .| 彡イ人ゞ / /∧∨/ / / / ハ // /ソ \ ヽ
【名前】
クイーンメイブ
【種族】
夜魔
【レベル】
56
【属性】
Neutral-Chaos
【相性】
魔法全般に強い
【能力】
力-D 魔-B 体-D 速-C 運-C
【スキル】
メディアラハン マカラカーン テトラジャ マハジオダイン メギド テンタラフー マリンカリン
【備考】
喜留夫の十年来の仲魔。
ウェーブのかかったプラチナブロンドの髪を腰まで伸ばした、異様な雰囲気の少女。
黄金色の瞳をしているが、右目はアイパッチで覆い隠されている。
雪のような純白のミニドレスを着用しており、西洋人形のような風情すら漂わせている。
大きなチーズの塊を見ると半泣きになる。
350: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:22:31 ID:fgrERJQI0
.〃ィ/| ./.!ト, .,イ / /イ | / |∧ | ハ ト, ト、 }ヽ ト、! ハ、<⌒ヾ
/ ./ | / リ ', / |/ ´ l / リ レ′ ' | .| ` .ハ |. 、ヾト.、Y
∨ ヽ/ // レ′ ハ. ! ヽ.\レ′
--, '´ ,/, , レ′ .ハ、 ∨
`/ ,ィ, , ,,,、_i , / ,、 i _,ィ,/ ,イ//! .ト、 .ハヽハ
. {// . |/{ / /γヾ ! V .∧i / ヽ .l'´_フイ_7イ¨7./, / / ヽ..| ヾ
_厶イ i.|/{ ,/{ ゞ:叭 ! i ハ|/. ヾ{ \、 ヾ、==ャ、/// ,イ ,イ .ハ !
--―ァ l |. |′∨'´λ、Ⅵ `¨ ,イ/イ/イ リ
/,,..ミヾ、 , ヽ `ーヾ'、 /イ´.ヘ
≦イ:`ー-ミ_</ / \__ ` ∨
.{:::::::::::::::::::`ー-ミ</ ` r‐、、ィ
γ`:::::::::::::::::::::::::::::`ーミ丶、 __,∨ ヽ
_ゝ:::ニ二ニ ー-:::::::、:::::`ミ、ー 、 ´ー; ヽ ヽ
'´:::::::::::::::::: ̄`::ー-::::`::::::::::::> 、'<. /´ /ヽ ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::::、::::::::::::::::>:、ー 、 / /! l ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::::、:::::::::::/イミ,‐-:'.,〈 ,l \
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::才/::::::>>/ ', ′ \
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:/イ _,ハ ' 、 ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ (_ ヽ 丶 ハ
::::::::::::::::::;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ >ヽ、 }
:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ハ. `丶、 ',
:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ハ > 、 .i
【名前】
ヨシツネ
【種族】
猛将
【レベル】
57
【属性】
Light-Chaos
【相性】
破魔・呪殺・精神・神経無効
【能力】
力-C 魔-E 体-C 速-A 運-D
【スキル】
タルカジャ スクカジャ ブレイブザッパー 八艘跳び デスカウンター 食いしばり
【備考】
喜留夫の仲魔。物語中盤で仲魔になる。白髪頭が特徴的な、死んだ魚のような一重瞼の男性の姿をしている。
白髪頭は「大体兄上のせい」とのこと。
最初は女物の着物を着崩していたが、喜留夫が「気色悪いから」と黒いジャージを押し付けた。
三年ぶりにレベルが上がった喜留夫が色々苦労して合体により作成した悪魔。
造魔に源義経の分霊をそのまま宿した形であるため、性格や容姿がそっくり。
乱暴な性格だが、邪悪を嫌い、弱者を甚振るような真似は絶対にしない。
女好きの美男子だが、平安時代であればともかく、現代では「イケメンだが、探せばいるレベル」とのこと。
そのため女性の食いつきが昔に比べて悪く、よく悪態をついている。
351: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:23:34 ID:fgrERJQI0
/、::::::::::イイ /:::::::'イ:::::::::弋,ィ´ヾ_
. イ 〈:::::::::::::了 ./::::::::::::::::::::::::::::::ムゝ:::/
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|:::::::/ /::::::ーイ/::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::≦彡
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|;゚;;/|;;;;;メ |7::l_ノ:::::::::::::::::::::::::::::lニ、 .lヽ
ハ ヾムイ ソ:::::::,イ__:::::::::ノコ::::マ |:.:',
マム , ≦ ̄(⊥/彡シ:/7ヤヾ、::::`´::√ /:.:.:|
マ `ム、 〈:◎ソイメ少ミ:.::l≠゚ / _≧マ´¨´ /:.:.:.:l
. Y´_∟二ニ、 ./%ミ:.:.:.:l__l ゚ ヘ ̄ソメ、__ /ム7:.:.l
∨WレwW )〉Уl":.:.:.:ハ彡ヽシ´寸´:.:.:ト-イ、彡':./
,ィイMシヾTイ´;;;;;;」, ―イロヾ>,=、l:.:.:.:.:.人:.:.:.:.:./
>、_,イ´;-;;,イ´へ、>―-、ムノ:.:.:.:.:.:l゚.pl:::;;/
/`ー;イ:.:.:.;-',イ7 /| Y_ l) ノl´:.:.:.:.:.メ、 l/
レ´レ彡' /..:;/7..::/ ,、ン--'´∨:.:.:.:.:.:.i:.:.:Y´
. /.;/〉..;//::/;;;;;;;;;;l 〉:.:.:.:.:ノ:;;;〈
//ー./..:;/7;:../-- -≧/ヽヽム;;;ハ
´ ./..:;//;../ ムノ;;l 〉、 |
.ヽイ lメ `´ `´
【名前】
ファフニール
【種族】
邪龍
【レベル】
56
【属性】
Dark-Chaos
【相性】
物理攻撃に強い 電撃・氷結に弱い 破魔・呪殺無効
【能力】
力-B 魔-C 体-B 速-C 運-E
【スキル】
地獄の業火 アイアンクロウ メガトンプレス 雄叫び 猛反撃
【備考】
喜留夫の仲魔。機械でできた装甲を全身に纏ったドラゴンの姿をしている。
元は妖獣チンだったが、度重なる合体でここまで強化された。
偉そうな態度で喋るが、単純な性格をしており、食べ物に釣られやすい。
属性が凶悪なのだが、クイーンメイブに散々躾けられているためにそこまではっちゃけられていない。
光物が大好き。金箔を乗せた肉をあげると大変喜ぶ。
352: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:24:35 ID:fgrERJQI0
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(_ノ (__) `ヽ
〃 ’′ ノ
人ー{‐+-- +‐宀'′
≧=┐ /´
└ァ ア
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--=ミ r<゛ ト _
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〃 、 `ヽ 〉 |{ i } }:.:.:.:.f{:\:.:∠
'=- \ ㌻゙ |ヽ ト、 | l|| └=ァ:| 'ー=ミ:.:.\
{__ \У |l { ⊥斗 || ∧}〈:.:{  ̄
rx「 ̄`ヽ { ハ ,ハ|f==ミj/ ‘,:.\
. V} f'Y =r┴ュ,__ x:「´ "xxx| }`丁⌒
VU-| `乙/{圦 | ハ |l
Vr┴={_L二ニ=ヘ { | / ,'r===
ヽ }l } \`'<丶_,, 斗 /}/ _〕 ニ=-
Y ニ{ `¨¨込,ノ |/Y´ ___
〔/⌒゙'ヘ \ |{ }/ ̄
V ヽ /
【名前】
パイモン
【種族】
堕天使
【レベル】
52
【属性】
Neutral-Chaos
【相性】
氷結反射 呪殺無効 火炎に弱い
【能力】
力-D 魔-C 体-D 速-C 運-D
【スキル】
マハブフーラ ディアラマ タルカジャ ラクカジャ スクカジャ アムリタドロップ トラフーリ
【備考】
喜留夫の仲魔。
見た目こそ後ろ髪を三つ編みにした異国の美少女といった出で立ちだが、男性。
序列九番の地獄の王だが、下位分霊のためそれほど強い力は持ち合わせていない。
バイセクシャルではあるが、喜留夫は好みではないらしい。
355: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:28:53 ID:fgrERJQI0
. / _ /.,' ., i | ;' .} l .l .| '; ∧∨
〈/ フ .l .l ,' .| .!; /.'; l∧'; l .l、.ヽ
ー=彡 .| l /||l.l ';.:Ⅳハ |N \ヽ.l_
ト-' ∨l|l;' ̄l¨、|ニ=ミ lト、 '∧<二、.ト、ト、
>≠., ;!∨l|! -―tッ‐ ヽ〉.\∧‐tッ―- ヽ
⌒フ_,ィ.Ⅳ.|`′ \〉 / なあ、旦那。
〈ハⅥ 〈ィ
ヽハ 、 r‐、 从 「なんだ」
.};`:;. | ', /-
〈ハハ、 '; ∨¨ヽイ⌒ あそこのたい焼き食いてえ。金くれ。
_|.l |:.、 ~ ┤
イ.;:|ハ .';. `:..、 '; 「メイヴ、鞭ってあったか?」
.//..::::::从l >... _..;
..//..:::::::::::::::::;} l 冗談だっての。
`ヽ.\:::::::::::::::/| .';
.. _Ⅹ.ヽ::::::::::| l .
. _x<三三ヽ 丶:::::l ヽ
≦三三三三三ニヽ ∨:;. \
三三三三三三三∧.∨;::. ̄ ¨>、 , < ̄.∧
三三三三三三三三ヽ∨. .∧
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空は淀み、灰色に覆われていた。今にも振り出しそうな気配さえある。
護衛対象は眼鏡をかけた中肉中背の男性だった。
ダブルのスーツを着込み、髪を固めたその姿は紳士的で、実際人相も
よかった。悪魔の存在も認知しているらしく、喜留夫のことをサマナーだと分かっていた。
こんな見た目をしておいて、反社会的勢力であるガイア教に
肩入れしているとは、人は見た目に寄らないな、と喜留夫は感じた。
いつでも危険に対応できるように、仲魔たちを召喚しておき、
COMP画面もファフニールをいつでも呼び出せるように操作しておいた。
咄嗟の対応のためというのもあるが、喜留夫は仲魔に頼ることが多いスタンスだ。
何かと意見を出してくれるメイヴたちは、基本的にCOMPの中で待機させておくより
も、こうして召喚しておいた方が助けになってくれる。
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356: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:05 ID:fgrERJQI0
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曇天の中で落ち合った一行は、三津井市にあるガイア教団の支部へと
向かった。
今回の依頼は、彼を無事にガイア教の支部まで送り届けることだ。
流石に支部一つに殴り込みをかけるような暗殺者はいないだろう。
ウルフウッドであれば、話は別だが。奴ならやりかねない。
駅前の大通りを抜け、住宅街に入る。
支部はもうすぐ、あと十分もかからないといったところで、異変が起きた。
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357: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:26 ID:fgrERJQI0
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, . : : : : : : : :>‐…‐-
,. -く: : : : /: /\: : : : : : : : : :\
/: : : ニ=‐-: : : : : : : :\: : : : : : : : : :\_/:i:i:i:}
/: : : /: : : : : : ⌒`、\゙\: : : : <i:i:i:i:i[i;〕:i:‐<_
/: : : : / : : |: : : : : : : : `、 \ \: : : \i:i小:i:i:)、:i:i:i:i:i:丶、
_/:i/ : : : /: : : :|: : : : : : : : : :`、 \ \: : : : : |:i:i:(: :\¨⌒\(
⌒\/ : : : /: : : : : : : : : :\: : : : `、 \ \: : 八:i:i:\: :.\
/: : : : : : : :..|: Λ : : : : :|\.: .:/、 \ \: : \i:i:i\ : :\
. /: : : : : : : : : |/丶 : : : : :| _Χ、斗 、 \ \: : : : : : : : :. :.\_ ……ちょっと待った。
. ___ /: :/: : : : : :芥うぅミ\: : vィ灯Jハ^\{\l\(\⌒ : : : : \"⌒ ̄
\ //: |: : : : : Λ:| 乂ツ \: \ゝツ |\: : : : : : : : :\: : : :.\_ 喜留夫。ここ、空気が変だよ。
\/ |: :|: /Λ/: :Λ ,::. `⌒ 从: : : : : : : : : : : :\⌒ ̄ /
\ |/:|/: : : :.∨ Λ _,. ., ,:i|: : : : : : : : :|/"'<⌒\ / /( 異界ともちょっと違うけど。
_ノ⌒ | |: : : : : : : : : :゙:..、 V ^) / |Λ : : :..|\|: : : :..`、 //
⌒\ |: : : : : : |\: : : 〕iト ., イ _,、rニニ}Λ : |: : : : : : : :.} /
/ |: : Λ: : |\ ト、/ {ニ=ニ二\ ̄ ̄ 〈: | ̄ ̄´"''</
|: / 〈: | )| ∨ニニ二二二\ 〈|
|/ 〈| ∨/  ̄´"''<ニ<
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最初に異変に気付いたのはパイモンだった。
喜留夫はといえば、流石に平日の昼は人がほとんどいないな、程度に思っていた
のだが、仲魔たちは敏感に周囲の変化を感じ取っていた。
パイモンが周囲を探っている間、怯える護衛対象を諫めつつ、
懐にある短刀に手をかけた。
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358: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:38 ID:fgrERJQI0
ヽ
ヾ::、 ト、
`ー==ニミ、 }::::ヽj::::}
,..=::=≧=-::::::ヾ::::V/__
,.:":::::::::::::::::::::>::":ソ:::/ハ::::::::::>、
ー=彡,..イ::::::::,::.:<::::/:::::::/:::I!:::::::::::::`>、
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/:::::イ:::::::::::::/:://:::::〃::::::::,':/小::::::::::ヾハ
}::/::::/:::::::::/::::イ::::/:::::/::::::::::://Vハ:i:::i::::ヽ:ハ
Ⅵ /:::::::::/::≧≠=x:/::::::::≠=≦ニ!:::l::::i:::}::ハ
. 八:: r7///{弋zツ./:::::/ 弋zソ,} 川::::l!::!
. 介// / ` ̄ /::/! ` ̄ 从{::/リ …………。
川ト } ″ :| レ.イV
}::ハ ` /:::/
,.-=>、 , - ― 、 メイハ:{
イ{=- .ト \  ̄ ./,ノ= >、
___|::> _. \__ /三彡 /|ト..._
イ三三三三≧、::::: ̄::`:::ー───==テリ:: ||:::::::::>.、
 ̄ ̄ ̄ ̄\:::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:/::::: |::::::::::::::i::::}
 ̄ ̄\イ:::: ∧::::::}}:::::::::::::::::::\::::::::::::: /::::::::从:::::::::::|::::|ヽ
 ̄ ̄\\::::::::}:::: }ト::、::::::::::::::::::\::::::/::::::::::/::::ヾ:::::/::/:/ヾ}、
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:::::::: Y //V::/:::::::::::::::::::::::\::::::: i!:::::::/:::::::::::::::::: : | ::::::::} }ニ|
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目の前に現れたのは、学生服のシャツとスラックスを着た少年だった。
歳は十五程度だろうか、精悍な顔つきをしており、美少年といえなくもなかった。
頬には十字状の傷跡があった。恐らくは切ったものだろう。
追い払おうとしたところで、少年が手にしているものに気が付いた。
右手に短刀を、左手には二本の銀色の管らしきものを握っていた。
その管に、喜留夫は見覚えがあった。
閻魔哀も使用している、封魔管だ。
古来から伝わる悪魔の使役法であり、古くは陰陽師が使用したとされる。
自身の生体マグネタイトで満たした管に悪魔を封印し、必要に応じて召喚するのだ。
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359: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:56 ID:fgrERJQI0
____
/ \
/ \
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) | 随分と乾いた目つきをしたガキだな。
\ \ェェェェェ/ /
| | 命が惜しければ退け。
|| / |
|| ./ ||
(_| r / (_)=|三三ラ
ヽ |/
>__ノ;:::......
/| ,//
|ヽ、/:::::::::  ̄ ̄フ 、_
\-ゝ /::::::::::^~|::::::::::::::::<、
∠ ̄::/ 7::::::::::::::::<
/::/:::::::::::::::::::::::::::::/, ヽ、
フ::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽD_:::::::......::ヽ
〃/::::::::::::::::::/l〃::::/|斗< |::,、::::::::::::ミ
/ /::::::::::::::-テ=t| / (:;::)/l/ヽへ、::| …………。
〃|::::::::::/、(::ツ レl 〃 ||> } |r
/ /|:「|「l〃 ヽ / !|
l∧ ヽ、 _ _ メr==-、
,- 、ヽ ´ ー ` 冫::::/ /i
/:::ヽ ̄ヽ、 , イ |:::< \
/:::::/:::::::::::|`─ ´/ ソ:::::::ヽ /────
/:::::::ヽ::::, へ──<^\_∨ ̄ ̄/ ヽ、
,──//_ ̄イ /__ ヽ ヽ 、 l ヽ
/─、 イ r.....:::/ >< |
┌┘:: イ ::::|::::::::|ヽ、/.......
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少年は答えず、代わりに呪文らしき言葉を口走った。
封魔管の蓋が浮き上がり、中から生体マグネタイトの光があふれ出す。
緑色の燐光を纏って出現したのは、二体の悪魔だった。
一体は白い外套に身を包んだ女性の悪魔。
もう一体は青白い巨大な狼の姿をした悪魔だった。
すかさずデビルアナライズを起動する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
360: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:30:17 ID:fgrERJQI0
_ノlノ(_ _ノ(
_)V /:. /⌒^く__
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/ ,リ : :_}:: : :{:: {::{:: : :_「´ _「´:: : :_「´ : :`X{ _ノl/L_
lV:.:.:.:/^´:.:.:.:.:\{_」L彡':: _>:: : :_「´:.:.:.:.:.:.:.:.{ )V::::::::::く
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リ∧:. \ l / : ://:.:.:.:.:.:.: _」´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:. ∧ 〈::::::/⌒ー‐'´
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八:. / ⌒ト--'7彡:. _xく⌒´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :_l^ : :_「:.:.:.:`、 }::::|
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(い ,r‐ ヽ `X^トvvvv'7l!⌒´)ハ从(:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:. : 「:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨/
ゞ ,j! (⌒ヾ}! 〃⌒,ー 、 _ _.トイ/|/⌒:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`,
〉 ヾゞぇ_, ′_ノ'^Y⌒ヾj! 〃⌒`._/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //:.:.:.:.:.:.: l:. : :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.{
.( i{ `ー一'⌒ヾ 人_, vァ' jt/ しv}.V´从(:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l//:.:.:.:.:.:. : 从,/:.:.:.:.:.:.:.:. : :{
`ヾゞー _,ィ^'~`ソj!ン ヾー'` ノ′ ,r==一:.:.:.:.:.:.:|/:.:.:.:.:.:. : / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,/
'、 ノノ ,r´ 〃⌒ヾ)}j! ー= 彡`ぃ,_ノ~ `て, .从从ノl /:.:.:.:.:.:. : / {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,(
ヾぃ_ジ⌒ヾじベノ ,.r 、{ j!),ゝく、f⌒ヾ{´..ハハハハ/:.:.:.:.:.:. : / 、 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./〕
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【妖獣フェンリル Lv71】
361: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:30:34 ID:fgrERJQI0
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\i!:.:.:!ハ:| ‐- .∨:.:.:.:| ,..zz_V:|:.:.:.|!:.:.:ヽ: : : /
|ハ:.:.!.i!、yz==x ヽ|:.イら゚v テゞ:.:.:/.:.:.:.:.:.ゝ,´
/i!∧:.,.く乂゚v_j 、_{N `¨ ´ .ii:.:./!エ}、:.:.:.:.:.:.≧=-イ_
、__ /:.:.〉:∧:.,!! _ノ⌒乂_ _ .´|:/:.|:.:.:.:.:|≧=-―― ´ さて、お仕事お仕事。
. ≧s。:.:.:.>.イi!}ゝ`:. ー ´ ′ /:.:.:|:.:.:.:.:|
 ̄ ./:.:.:|!:.:.:|:.:ゝ ー- ´ .イ{:.:.:.|:.:.:.:.:., 今回は護衛もいるようですね。
/⌒ー==-:}:!:.:.!-/´≧s。_ </}:.:!:.:..i!.:.:.:.:.:.,
/⌒> ´. : ::| /:.:!:.:|/ /:i:/i:i:‐-┐Y¨二iト、:.:.:.ト、:.:.:.:.:., どう捌きます?
_>´ 丶. :! ./:.:.:|:./ /|:i:i:i:i:i:i:ゝ !.//_ノ∧|:.:./、:.:.:.:.:.:.:.,
/ \ \ ∨i! /:.:.:.:i/ |..|:i:i:i:i:i:ir‐‐‐‐‐┐:i:,i!:.:| ≧s。_:., 「……正面から行く。それだけだ」
‐- ..._ \.ヽ∨ ./:.:.:/| |..ト:i:i:i:i:i:}|三三] !:i:i:}:.:.! .〉.,
¨ー ..._ ー丶 /:.:./ ∧ !..∨-‐´ ̄ ̄ ̄´ヽ:iハ:.:i /:.:.:., あなたらしくて結構。……あら?
: : : : : :__, ≧‐- ∨:.:/ ヽ|....>⌒>| | ヽ >}:.:., イ:.:.:.:.:.:.,
、, ≦ /:.:.:.:.:.:.|/:.:/ |< ./ーs_ノ⌒y´ ヽ:.:.:,/ /:.:.:.:.:.:.:.:.,
、. /:.:.:.:.:./:.i.:.:/ / . |...ヽ//⌒)|/ 厂)_ノヽ:.:., iト、:.:.:.:.:.:.:.:.,
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ヽ _/.:.:.:.:.:.::/:.:.:.イ:人:.{ | ∨............丶i:|||:i:i:i:i:i:/.....}☆.、:.:.丶:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
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../:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧i! ./:}: : : . .∨...........ト-.<................| i|:.:.:\:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
イト、=‐ ___, ィ⌒¬ノ | ´ ヽ: : : : : : : : :∨................................./ |:.:.:.:.:.):.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
【女神スカアハ Lv73】
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呼び出された悪魔たちは、異様な強さを誇っていた。
ウルフウッドと同格、もしくはそれ以上だ。
こんな高位のサマナーがまだ生き残っていたとは。
つくづく自分の運のなさに涙が出そうになる。
世界に数人と残っていないであろう最高位のサマナーたちが、ほいほいと
自分の目の前に現れるのだ。泣きたくもなる。
召喚された悪魔たちが自分たちを見据える。
女神スカアハに関しては、なぜかメイヴをじっと見つめていた。
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362: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:31:13 ID:fgrERJQI0
| { | ハ ' 乂込りイ、`ヽ
| ' | ミ、 i |ハ ゞ=彡ノ/z i
| ヽ .! ハ:}|i: ! { ' i ゞ=ソ i:!
.i | ハ:{. r=彡|{|ノi |. | ヽ 八
:| ! >ー从_}{ i ! |.川 i{ `ヽ | ! ハ 、 ゙
|{ / ーヽメ 八ハ!{ !ノj_z_j | .'{ ヽ
ハ 人ハr=ミ ハ ハ ノ从 7Zマく_, ' | {八
/ }込八irくイ_ノ ノ i.i゙;;;}j ハk ! i ヽ 御機嫌よう、影の国の女王。今度の弟子は随分と不愛想ね。
{ :{ゞ=ミ_ノ/ , ゞ彡<././ .|i ゝ
.八 ∧ j:i ノ 'イ./{ 八 `ー 一体どういう教育をなさったのかしら?
. ヽ∧ 八{_ノ , -.、 /rーミ八 `ー -
\ヽ. ゝ:::ノ .イハ }vー 、`ー -
`ヽ \> /⌒´ ノ `ヽ
ハ \ ヽハ≧=彡} `ヽ `ヽ ハ
丶. \ }、 { / ノ }
\ ヽ ノ iト、∨ \ '
<  ̄ ̄ ̄ >
/ \
/ r‐< ̄ ̄>... ヽ
/ ,ィ:.|:.:.:.:.ヽ:.:.:.\:.:.:.>、 ヘ
' ./:./`ハ:.:.:.:.:.:\:.:.:.\:.:.:.:ヘ \
{ /:.::|ミx'ヘ;.:.:.ヽ、:.:ヽ、:.:\:. }ヽ.,、 ヽ
ヽ ,.イ:.:.:レ ト;.:.:ト、\}_\:.:ヽ:ト、:l. γ, /
\ j:.|:.:.:.:|, -―;ヽ:ハ` 'ン云x\:}レ、:}ヘ|. ト、/ 御機嫌よう、コナハタの女王。
У:.j:.i:.ハ. _ 、ヽ} , 辷リ_r┴'ニヽヘ |ー
/イイ{ l:.:、トz=‐' ヽ,-{ ,,,,,, } ̄|ス_|ヽヘ そういうあなたの男妾は随分と貧相で醜いこと。
ー ' ハjヘハ{ヾ'''''_ノ 、` ー‐くヽ:.:|ノ、ヽ{ j
/:.:.:.|:.:.:.iヽ __ r フ r仆`´ `ン ,イ 趣味、変わりました?
/:.:.:.:.:|:.:.:.l< ト `_ ´イ.|/:.ヘ /:.:ヘ
/:./:.:.:|:.:.:.| |⌒i⌒i⌒/:.:.r┴-x、ム__:.ヘ
/:.:/:.:.:.:.:.j:.:.:.l-‐‐、ヽ;.|;.;.:|;./:.:rx|;|;.;.i;.;.「〉. ヽヘ
/:.;イ:.:.:./ ̄,:.:.:.:j_,.Y/ ̄ ̄7:.:.:| ヽ!;.;.l;.;.|{`ーx .}:ヘ
363: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:31:50 ID:fgrERJQI0
{ i ′ {f^ : ! ! i i :!.i | i i: i! !
{ i :| :| _j 乂__ :! : :! ! :|: !:| ! !:| i| i
. 八 :!| :! {f i |:⌒ヾi :l i l i斗‐==ー- ..,_
ハ !| :! {{ :! :| }} :|i :! :l l !:|/イ从}/Ni{ i
. } :| :! :! 乂 ! :| .≠イ !: | :! 从斗≠示えメ_,ル
, } :| :! :! {{ :i :| .イfr「⌒ー=ミル:从ハ! イハィイ.: r=ミ:ハ抃 {
/,.:} :|八: | :八乂_刈ル,.ノ rfゥ^} }ハ/ ) }/ ,∨乂り.:ノ 从{ ……私のサマナーを、侮辱したわね。
イ ィ } :|ハ ヽ:! :\乂_人}气ぇソ__ノ 「 ^冖冖゛ 乂
ノ , . !{ } リ ! ⌒ヾ ∧ :} 乂r-<⌒Y f´/ /
. / , i /イ: , /i :i 八____廴_彡^ , _ 八{ {
/ /: i // :i 从ハ八(___ -‐=ミ }乂:{
. / //i | : // | //:ハ∧ :ト、 ̄ (イ__) f ヽ 从ハ
′ ′:| //. : / } ∧ :\  ̄ .ィ"/ ハ {
八 ′ :|:/ :} : ∧( ≫ イ 乂 ノ 八
:{ i{ ハ: / } i ハ}ノ ⌒ヽf⌒77r-く⌒V「{ {{ (( {
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メイヴ手から閃光が放たれる。それが開戦の合図となった。
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364: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:32:24 ID:fgrERJQI0
、 _ _
iヽ ,.ィ:::/ ,.r::´:::ィ __
i::ヘ: :.\ /:::/,.r、_i::::::,ィ´ __r::´:::,:r'´
ゞ::ヘ!::::::ヾ、!、 r.、 ,、 /::::://::::::::::/ ,..r::´:::::,.r ´
ソ::::::_:.:.:.:.|.ヘ .! ヘ / ! .,r/::::::::./::::::::::::イ /:::::::r=イ
ヾー=、 ヾ:.:ヘ`ヾリ ヘ .| i,./ |/ .|::::::::::::;:::::::::イ::::i´,rッ:::::::ゝ __
.`ー、::ヽ=、ヾ:ヘ ヾ、 ヘ| i ./ / /:!/::::::/:::::/_ノ:::/ ,,..r:::::'´::::::,::r=イ
.ヾ;,、 .ゝ;::rヾ ̄`ヾ_i._._i /,イ,ィ.,/_,イ:/::ゝイ:::,:::::::::::::く,..r:::r´ニソ:::::r=イ
!ヘ`ー`ニ》,イ / `r==iッ'´i_i_,:ィ,イ=、:::::::::;:::'´:::::::_;_;_;_;_r=イ
ヾヽーッ::// ̄/ .ヘ_ _,.ィ´_< i. : . : トく:::::::_:_:_,:r´
ヘ:.\. i´! / ̄`ヽ rッ'∨ヽ、`≧ソ!ゝ=イ! .(`Y .,r=.、イ
_ヾ: : ゞ、yイ. ,沙リ乍! ',ヘリ , | ヘ ヘ__i,ィッ、/
´.ヾ_∧: : : :l` ヽ、 iイソ__|ii iヾ´ ,ィ====||ゝ=イ/ィi
/_イ\:/: ./ヾく_/ソ∨!_/ r /二二二||ノ_|::::i三i
.トイ .,ィ´.,ツ /!:::r',,ィ.|_|:::::::::::::::!i: : :`ヾ、:ヘ、
. ,〈 ̄`ー==乍、ツ /:::::::/:::::::::|_;_;_;_;_;_|:::::: ::::::::;ヘ_>、
/イゝ=イ ,r`ー ´>=/:ri::: : : : ∧: : :.:.:.: :|ヘ:: :::ヘ二ヘ
〉,ゝ=イ ,ィ´ ヘ.|/: : :|::: : : /:i:ヘ: : ::.:.: :!: ヘ:: :::! : _ヘ
´ ,ィノ _ _/: : : :|::: :../:::i:..:ヘ: ::::. :.|:: : ヘノ Y .ヘ
| /: : : :.:.|:.:. :.|:::::!: : ヘ: ::: ::!:: : :.ヘ ./\
>=-/: : : :.:.:.:|、_;_:|::: !: : : :ヘ,r.〈; : : : :ヘ= イ_ ./`ヽ、
,.r'´ヽr='./: : : :.:.:.:/__/`|::::.|: : : :/ \: : : :ヘ / `ヽ_ ヽ
`∠_,.r' ヽ.i: : : :::.: / !:::::i: : : | ヾ; : : トイ、::、 ヘ . ̄
´ー´ | :.:.:.:. / i:::::!: : :.| ヾ: .リ `ゝイ
| : :./ ヘ:::i : : :! ヾ
|/ ヘ:: : : i
\;/
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「ファフニール! あのデカブツを食い止めろ! 残りはスカアハに集中!
サマナーは俺がやる!」
護衛対象に逃げるよう促し、短刀を抜く。護衛をつける余裕はない。
一人でも抜ければ、待っているのは死だ。
ファフニールが召喚され、地面が胎動するかのように揺れる。
フェンリルもファフニールを視認すると同時に飛びかかり、青い炎を浴びせた。
だが、ファフニールも頑丈さでは自分の仲魔の中でも一番だ。
怯むことなく、鋼鉄の鉤爪を飛びかかってきたフェンリルの腹へと叩き込むのが見える。
一方、スカアハは落ち着いた様子で、どこからか取り出した剣を構えていた。
視線の先にはメイヴがいる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
365: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:32:55 ID:fgrERJQI0
// _ / / |irf}三=ニニ二二二ニニ=-≧x >、三三三ハ \三ニ==一
}/ / :/ i { {{ハi{\\ \ 三ニニ=-≧xト、 \三三三≧=-ニ二彡'
{ / { Ⅵ :V { \≧=一>、≧==-≧xミx ハ三三三ハ ー<
ー‐=ニ二x' i iト、 ヘ Vハ\\\\ :\二ニ=-==\三三三三≧=-'
// ィ / | i {ハ 、ヽ}\ \\>、 :\≧===x\ヽ三三三三\__,
i | 〃} i , |ij { Ⅴハ, :{ ト\ Ⅵ\ \_ \≧==--一ヘ\i )Ⅴ三三三八__
レ | Ⅵ/ }i| iハ Ⅴハi { Ⅴ\ハ{:\.V≧xハー=-三三三三/ ヽ三三三三{二´
{ / ノii| |い Ⅴハ∧iV三≧三ヘ\迅ミ三三ニr='¨¨ :}三三三三ヒミx
ーニ __xf ハ {i::ハ Ⅴヘハ }r  ̄ ̄≧x三}三八三三≧ }三三三三三ヘィt_
,--r‐} iハ:Ⅳ }\ 八{ ≧x, :f_) /三ニ/ V三≧x___/三三三三三三三二二ニ=-
,__{ :ハーヘ{ V\ヾ \ \i≧=== '/三/ ヽ三三三三三三三三三三三三三三三
r-{ \ ヽ_ハ ヾハxヘ\ー=、 ー= ¨¨ }i }三三三三三三三三三三三三三三三
{__ \r‐ヘェr' Vニ} :\≧ヘ ノ三ニ='三三三三三三三三三三三三三三三
__ __ /:::::::Y:::::::/ヽ 、ノ::>x≦ヲ三≧、 /三三三三三三>'  ̄ ̄ー=三三三三三三三
_/ ` ' ヽく:::::::::::::::::ィ } \ ヽハ三≧==='三三三三三>'゚ ー=ァ三三三三三
__/ ヽ { {::::::::::/ ヽ=ニ一 ` Ⅵ三三三三三三三>'゚ \三三三三
{ }i } |i V::ハ \ー }rx三三三三三>'゚ }三三三三
i} } {i' \ ーニニニ彡'三三三/ ノ三三二=-
} j{ \ \ヽ三三三/ , ャ<:::7/::::::::::::
/::} _ レ‐…===ニ:/、 \_ _ /¨ // ヤ゚:::::::::::::::::::::::://::::::::::::::
{_:::::::::/ r======≧L... __ry'¨¨/ / :// __ ャ 7::::::::::::r:':::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::::
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ヨシツネが地面を駆け、スカアハへと斬りかかる。
振り上げられた渾身の一太刀は、吸い込まれるように剣の腹で受け止められた。
続けてもう一撃、更に一撃とヨシツネが追撃を加えるが、その尽くがいなされる。
パイモンが補助魔法を詠唱し、仲魔たちの素早さと筋力が爆発的に強化されるが、
加速したヨシツネの斬撃でも、スカアハの守りは抜けなかった。
鉄と鉄がぶつかり合う音が閑静な住宅街に響き渡るが、騒がれる様子もない。
パイモンが感じていたのは人払いの結界の類か。
メイヴの電撃がスカアハの側面を捉えるが、スカアハの衝撃魔法による
竜巻に阻まれる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
366: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:35:13 ID:fgrERJQI0
‐  ̄ ̄ 、
' __
/ -==ニニニ==- \
,: /: : : : :、 : : : : : : : : _: :\ 丶
i 、-‐=' : : : : : : : \: : : : : : : : : ‐:f、 \
、 厶: : : : : : 、:: : : : ::\`‐====:_:_:_:_:≧=-- :)
\ i: i}\ : : : : \\: :`ー≠、: : : : i: : : :l /
i: i}: :个、 : : : : :.、ヽ/__ィfi: : : :}_ : ::.i_彡'
i: i}: : i.__才㍉:: : :.、 弋zリi: : : : i l: : : ::.
i: i}: ::ム __ \ rf´ ̄ i: : : : {丿 : : : :.
i: i}: ::圦_弋ッ`ー'、 __ ィi: : : : |: : : : : : ::.
ノイ: : : : :`ー ' i:. , |: :_:_::l : : : : : : : :. あら、欠伸が出るような電撃ですね。
/: : : : i: : : 、 ‐ i: :厂 ̄ ̄ ̄フ: : ::.
/: : : : : i: : : : :≧=- イ: :i _ヽ: : : :::. その程度では私には届きませんよ。
': : ::.ィ: : | : : :人 マ_「i|/:::_ノ ''"´ 、 : ::.
,': :/个才''" 、 ヽ 寸}: : i ` : : ::.
'.:, i《/ 、 ヽ 、`¨_,: :/ : : : :
l:' ム:.i ー 、 、ツ='/i/::/ }: : : :
il ,: :}:.i:.:.i:.:`ー'.:-、/i/::/ i: : : :
l ' : i.:{:.:.i:.:/ _iY: :/ : : ,'
::、 ,': :ハ}: 少'_,ィ劣才: :' ∨
ヾア: : `ー' `=≦i: : | 圦
,: : : : \ /:.:./:./:i: : } ヽ
': : : : : :/`i:.:.:.i:.:.i:.:i: ::{ __ヽ
,: : : : : :' i:.:.:i:.:.l.:.i: ::| _ ‐''"´ ̄`ヽ}
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
次はこちらの番と言わんばかりに、スカアハが構えを変える。
右手の剣でヨシツネと打ち合いつつ、左手を翳して真空の刃を飛ばしてきた。
「危ない!」
パイモンがメイヴを抱え跳躍する。が、それでも間に合わす、パイモンの右足が
ずたずたに引き裂かれていく。悲鳴を上げながらパイモンが転げ落ち、
一緒にメイヴも地面に叩き付けられた。
強い。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
367: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:36:15 ID:fgrERJQI0
\、ト、
ヽ乂_ノ::}:::〉、__ノ{
__ ノ:::::::::::::::/::::::::⌒ヽ
ー‐ァチ:::::::::::::::::::::::::::::::::⌒≧x
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┌¬,’ '尓::/:::イ::/::::::/}八トヘ::::::::|
┌ _⌒ 犲l /:: イ 弋zソ :|:从ァ〟, _
_ =ニ气 {ム. |: ` ̄ ,リ_ノ / "'' ァ〟,
, 气ョ_㍉从_ /≧- _ i:. メ /l ノ i
, l| l ,lx '′x个=ゥ'/ 丁T ┬ ∠ノ / // ≦、 |
, l| l , r'′ ,x仝く 〈 l ,x<二> 丁T =≦仝=≦、⌒ l|
, l| l , r'′ ,x仝ェ__ 从r≦──‐く  ̄ミ 、 \ ll
/l , r'′ ,xく __ / r' ̄「 ̄´ 〕 ll
|, '′ ,xく __ __≧rf ノ/´{⌒}__ 〃
,xく( ___≧=干 ̄ 从 / / ̄ ]〕lト ,, イ
/ x=干 ̄ { \イ厂 「 〕lト--=====彡ll
|| \ 少'll \\ ll
ll \ |l 冫 丶 ll
从_ ○ ○__,八 〉li| ll
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 人\ li|: ll
/ \ ,/i| ||
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喜留夫も仲魔たちのサポートに回っている場合ではなかった。
短刀を構えた少年と対峙し、こちらも短刀を構える。
短い獲物同士の戦いは初めてだった。
最初にこちらから踏み込み、牽制の上段蹴りを入れるが、上体を逸らして避けられる。
それどころか、避ける間際に足を斬りつけられた。
ズボンが裂け、脛に赤い線が走る。
怯むわけにはいかない。怯んだら攻守が逆転する。そうなれば、
勝ちの目はどんどん薄くなる。
そのまま踏み込み、短刀を逆手に持ったまま右手で少年の目を狙うが、
肘で弾かれる。すかさず頭突きを繰り出すが、それも首を逸らされて避けられる。
上半身に意識を集中させたところで、下段蹴りで相手の足元を狙うが、
少年もそれに合わせて蹴りを入れてきた。足が交差し、鈍い痛みが走る。
踏ん張り、短刀を振り回す。一度は短刀で弾かれ、二度目は躱される。
三度目は腕自体を跳ねのけられ、踏み込んできた少年に腹を刺された。
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368: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:38:11 ID:fgrERJQI0
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l::ヽl::::::::::::::::,,へ...___,,,,,ノ:::::::::::::::::::::::::::二=-
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///::::/:://::::!lレ'ヘソ _,; .┌'┐ ):::::::::::::::: おおおおっ!
./´ /, '/!/i./::::/!!ヾ "~ l! .! ^ヽ ;-'^k
."|/ .l! |l:/ .リ! ,.._ l!_,,j /"~~ `;;ヘ.
.ヽ|`=7 / ヽ. 〈 l::::::::::..... ´\
リ\`ヘ .Y ,`-Y´:::::::::::::::..... .ミ
_ .`.、 .ヽ/ユ_,;l .、/ ./ヽ:::::::::::::::::::::::.... \
/.:::`ヽ/´`\\ `='" /`/ ,;'ゝ,::::::::::::::::::::::::::.....
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し, '" 、7 ../...,_;;;;;;;;;........,,,,;;;::::::l |:::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
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続けざまに二度、三度と腹を刺される。
自分の喉から、自分のものではないようなくぐもった声が漏れる。
短刀を引き抜くと、少年はまた呪文を口にし、構えを変えた。
左手を虚空に添え、右手に持った短刀の刃先を斜めに構える。
「喜留夫っ!」
後ろからメイヴの声がする。メイヴのことだ、すでに回復魔法の準備に
入っているだろう。指示は必要ない。あったとしても、する余裕もないが。
少年の持った短刀が翡翠色の淡い光を帯び、それが棒状に伸びていく。
生体マグネタイトの槍、とでもいうべきか。
少年は槍を構えたまま一度飛び退き、そして突っ込んできた。
狙いは首か。そう直感し、伏せる。無様だが、一番効果的だ。
予想通り、槍の穂先が喜留夫の首があったところを一閃した。
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369: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:39:36 ID:fgrERJQI0
:,: :(::)
/⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
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ヽ::::::::';''' ''`` 。
τ'::/ .;:
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,!,,,、( /::τ ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
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π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ ;,;;( ):::::;. c::── '`'''::::::::::;''
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τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ :'`'``:!
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:::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"
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そのまま槍を回しつつ、回転に巻き込むような形で殴打が加えられる。
柄が顔を捉え、惨たらしい音を立てながら喜留夫を吹き飛ばした。
空中に飛ぶ自分の血飛沫を視界の端に移しながら、地面に叩き付けられる。
しめた。この距離は銃の距離だ。
痛みに思考を持っていかれそうになりながらも、必死に冷静さを保ち、
喜留夫は拳銃を抜いた。
ダットサイトを覗き込むこともせず、出鱈目に少年に向けて銃弾を撃ち込む。
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370: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:41:38 ID:fgrERJQI0
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\
/u (トェェェェェェェェイ) \
| ヽ!!il|!|!l|!!ii|i/. u |
\u ヽェェェェェ/ /
/ ヽ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
発射された銃弾は十五発。弾倉が空になるまで引き金を引いたのだから
間違いはない。
その撃ち出された銃弾のうち、数発は少年の胴体を捉えていた。
筈だった。
なんと少年は槍を前方に構えると、目にもとまらぬ速さでそれを振り回し、
自分に命中する弾丸を弾き落としたのだ。
人間業ではない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
371: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:42:15 ID:fgrERJQI0
___
_,. '´  ̄`、
/ u. \
| (●)ililili (●) u, | メイヴっ! パイモン! ヨシツネ!
、 トェェェェェェェイ /
,"ヽ、 ヽェェェェェ/ '´ `、
/ ゙ヽ、
| `-、、 ヽ
\ ヽ ハ
ヽ l l
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
後ろでメイヴの悲鳴が聞こえる。
振り返ると、ヨシツネは膝を突き、パイモンは地に伏せていた。
メイヴは肩を剣で突き刺され、そのまま民家の壁に縫い付けられている。
フェンリルとファフニールの戦いは拮抗しているようだったが、
押し負けるのは時間の問題に思えた。
「畜生! 畜生っ!」
銃を構え、スカアハを撃とうとするが、腕を突き刺されて止められた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
372: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:42:46 ID:fgrERJQI0
\丶、
_. -‐::::::: ̄:::\:::\ }ヽ
--==ニ::-‐::::::::::::::::::::::::::::::_:::ヾ::::}
..:::´:::::::::::::::::::::::::::::_:::::::::´::::レ1::ノ――‐-
/::::::::::::::::::::::_.:.-‐::::´:::::::::::::::::::::|´:::\::::\ー-ヽ
/:::::::::::::::::::::::/:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::: ノ::::::::::;}\:::ヽ
/:::/:::::::::::::/:.:.::::::::/:.:::::::::::::::::/:::::::::::〃::::ヽソ
//:::/::::/:::ノ::::::/:::::::/:::::::/::/:::.:.:::://:ヽ::::::.
//::::/:::::::::/::/::::/::/::::::/::::::/:.:.:.:.:/:/ヽ:::::;:::i::, 「く……そ……てめえ、何者なんだよ……」
/::::/::::::/:://:::::/:::::/:://__.ィ/..:..:..:/:/ハ::::';:::i::ト:::、
l:::/:::::イ/::/ /:::::/::::/´/ャテミ lッ:/:,イ:/jソ l ;::i:::|リ ` …………。
|∧::::::ヽ/ /:/::/:::::l:::/ 込ソ |::// レ{´ | リソ
_. -┐ rハ:::::/:\!/:::イ::::/レ' l〃 ヽ l
! VL Vヽ::::::ヽヘl::/ _.ン/
ヽゝ `7} ';:::::i::ハ ヾ ´_. /
ヾ:、ヽ {、ヽ ___ハ/ソ } \ '" 二 /
_ ̄ \ / \ 丶 /l
/ ヽ }∧ 丶.__ ` ーr---‐ } |
/ / ヾ-∧ ヽ  ̄ ̄ ̄「|// 〉
/ / \ \ l | /
/ィ::::::::::/::::::::::::/::/::::::::::::::::::::}::::::::::::::\:::::::::::::ム
/:/::::::::/:::::::::::::::/::/::::::::::::::::::::::':::}::::::::::::::、\:::::::::::ム
/´ ,::::::/::::::::::::::::::/::/':::::::::::::::::::::/:::∧::::::::::::::V::::::::::::::ト:.、
,.:::/::::/::::::::::::::/:::/':::::::::::::::::ア:/::/ V:::::::::::::v:::::::::::::i ヽ
,.:/ ':::::/:::::::::::::/}::/,':::::::::::::::ア// j'_,.斗ミ::::::::::::::}::::::::::::::!
/ |:::/:::::::::::::/≧x,':::::::::/:/_/孑示ミx }:/::::}::/ ヽ::::::ト:、
/!/,':::ハ:::::〈乂hタ:::::::/:/ /' 乂hタ丿j' !:::ハ' ノ }|::{:リ
| ハ::ハ::{ ` ̄,::://' ` ̄ ´ .|/ /⌒ 八j' ……雷堂。
' v! /´ :/ / r‐' ,.イ!::/
八 〈 r‐彡/.j/
、 ` / /:!ハ{、
ヽ '  ̄ ヽ メ .イ :|' } i
/ \ ~´ // |ノ |
/_ iヽ ,。s≦ / \
/⌒v |  ̄ /ヽ、 v-、
>'", , / j ハ {ヽ ヽ'<
>'"´ , /, { , ,:ム ', ヽ \
/' / / / :ト、 , -! /'" ヽ ,
373: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:43:10 ID:fgrERJQI0
/:.:.:.:.:.:.:..:./:.:.:.:.:/::.:..:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;':.:.:.:.:.:ヽ:.:∧
/:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:/:.:./: /:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.∧
〃:.:.:.:.:.:.: /_:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.;.:':.//从:.:.:.:.:.:.:.:.:..i:.:}、_\
/ イ:.:/:.:.:´ ̄¨=≧x、_:/:.:.:.:.:.://x≦イ下:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:ハ  ̄
/ィ:.:.:.:.::.:://忙テY;:.:.:.:./≧イ忙テYテ ';.:|:.:.从ハ:.:.:.:i
|:.:./:.::/V∧ゞzンィ:.:.〃 /ゝ弋zンノ .}:.i:.:.:ハリ }ハ: |
| /|:./ i  ̄ //.}:  ̄ j:∧/ / ハ! 十六代目、葛葉雷堂。
|{ !' .ゝ.', / :! i' / ィ1
. , {:.. _ rvイ/
从 /:.:/
{}ト. ´ ̄ ̄` i/ ..イ://
|ヽ  ̄ // ,'/
/ ̄リ \ ., ィ ハ>.
/ {! `ー‐ '' {::i .∧
,.< \ У. ∧
【人間 十六代目葛葉雷堂 Lv73】
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「……目的は達した。お前たちにもう用はない」
少年の槍が光を失い、短刀へと戻っていく。
手には無線機が握られていた。護衛対象が別の人間にやられたのか。
「仕留めないのですか?」
「この程度の相手なら問題ない。復讐に来ても退けられる」
「あらあら、案外優しいのね。奪わなくて済む命なら奪いたくない、と。
でも、私は好きですよ?」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
374: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:43:23 ID:fgrERJQI0
/ ̄ ̄ ̄ \
./ u. \
./ (○)ililil(○)i
| u. .(トェェェェェェェェイ)| クソッ……
\ \ェェェェ//
/ ⌒ヽ (
/ ,_ \ \ /\ \ て
と___)_ヽ_つ ヾ_つ. そ
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情けをかけるというのか。
葛葉雷堂と名乗った少年は悪魔を管へと封印した後、喜留夫に背中を向けた。
撃ってみろ、ということだろう。撃とうとした瞬間、こいつはとどめを刺しに来る。
人間とはいえこの強さだ。銃弾一発程度で倒れるとは思えない。
そもそも弾丸は撃ち尽くしたところだ。再装填をするそぶりを見せた時点で
振り返って殺しに来るだろう。
こうして、喜留夫は一人、血まみれになりながら取り残された。
護衛対象の死体が上がったのは、その一時間後だった。
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375: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:43:46 ID:fgrERJQI0
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376: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:45:27 ID:fgrERJQI0
~TIPS~
『葛葉』
平安の世に宮廷に仕えた陰陽師集団の末裔たちによるデビルサマナーの組織。
かつては日本の霊的守護を担い、陰の秩序として機能していたが、十年前の災厄により全滅している。
葛葉の里は焼き払われ、葛葉四天王の四家も全滅、直系の葛葉の召喚師の生存は現在は確認されていない、
と思われている。
今作ではテンプルナイトの前身として扱われる。
『ヤタガラス』
日本の秩序を霊的な側面から守護するための天津神の系譜に連なる機関。
過去に葛葉を傘下に従えていたことがあり、かつては葛葉のサマナーと協力して世界を崩壊の危機から守った。
天使たちの干渉により、十年前の事件よりもっと前にメシア教会に吸収される。
377: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:46:23 ID:fgrERJQI0
/ ` 、
' ____ \
l イ::::::::::::::::::::::::::ヽ \
| ,.--――=- _:::::::\ \
|/二二二二二ニ≧ト、\ ,
/‐: |\:ト、二二二二ニ≧、 ,
/: : :.:|: :..\: : : :`<二二二\ ,
∠|: : : |∨: : : ':,: : : : : `<二二ニ\
/: : |: : : | \: : : ':,: : : : : : ::`<二二\ '
/: ,: :.|: : : | ∨: : :':,: : : : : : : : ',`.<二 \ '
.,ィ/,.イニヽ.i! :.:|芹ぅミ∨: : :':,: : : : : : : :',: : : \二 \:.... |
.,ィニ /'ニニノ |ト、:.,_.f::心 ∨: : :ト、: : : : :. : ',: : : : ヽ二7\:::::::::::..... |
,ィニニ二二ニ∧ L__ノ:.乂ノー‐|∨:.「: \: : : : : \: : : :.|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
二二二二ニ/ } \| .l: ∨|: : :ト、: : : : : : :\:.:.|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
二二ニ≧ ̄ ( i: : :\: :| ト、 \ヽ_________.. ----‐‐‐.´
二ニ/ l r フ ∨: : : :.:l.ノ: : :`: :.、 ` 、
ニ/ { ∨: : : : : : : : : : : :`ヽ、 ` 、
/ | | .イi!: : : : |\: : : : : : : : : `ー‐ 、 `ー---
.∨l `7‐---、 イ________i!: : :.:.|: :.:\: : : : : : : : : : \ ` 、\
./ /:ハ: : :〈l「r------∨: : :\: : :\: : : : : : : : : : :\ \l
l: | \: :|.|@二二ニ∨: : : :\: : :\: : : : : : : : : : :`>- ___
ヾ_---/ |二二二ニニ\: : : : :\: : :`ー‐‐‐--: : : `ー―----- ̄ ̄ ̄: ̄≧
__ _ ----<二/./二二二二二/\: :\: : : : : :`ー―――--: : :___ト、: :: : : `:..、
≧` ̄/ 〈ニ/⌒7二二二二ン"/ / ` 、: \: : : : : : : :\: : : : : :\ \ト、\: : :
/ ィ=--イ7ハイ二二二ン":/イ  ̄ >、: : : : : : :ト、\: : : : :.∧ \ .\:
,--イ ノ /__ノ二ニ>": : / .∧: : : : : ∧ ヽ: : : : : : :i! \
)--->-=‐)ノ、〉<: : : : イ /.,ィ |⌒∨: : :.| l:/: : : : :.|
,イ:": : : : : : : : : : : : ,イ☆))S /イ ノ |: : : ノ: / ∨/ : :|
~また次回~
/||ミ
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|:::::::::::::::|| 、 - ‐‐ -,
|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
|:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i ハロー。今日はちょっと短めだよ。
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|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´ スレでも話題に出てたから、早めにあるキャラを顔出しさせたくてね。
|:::::::::::::::||___ : : :丿
|::::::::::::::(_____ノ´|| それじゃ、短めだけど見てってプリーズ。
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
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\ ::::||
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343: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:04:02 ID:fgrERJQI0
┌─────────────────┐
│ .│
│ 第七話『レジェンド・リターンズ』 ....│
│ .│
└─────────────────┘
344: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:06:53 ID:fgrERJQI0
__
, < ≧ミ
/≧=/ _ 、 \ \ _ rャ=┐\
{ニУ / ヽ rャ≦Ⅵ}ニニニ}\ ヽ
7 ./ `、 .マニニニ/}「ニく \∧
/ /! r 7i`ヽ! i .\ /ニ{∨ニ ヽ \!
, / .| |/_ i i ! | |ニ | .∨ニニ〉 ∧
i ./| .| |f:}\、} } } |三!  ̄ ∧ この写真のおじさん、誰?
|/ .!.r ∨ !j j ,′ | |ヽ ∧
V.ハ ,′ / /、 | | ∨ i
| ∧っ / / /i / Vi .} } .Ⅵ
| /| ヘ __/ /| / .}/'´ _にv ∧ !‐- 、}
i′! / / ./} , / / }/ i/ /
.i/Z / }7} //}イ _}i >
7}} i i/ くV 斗rヤ r― _〉
r'´/ ̄ `y' / 7 〉―― くノ\ ̄}´
/| { .{ /\__xく \}
,′V ヽ__/! \ / / i
, i! .| { / >
/ ∧ ___」 く ィ′ \
/ |/7//| | / 7 } \
/ |{///.L} 71!ヽ}_ }
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
パイモンが護衛対象の写真を指差し、首を捻る。
今回受けた依頼は、ガイア教団への資金援助をしている、それなりの規模を誇る
建築会社の社長の護衛である。
というのも、最近になってガイア教団の支援者が暗殺される騒ぎが起きている
らしく、次の標的になりそうな人物を護衛してほしいとガイア教団直々に依頼が
きたのだ。
以前起きたアートマの件からガイア教団にいい印象はないが、報酬はいい。
背に腹は代えられないのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
345: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:07:10 ID:fgrERJQI0
____
/ \
/ \
/ (ー) (ー)\ 今回はお偉いさんの護衛だ。
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ / 失礼なこと言うなよ?
/ |
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
しかし、ガイア教団から指名が入るということは、自分の名前も売れてきたという
ことだろうか。
今のところ、自分の評判を他所から聞くことはほとんどなかった。
実際、自分くらいの実力のサマナーであれば、捜せばいる。
だが、十年前の事件からサマナー全体の平均レベルが落ちているのも事実だ。
その生き残りの中で、自分は最古参ともいえる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
346: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:09:30 ID:fgrERJQI0
____
/ \
/ \
/ \
| (●) (●) |
\ (トェェェェェェェェイ)/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そう、十年前のことである。
あの時、各地で同時多発的に悪魔が出現し、当時のサマナーたちが
対処に追われた。無論、その頃にはまだ存在していた葛葉たちもだ。
病院や学校、多くの人が集まる施設が悪魔に襲撃される形となった。
喜留夫が通っていた高校もそうだった。
あの時、喜留夫はちょうどCOMPを偶然手に入れ、それによってピクシーであった
メイヴと契約し、当時の災厄を生き延びたのだ。
それ以降、葛葉は壊滅。他の高位のサマナーも軒並み死ぬか、戦闘不能の体に
されてしまったらしい。もっとも、閻魔哀のような例外はいるが。
必然的に、息の長い喜留夫は現在のサマナーの中でもそれなりの実力を
持つに至ったというわけである。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
347: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:12:41 ID:fgrERJQI0
..-‐ ¨ ≧ァオ¨_ミ:x.__
,ィニjァ='ィ ⌒´辷彡ス `Y
r:ヘ.Yツ / / i l i ヽ ` ヾ) i |
トi ,ィ/ ′ i l l l | | l .ハ (( | !
| jヘトN i | | ィ7从┼l‐-i! }` !リ
レ′ l Vアフ彡ィ/ j」⊥j、! イ ハ、
/ 八 くヾrjYtリ ´ヒ:z:ノ;7 / Y ヽi
/ / ヽ卜辷r" : "" { ! ハ ト-ミ: ____ 今回の依頼は、何もなければそれでよし、らしいわ。
√ァ’ / トミ Ⅵ( ‐.‐ 人ヾ { , マ≧ レ==ミ`ヽ
/〃 /イ ャ‐ミxヾ:`へ、_ ..√てハ>"{ ヽノノ ヽ\ 何も起きないことを祈りつつ、最大限の注意を払いましょう。
人{/ / } }rリ) r' `’ ) _/ `ヽУく )/
.-一=彡 ハ /r‐ " ,ィ Yヽ辷彡= _厂Y `う レ/ \ ー=彡
ィ´  ̄ /ヾく | =彡 リ_ / > < 1| {:_ /イ\ 丶
/ / /\-ィ 「ぇ≧z\_/ィミУ { 〃´ /ヽ \
/ 〃 ′ Y | " ヾ ̄  ̄ /_ }.:′ / } ヽ
.ィ i { Lk、 ! ¨_ノ /=ミ 〉/⌒ヾ ハ
/ { ヾ:、 r'¨ ` rァヘ:、 ヽ しぅ〃 : ヾ ∧ }l /
く 八 ヽ/ /ソi } ` :.、 } ソイ} } i 〃 /
ハ ヽ r='=<r彡八V_ ==≧<ア/ ¨{/ ト、 v/イ 八
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今回の暗殺騒ぎの犯人に挙げられているのはメシア教だ。
ガイア教が被害を受けて一番得をするのが、抗争相手のメシア教だからだ。
恐らく、暗殺の首謀者がメシア教なのであれば、実行者はメシアサマナーだろう。
もしもウルフウッドであれば喜留夫に勝ち目はないが、その情報はない。
あれだけの派手な武装と仲魔だ。ウルフウッドであれば、たちどころに噂が
広まるだろう。つまり、ウルフウッドである可能性は低いということだ。
護衛の開始日時は今日の正午から。時刻は十時を切っていた。
喜留夫は装備を確認した後、護衛対象に会うべく事務所を出た。
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348: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:14:14 ID:fgrERJQI0
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349: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:21:19 ID:fgrERJQI0
~TIPS~
< r=-、 > ' ´ / / rァ/ }v'´`i > ゝ
>イ{r-j}ソ トv´ ゝイ.人K i
廴Y/ ┘ / ヒ=-ゞ イノ小 |
ノiヾイ'´ / i i ≧三≦ .| ハ
、 _/ィ // i il .il i 升 ハ .ヘ
 ̄ ノ i .i il i. i il .il il |.i ii .ヘ
/ / i i i il ハ .il .il il Ⅶ ハ
/ il i__ ハ. il .升 iⅦ i i.lハ ノ ハ
i i ナTl il il -ハナilー -.i il ト ソ i i
| il il il il i il i / il .il ilハ/ .イl il il {ハ
人. il il ilゥ≦ミ=、 il il il / 行芯及ァイ// 小、 i .il ヽ
ハ. il il ノ/<t 」ノ ゝハi .il ハ {辷t jrリ./イ / il il. il ( ミ;,、
V>‐ il i il人ゞ- 、 _ハノ ハ' ´ 弋z_ソ.// / .il il / ハ ヽ
} i ハ .il ハ ト≧_>イ イ. / il il ./ i ヽ
ノ .|/ Ⅶハ i i i ノ人( _ -=彡イ il // i 人 ',
, '´ / / ヾハ 人 ( `ヽ /.< ̄ ̄ ̄ ̄ヽ_il / il ノ
/ / }人≧、 ー =- イ} }) / ( .il (
/ハ / il ゞ > イ∧_∧ / / ∧ il ヽ
iハ ゞ. i ≧}人 K /> ─ ´i || | | .| i .i / ゝ i ヾ _ ヽ\
i .| 彡イ人ゞ / /∧∨/ / / / ハ // /ソ \ ヽ
【名前】
クイーンメイブ
【種族】
夜魔
【レベル】
56
【属性】
Neutral-Chaos
【相性】
魔法全般に強い
【能力】
力-D 魔-B 体-D 速-C 運-C
【スキル】
メディアラハン マカラカーン テトラジャ マハジオダイン メギド テンタラフー マリンカリン
【備考】
喜留夫の十年来の仲魔。
ウェーブのかかったプラチナブロンドの髪を腰まで伸ばした、異様な雰囲気の少女。
黄金色の瞳をしているが、右目はアイパッチで覆い隠されている。
雪のような純白のミニドレスを着用しており、西洋人形のような風情すら漂わせている。
大きなチーズの塊を見ると半泣きになる。
350: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:22:31 ID:fgrERJQI0
.〃ィ/| ./.!ト, .,イ / /イ | / |∧ | ハ ト, ト、 }ヽ ト、! ハ、<⌒ヾ
/ ./ | / リ ', / |/ ´ l / リ レ′ ' | .| ` .ハ |. 、ヾト.、Y
∨ ヽ/ // レ′ ハ. ! ヽ.\レ′
--, '´ ,/, , レ′ .ハ、 ∨
`/ ,ィ, , ,,,、_i , / ,、 i _,ィ,/ ,イ//! .ト、 .ハヽハ
. {// . |/{ / /γヾ ! V .∧i / ヽ .l'´_フイ_7イ¨7./, / / ヽ..| ヾ
_厶イ i.|/{ ,/{ ゞ:叭 ! i ハ|/. ヾ{ \、 ヾ、==ャ、/// ,イ ,イ .ハ !
--―ァ l |. |′∨'´λ、Ⅵ `¨ ,イ/イ/イ リ
/,,..ミヾ、 , ヽ `ーヾ'、 /イ´.ヘ
≦イ:`ー-ミ_</ / \__ ` ∨
.{:::::::::::::::::::`ー-ミ</ ` r‐、、ィ
γ`:::::::::::::::::::::::::::::`ーミ丶、 __,∨ ヽ
_ゝ:::ニ二ニ ー-:::::::、:::::`ミ、ー 、 ´ー; ヽ ヽ
'´:::::::::::::::::: ̄`::ー-::::`::::::::::::> 、'<. /´ /ヽ ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::::、::::::::::::::::>:、ー 、 / /! l ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::::、:::::::::::/イミ,‐-:'.,〈 ,l \
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::才/::::::>>/ ', ′ \
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:/イ _,ハ ' 、 ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ (_ ヽ 丶 ハ
::::::::::::::::::;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ >ヽ、 }
:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ハ. `丶、 ',
:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ハ > 、 .i
【名前】
ヨシツネ
【種族】
猛将
【レベル】
57
【属性】
Light-Chaos
【相性】
破魔・呪殺・精神・神経無効
【能力】
力-C 魔-E 体-C 速-A 運-D
【スキル】
タルカジャ スクカジャ ブレイブザッパー 八艘跳び デスカウンター 食いしばり
【備考】
喜留夫の仲魔。物語中盤で仲魔になる。白髪頭が特徴的な、死んだ魚のような一重瞼の男性の姿をしている。
白髪頭は「大体兄上のせい」とのこと。
最初は女物の着物を着崩していたが、喜留夫が「気色悪いから」と黒いジャージを押し付けた。
三年ぶりにレベルが上がった喜留夫が色々苦労して合体により作成した悪魔。
造魔に源義経の分霊をそのまま宿した形であるため、性格や容姿がそっくり。
乱暴な性格だが、邪悪を嫌い、弱者を甚振るような真似は絶対にしない。
女好きの美男子だが、平安時代であればともかく、現代では「イケメンだが、探せばいるレベル」とのこと。
そのため女性の食いつきが昔に比べて悪く、よく悪態をついている。
351: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:23:34 ID:fgrERJQI0
/、::::::::::イイ /:::::::'イ:::::::::弋,ィ´ヾ_
. イ 〈:::::::::::::了 ./::::::::::::::::::::::::::::::ムゝ:::/
/:::::::::,、::::::,-' /::::::⊿:::::::::::::::::::::::_,ィ::|
|:::::::/ /::::::ーイ/::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::≦彡
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|;;;;レ';;;;;;;;i|;;/:::,-、:::::::::::::::::::::::::::::::7
|;゚;;/|;;;;;メ |7::l_ノ:::::::::::::::::::::::::::::lニ、 .lヽ
ハ ヾムイ ソ:::::::,イ__:::::::::ノコ::::マ |:.:',
マム , ≦ ̄(⊥/彡シ:/7ヤヾ、::::`´::√ /:.:.:|
マ `ム、 〈:◎ソイメ少ミ:.::l≠゚ / _≧マ´¨´ /:.:.:.:l
. Y´_∟二ニ、 ./%ミ:.:.:.:l__l ゚ ヘ ̄ソメ、__ /ム7:.:.l
∨WレwW )〉Уl":.:.:.:ハ彡ヽシ´寸´:.:.:ト-イ、彡':./
,ィイMシヾTイ´;;;;;;」, ―イロヾ>,=、l:.:.:.:.:.人:.:.:.:.:./
>、_,イ´;-;;,イ´へ、>―-、ムノ:.:.:.:.:.:l゚.pl:::;;/
/`ー;イ:.:.:.;-',イ7 /| Y_ l) ノl´:.:.:.:.:.メ、 l/
レ´レ彡' /..:;/7..::/ ,、ン--'´∨:.:.:.:.:.:.i:.:.:Y´
. /.;/〉..;//::/;;;;;;;;;;l 〉:.:.:.:.:ノ:;;;〈
//ー./..:;/7;:../-- -≧/ヽヽム;;;ハ
´ ./..:;//;../ ムノ;;l 〉、 |
.ヽイ lメ `´ `´
【名前】
ファフニール
【種族】
邪龍
【レベル】
56
【属性】
Dark-Chaos
【相性】
物理攻撃に強い 電撃・氷結に弱い 破魔・呪殺無効
【能力】
力-B 魔-C 体-B 速-C 運-E
【スキル】
地獄の業火 アイアンクロウ メガトンプレス 雄叫び 猛反撃
【備考】
喜留夫の仲魔。機械でできた装甲を全身に纏ったドラゴンの姿をしている。
元は妖獣チンだったが、度重なる合体でここまで強化された。
偉そうな態度で喋るが、単純な性格をしており、食べ物に釣られやすい。
属性が凶悪なのだが、クイーンメイブに散々躾けられているためにそこまではっちゃけられていない。
光物が大好き。金箔を乗せた肉をあげると大変喜ぶ。
352: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:24:35 ID:fgrERJQI0
___
(_ノ (__) `ヽ
〃 ’′ ノ
人ー{‐+-- +‐宀'′
≧=┐ /´
└ァ ア
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--=ミ r<゛ ト _
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〃 、 `ヽ 〉 |{ i } }:.:.:.:.f{:\:.:∠
'=- \ ㌻゙ |ヽ ト、 | l|| └=ァ:| 'ー=ミ:.:.\
{__ \У |l { ⊥斗 || ∧}〈:.:{  ̄
rx「 ̄`ヽ { ハ ,ハ|f==ミj/ ‘,:.\
. V} f'Y =r┴ュ,__ x:「´ "xxx| }`丁⌒
VU-| `乙/{圦 | ハ |l
Vr┴={_L二ニ=ヘ { | / ,'r===
ヽ }l } \`'<丶_,, 斗 /}/ _〕 ニ=-
Y ニ{ `¨¨込,ノ |/Y´ ___
〔/⌒゙'ヘ \ |{ }/ ̄
V ヽ /
【名前】
パイモン
【種族】
堕天使
【レベル】
52
【属性】
Neutral-Chaos
【相性】
氷結反射 呪殺無効 火炎に弱い
【能力】
力-D 魔-C 体-D 速-C 運-D
【スキル】
マハブフーラ ディアラマ タルカジャ ラクカジャ スクカジャ アムリタドロップ トラフーリ
【備考】
喜留夫の仲魔。
見た目こそ後ろ髪を三つ編みにした異国の美少女といった出で立ちだが、男性。
序列九番の地獄の王だが、下位分霊のためそれほど強い力は持ち合わせていない。
バイセクシャルではあるが、喜留夫は好みではないらしい。
355: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:28:53 ID:fgrERJQI0
. / _ /.,' ., i | ;' .} l .l .| '; ∧∨
〈/ フ .l .l ,' .| .!; /.'; l∧'; l .l、.ヽ
ー=彡 .| l /||l.l ';.:Ⅳハ |N \ヽ.l_
ト-' ∨l|l;' ̄l¨、|ニ=ミ lト、 '∧<二、.ト、ト、
>≠., ;!∨l|! -―tッ‐ ヽ〉.\∧‐tッ―- ヽ
⌒フ_,ィ.Ⅳ.|`′ \〉 / なあ、旦那。
〈ハⅥ 〈ィ
ヽハ 、 r‐、 从 「なんだ」
.};`:;. | ', /-
〈ハハ、 '; ∨¨ヽイ⌒ あそこのたい焼き食いてえ。金くれ。
_|.l |:.、 ~ ┤
イ.;:|ハ .';. `:..、 '; 「メイヴ、鞭ってあったか?」
.//..::::::从l >... _..;
..//..:::::::::::::::::;} l 冗談だっての。
`ヽ.\:::::::::::::::/| .';
.. _Ⅹ.ヽ::::::::::| l .
. _x<三三ヽ 丶:::::l ヽ
≦三三三三三ニヽ ∨:;. \
三三三三三三三∧.∨;::. ̄ ¨>、 , < ̄.∧
三三三三三三三三ヽ∨. .∧
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
空は淀み、灰色に覆われていた。今にも振り出しそうな気配さえある。
護衛対象は眼鏡をかけた中肉中背の男性だった。
ダブルのスーツを着込み、髪を固めたその姿は紳士的で、実際人相も
よかった。悪魔の存在も認知しているらしく、喜留夫のことをサマナーだと分かっていた。
こんな見た目をしておいて、反社会的勢力であるガイア教に
肩入れしているとは、人は見た目に寄らないな、と喜留夫は感じた。
いつでも危険に対応できるように、仲魔たちを召喚しておき、
COMP画面もファフニールをいつでも呼び出せるように操作しておいた。
咄嗟の対応のためというのもあるが、喜留夫は仲魔に頼ることが多いスタンスだ。
何かと意見を出してくれるメイヴたちは、基本的にCOMPの中で待機させておくより
も、こうして召喚しておいた方が助けになってくれる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
356: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:05 ID:fgrERJQI0
:.. . :. .. . . ... . . .::.. :. .. . .:.:.. . . ..... .. . .... ::.. . .
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_...:;;:''"'" ""''''''''':::::......"""''''''"""''''… ,.;:.,..,;:;:;:,.,._, ...,,,...,,,,,,, . ... .. ... . .. .:.. . .. .. . .::.:.....
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:.:.. .. . . """"''''''''''':::::::::;;;;,,,,,....._ ""'" ....,,_,,,...;:;::''"
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.. ... . .. . ""'''''"''''':::::;;:;;,..,,.,.,:;;:'""''''''''
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曇天の中で落ち合った一行は、三津井市にあるガイア教団の支部へと
向かった。
今回の依頼は、彼を無事にガイア教の支部まで送り届けることだ。
流石に支部一つに殴り込みをかけるような暗殺者はいないだろう。
ウルフウッドであれば、話は別だが。奴ならやりかねない。
駅前の大通りを抜け、住宅街に入る。
支部はもうすぐ、あと十分もかからないといったところで、異変が起きた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
357: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:26 ID:fgrERJQI0
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, . : : : : : : : :>‐…‐-
,. -く: : : : /: /\: : : : : : : : : :\
/: : : ニ=‐-: : : : : : : :\: : : : : : : : : :\_/:i:i:i:}
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/: : : : / : : |: : : : : : : : `、 \ \: : : \i:i小:i:i:)、:i:i:i:i:i:丶、
_/:i/ : : : /: : : :|: : : : : : : : : :`、 \ \: : : : : |:i:i:(: :\¨⌒\(
⌒\/ : : : /: : : : : : : : : :\: : : : `、 \ \: : 八:i:i:\: :.\
/: : : : : : : :..|: Λ : : : : :|\.: .:/、 \ \: : \i:i:i\ : :\
. /: : : : : : : : : |/丶 : : : : :| _Χ、斗 、 \ \: : : : : : : : :. :.\_ ……ちょっと待った。
. ___ /: :/: : : : : :芥うぅミ\: : vィ灯Jハ^\{\l\(\⌒ : : : : \"⌒ ̄
\ //: |: : : : : Λ:| 乂ツ \: \ゝツ |\: : : : : : : : :\: : : :.\_ 喜留夫。ここ、空気が変だよ。
\/ |: :|: /Λ/: :Λ ,::. `⌒ 从: : : : : : : : : : : :\⌒ ̄ /
\ |/:|/: : : :.∨ Λ _,. ., ,:i|: : : : : : : : :|/"'<⌒\ / /( 異界ともちょっと違うけど。
_ノ⌒ | |: : : : : : : : : :゙:..、 V ^) / |Λ : : :..|\|: : : :..`、 //
⌒\ |: : : : : : |\: : : 〕iト ., イ _,、rニニ}Λ : |: : : : : : : :.} /
/ |: : Λ: : |\ ト、/ {ニ=ニ二\ ̄ ̄ 〈: | ̄ ̄´"''</
|: / 〈: | )| ∨ニニ二二二\ 〈|
|/ 〈| ∨/  ̄´"''<ニ<
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
最初に異変に気付いたのはパイモンだった。
喜留夫はといえば、流石に平日の昼は人がほとんどいないな、程度に思っていた
のだが、仲魔たちは敏感に周囲の変化を感じ取っていた。
パイモンが周囲を探っている間、怯える護衛対象を諫めつつ、
懐にある短刀に手をかけた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
358: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:38 ID:fgrERJQI0
ヽ
ヾ::、 ト、
`ー==ニミ、 }::::ヽj::::}
,..=::=≧=-::::::ヾ::::V/__
,.:":::::::::::::::::::::>::":ソ:::/ハ::::::::::>、
ー=彡,..イ::::::::,::.:<::::/:::::::/:::I!:::::::::::::`>、
/::::::::/:::::::::::: /::::::::::/::::/::::}!::::::\:::::\
. /:::::: /:::::::::::: /:::〃:::::/::::/::::川::::::::::::ヾー`ー
/:::::イ:::::::::::::/:://:::::〃::::::::,':/小::::::::::ヾハ
}::/::::/:::::::::/::::イ::::/:::::/::::::::::://Vハ:i:::i::::ヽ:ハ
Ⅵ /:::::::::/::≧≠=x:/::::::::≠=≦ニ!:::l::::i:::}::ハ
. 八:: r7///{弋zツ./:::::/ 弋zソ,} 川::::l!::!
. 介// / ` ̄ /::/! ` ̄ 从{::/リ …………。
川ト } ″ :| レ.イV
}::ハ ` /:::/
,.-=>、 , - ― 、 メイハ:{
イ{=- .ト \  ̄ ./,ノ= >、
___|::> _. \__ /三彡 /|ト..._
イ三三三三≧、::::: ̄::`:::ー───==テリ:: ||:::::::::>.、
 ̄ ̄ ̄ ̄\:::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:/::::: |::::::::::::::i::::}
 ̄ ̄\イ:::: ∧::::::}}:::::::::::::::::::\::::::::::::: /::::::::从:::::::::::|::::|ヽ
 ̄ ̄\\::::::::}:::: }ト::、::::::::::::::::::\::::::/::::::::::/::::ヾ:::::/::/:/ヾ}、
:::/::::::::\\/::/ノ::::::\:::::::::::::::::::}/::::::::::: /::::::::::`ー=::::ヽ:/:::ト、
:::\:::::::::::://イ彡::::::::: ハ:::::::::::::::i!::::::::::/::::::::::::::\::::::\\::::i
:::::::: Y //V::/:::::::::::::::::::::::\::::::: i!:::::::/:::::::::::::::::: : | ::::::::} }ニ|
:::\::||{ .|:イハ{::::::::::::::::::::::::::::::::≧::=≦彡::::::::::::::::: |::::::: :} }イ!
\:::::||| .|彡彡}::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ三彡=:::::::::::::::::::::|:::::::/ ./:::人
::::::>/::::::/彡彡}}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 丁:::::::::::::::::::::::::: |::::::{ ヾ::{:::::}
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
目の前に現れたのは、学生服のシャツとスラックスを着た少年だった。
歳は十五程度だろうか、精悍な顔つきをしており、美少年といえなくもなかった。
頬には十字状の傷跡があった。恐らくは切ったものだろう。
追い払おうとしたところで、少年が手にしているものに気が付いた。
右手に短刀を、左手には二本の銀色の管らしきものを握っていた。
その管に、喜留夫は見覚えがあった。
閻魔哀も使用している、封魔管だ。
古来から伝わる悪魔の使役法であり、古くは陰陽師が使用したとされる。
自身の生体マグネタイトで満たした管に悪魔を封印し、必要に応じて召喚するのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
359: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:29:56 ID:fgrERJQI0
____
/ \
/ \
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) | 随分と乾いた目つきをしたガキだな。
\ \ェェェェェ/ /
| | 命が惜しければ退け。
|| / |
|| ./ ||
(_| r / (_)=|三三ラ
ヽ |/
>__ノ;:::......
/| ,//
|ヽ、/:::::::::  ̄ ̄フ 、_
\-ゝ /::::::::::^~|::::::::::::::::<、
∠ ̄::/ 7::::::::::::::::<
/::/:::::::::::::::::::::::::::::/, ヽ、
フ::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽD_:::::::......::ヽ
〃/::::::::::::::::::/l〃::::/|斗< |::,、::::::::::::ミ
/ /::::::::::::::-テ=t| / (:;::)/l/ヽへ、::| …………。
〃|::::::::::/、(::ツ レl 〃 ||> } |r
/ /|:「|「l〃 ヽ / !|
l∧ ヽ、 _ _ メr==-、
,- 、ヽ ´ ー ` 冫::::/ /i
/:::ヽ ̄ヽ、 , イ |:::< \
/:::::/:::::::::::|`─ ´/ ソ:::::::ヽ /────
/:::::::ヽ::::, へ──<^\_∨ ̄ ̄/ ヽ、
,──//_ ̄イ /__ ヽ ヽ 、 l ヽ
/─、 イ r.....:::/ >< |
┌┘:: イ ::::|::::::::|ヽ、/.......
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
少年は答えず、代わりに呪文らしき言葉を口走った。
封魔管の蓋が浮き上がり、中から生体マグネタイトの光があふれ出す。
緑色の燐光を纏って出現したのは、二体の悪魔だった。
一体は白い外套に身を包んだ女性の悪魔。
もう一体は青白い巨大な狼の姿をした悪魔だった。
すかさずデビルアナライズを起動する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
360: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:30:17 ID:fgrERJQI0
_ノlノ(_ _ノ(
_)V /:. /⌒^く__
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/ ,リ : :_}:: : :{:: {::{:: : :_「´ _「´:: : :_「´ : :`X{ _ノl/L_
lV:.:.:.:/^´:.:.:.:.:\{_」L彡':: _>:: : :_「´:.:.:.:.:.:.:.:.{ )V::::::::::く
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|}、:. {:. : :ノ:: / : :__,.彡':.:.:.:.:_「´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. _ノ、 /:::::::::::::::::::::::/⌒
リ∧:. \ l / : ://:.:.:.:.:.:.: _」´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:. ∧ 〈::::::/⌒ー‐'´
,´:. 〈\__) (_/〉/:. : :_彡':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. _|:. 〈_:. ∧ 〈:::〈
八:. / ⌒ト--'7彡:. _xく⌒´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :_l^ : :_「:.:.:.:`、 }::::|
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(い ,r‐ ヽ `X^トvvvv'7l!⌒´)ハ从(:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:. : 「:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨/
ゞ ,j! (⌒ヾ}! 〃⌒,ー 、 _ _.トイ/|/⌒:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`,
〉 ヾゞぇ_, ′_ノ'^Y⌒ヾj! 〃⌒`._/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. //:.:.:.:.:.:.: l:. : :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.{
.( i{ `ー一'⌒ヾ 人_, vァ' jt/ しv}.V´从(:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l//:.:.:.:.:.:. : 从,/:.:.:.:.:.:.:.:. : :{
`ヾゞー _,ィ^'~`ソj!ン ヾー'` ノ′ ,r==一:.:.:.:.:.:.:|/:.:.:.:.:.:. : / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,/
'、 ノノ ,r´ 〃⌒ヾ)}j! ー= 彡`ぃ,_ノ~ `て, .从从ノl /:.:.:.:.:.:. : / {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,(
ヾぃ_ジ⌒ヾじベノ ,.r 、{ j!),ゝく、f⌒ヾ{´..ハハハハ/:.:.:.:.:.:. : / 、 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./〕
`ー≠" ゞ'′ _}r' ∨ : :`^l^^^^/:.:.:.:.:.:. : / : :〉 \:.:.:.:.:.: / |
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l/ lノ l/レ'
【妖獣フェンリル Lv71】
361: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:30:34 ID:fgrERJQI0
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. / : : : : : rニニニニニニニニニニ≧s。: : : . ヽ.
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〈 : : : :./ニ/:i! {!:.:.:.:.:.:.:|ヽ:.:.:.:.>。ニニ]: : : : : : :. /
\ : : :.|/i}:.:.| .|:.:.!:._i|__.ヽ;|:.:.i!:.:.:>ニi!: : : : : : /
\ : : 〉:.:i!:._i!-‐‐ ∨!:.:.:.:_!_ ヽ`:|:.:.:.:i}ヽ|: : : : :. /
\i!:.:.:!ハ:| ‐- .∨:.:.:.:| ,..zz_V:|:.:.:.|!:.:.:ヽ: : : /
|ハ:.:.!.i!、yz==x ヽ|:.イら゚v テゞ:.:.:/.:.:.:.:.:.ゝ,´
/i!∧:.,.く乂゚v_j 、_{N `¨ ´ .ii:.:./!エ}、:.:.:.:.:.:.≧=-イ_
、__ /:.:.〉:∧:.,!! _ノ⌒乂_ _ .´|:/:.|:.:.:.:.:|≧=-―― ´ さて、お仕事お仕事。
. ≧s。:.:.:.>.イi!}ゝ`:. ー ´ ′ /:.:.:|:.:.:.:.:|
 ̄ ./:.:.:|!:.:.:|:.:ゝ ー- ´ .イ{:.:.:.|:.:.:.:.:., 今回は護衛もいるようですね。
/⌒ー==-:}:!:.:.!-/´≧s。_ </}:.:!:.:..i!.:.:.:.:.:.,
/⌒> ´. : ::| /:.:!:.:|/ /:i:/i:i:‐-┐Y¨二iト、:.:.:.ト、:.:.:.:.:., どう捌きます?
_>´ 丶. :! ./:.:.:|:./ /|:i:i:i:i:i:i:ゝ !.//_ノ∧|:.:./、:.:.:.:.:.:.:.,
/ \ \ ∨i! /:.:.:.:i/ |..|:i:i:i:i:i:ir‐‐‐‐‐┐:i:,i!:.:| ≧s。_:., 「……正面から行く。それだけだ」
‐- ..._ \.ヽ∨ ./:.:.:/| |..ト:i:i:i:i:i:}|三三] !:i:i:}:.:.! .〉.,
¨ー ..._ ー丶 /:.:./ ∧ !..∨-‐´ ̄ ̄ ̄´ヽ:iハ:.:i /:.:.:., あなたらしくて結構。……あら?
: : : : : :__, ≧‐- ∨:.:/ ヽ|....>⌒>| | ヽ >}:.:., イ:.:.:.:.:.:.,
、, ≦ /:.:.:.:.:.:.|/:.:/ |< ./ーs_ノ⌒y´ ヽ:.:.:,/ /:.:.:.:.:.:.:.:.,
、. /:.:.:.:.:./:.i.:.:/ / . |...ヽ//⌒)|/ 厂)_ノヽ:.:., iト、:.:.:.:.:.:.:.:.,
/ .__/:.:.:.:.:./:.:/:{:.:r i! !.............ヽ`ー―´⌒´∧ ゝ:.:.:.,イ:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.,
ヽ _/.:.:.:.:.:.::/:.:.:.イ:人:.{ | ∨............丶i:|||:i:i:i:i:i:/.....}☆.、:.:.丶:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
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イト、=‐ ___, ィ⌒¬ノ | ´ ヽ: : : : : : : : :∨................................./ |:.:.:.:.:.):.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
【女神スカアハ Lv73】
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呼び出された悪魔たちは、異様な強さを誇っていた。
ウルフウッドと同格、もしくはそれ以上だ。
こんな高位のサマナーがまだ生き残っていたとは。
つくづく自分の運のなさに涙が出そうになる。
世界に数人と残っていないであろう最高位のサマナーたちが、ほいほいと
自分の目の前に現れるのだ。泣きたくもなる。
召喚された悪魔たちが自分たちを見据える。
女神スカアハに関しては、なぜかメイヴをじっと見つめていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
362: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:31:13 ID:fgrERJQI0
| { | ハ ' 乂込りイ、`ヽ
| ' | ミ、 i |ハ ゞ=彡ノ/z i
| ヽ .! ハ:}|i: ! { ' i ゞ=ソ i:!
.i | ハ:{. r=彡|{|ノi |. | ヽ 八
:| ! >ー从_}{ i ! |.川 i{ `ヽ | ! ハ 、 ゙
|{ / ーヽメ 八ハ!{ !ノj_z_j | .'{ ヽ
ハ 人ハr=ミ ハ ハ ノ从 7Zマく_, ' | {八
/ }込八irくイ_ノ ノ i.i゙;;;}j ハk ! i ヽ 御機嫌よう、影の国の女王。今度の弟子は随分と不愛想ね。
{ :{ゞ=ミ_ノ/ , ゞ彡<././ .|i ゝ
.八 ∧ j:i ノ 'イ./{ 八 `ー 一体どういう教育をなさったのかしら?
. ヽ∧ 八{_ノ , -.、 /rーミ八 `ー -
\ヽ. ゝ:::ノ .イハ }vー 、`ー -
`ヽ \> /⌒´ ノ `ヽ
ハ \ ヽハ≧=彡} `ヽ `ヽ ハ
丶. \ }、 { / ノ }
\ ヽ ノ iト、∨ \ '
<  ̄ ̄ ̄ >
/ \
/ r‐< ̄ ̄>... ヽ
/ ,ィ:.|:.:.:.:.ヽ:.:.:.\:.:.:.>、 ヘ
' ./:./`ハ:.:.:.:.:.:\:.:.:.\:.:.:.:ヘ \
{ /:.::|ミx'ヘ;.:.:.ヽ、:.:ヽ、:.:\:. }ヽ.,、 ヽ
ヽ ,.イ:.:.:レ ト;.:.:ト、\}_\:.:ヽ:ト、:l. γ, /
\ j:.|:.:.:.:|, -―;ヽ:ハ` 'ン云x\:}レ、:}ヘ|. ト、/ 御機嫌よう、コナハタの女王。
У:.j:.i:.ハ. _ 、ヽ} , 辷リ_r┴'ニヽヘ |ー
/イイ{ l:.:、トz=‐' ヽ,-{ ,,,,,, } ̄|ス_|ヽヘ そういうあなたの男妾は随分と貧相で醜いこと。
ー ' ハjヘハ{ヾ'''''_ノ 、` ー‐くヽ:.:|ノ、ヽ{ j
/:.:.:.|:.:.:.iヽ __ r フ r仆`´ `ン ,イ 趣味、変わりました?
/:.:.:.:.:|:.:.:.l< ト `_ ´イ.|/:.ヘ /:.:ヘ
/:./:.:.:|:.:.:.| |⌒i⌒i⌒/:.:.r┴-x、ム__:.ヘ
/:.:/:.:.:.:.:.j:.:.:.l-‐‐、ヽ;.|;.;.:|;./:.:rx|;|;.;.i;.;.「〉. ヽヘ
/:.;イ:.:.:./ ̄,:.:.:.:j_,.Y/ ̄ ̄7:.:.:| ヽ!;.;.l;.;.|{`ーx .}:ヘ
363: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:31:50 ID:fgrERJQI0
{ i ′ {f^ : ! ! i i :!.i | i i: i! !
{ i :| :| _j 乂__ :! : :! ! :|: !:| ! !:| i| i
. 八 :!| :! {f i |:⌒ヾi :l i l i斗‐==ー- ..,_
ハ !| :! {{ :! :| }} :|i :! :l l !:|/イ从}/Ni{ i
. } :| :! :! 乂 ! :| .≠イ !: | :! 从斗≠示えメ_,ル
, } :| :! :! {{ :i :| .イfr「⌒ー=ミル:从ハ! イハィイ.: r=ミ:ハ抃 {
/,.:} :|八: | :八乂_刈ル,.ノ rfゥ^} }ハ/ ) }/ ,∨乂り.:ノ 从{ ……私のサマナーを、侮辱したわね。
イ ィ } :|ハ ヽ:! :\乂_人}气ぇソ__ノ 「 ^冖冖゛ 乂
ノ , . !{ } リ ! ⌒ヾ ∧ :} 乂r-<⌒Y f´/ /
. / , i /イ: , /i :i 八____廴_彡^ , _ 八{ {
/ /: i // :i 从ハ八(___ -‐=ミ }乂:{
. / //i | : // | //:ハ∧ :ト、 ̄ (イ__) f ヽ 从ハ
′ ′:| //. : / } ∧ :\  ̄ .ィ"/ ハ {
八 ′ :|:/ :} : ∧( ≫ イ 乂 ノ 八
:{ i{ ハ: / } i ハ}ノ ⌒ヽf⌒77r-く⌒V「{ {{ (( {
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メイヴ手から閃光が放たれる。それが開戦の合図となった。
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364: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:32:24 ID:fgrERJQI0
、 _ _
iヽ ,.ィ:::/ ,.r::´:::ィ __
i::ヘ: :.\ /:::/,.r、_i::::::,ィ´ __r::´:::,:r'´
ゞ::ヘ!::::::ヾ、!、 r.、 ,、 /::::://::::::::::/ ,..r::´:::::,.r ´
ソ::::::_:.:.:.:.|.ヘ .! ヘ / ! .,r/::::::::./::::::::::::イ /:::::::r=イ
ヾー=、 ヾ:.:ヘ`ヾリ ヘ .| i,./ |/ .|::::::::::::;:::::::::イ::::i´,rッ:::::::ゝ __
.`ー、::ヽ=、ヾ:ヘ ヾ、 ヘ| i ./ / /:!/::::::/:::::/_ノ:::/ ,,..r:::::'´::::::,::r=イ
.ヾ;,、 .ゝ;::rヾ ̄`ヾ_i._._i /,イ,ィ.,/_,イ:/::ゝイ:::,:::::::::::::く,..r:::r´ニソ:::::r=イ
!ヘ`ー`ニ》,イ / `r==iッ'´i_i_,:ィ,イ=、:::::::::;:::'´:::::::_;_;_;_;_r=イ
ヾヽーッ::// ̄/ .ヘ_ _,.ィ´_< i. : . : トく:::::::_:_:_,:r´
ヘ:.\. i´! / ̄`ヽ rッ'∨ヽ、`≧ソ!ゝ=イ! .(`Y .,r=.、イ
_ヾ: : ゞ、yイ. ,沙リ乍! ',ヘリ , | ヘ ヘ__i,ィッ、/
´.ヾ_∧: : : :l` ヽ、 iイソ__|ii iヾ´ ,ィ====||ゝ=イ/ィi
/_イ\:/: ./ヾく_/ソ∨!_/ r /二二二||ノ_|::::i三i
.トイ .,ィ´.,ツ /!:::r',,ィ.|_|:::::::::::::::!i: : :`ヾ、:ヘ、
. ,〈 ̄`ー==乍、ツ /:::::::/:::::::::|_;_;_;_;_;_|:::::: ::::::::;ヘ_>、
/イゝ=イ ,r`ー ´>=/:ri::: : : : ∧: : :.:.:.: :|ヘ:: :::ヘ二ヘ
〉,ゝ=イ ,ィ´ ヘ.|/: : :|::: : : /:i:ヘ: : ::.:.: :!: ヘ:: :::! : _ヘ
´ ,ィノ _ _/: : : :|::: :../:::i:..:ヘ: ::::. :.|:: : ヘノ Y .ヘ
| /: : : :.:.|:.:. :.|:::::!: : ヘ: ::: ::!:: : :.ヘ ./\
>=-/: : : :.:.:.:|、_;_:|::: !: : : :ヘ,r.〈; : : : :ヘ= イ_ ./`ヽ、
,.r'´ヽr='./: : : :.:.:.:/__/`|::::.|: : : :/ \: : : :ヘ / `ヽ_ ヽ
`∠_,.r' ヽ.i: : : :::.: / !:::::i: : : | ヾ; : : トイ、::、 ヘ . ̄
´ー´ | :.:.:.:. / i:::::!: : :.| ヾ: .リ `ゝイ
| : :./ ヘ:::i : : :! ヾ
|/ ヘ:: : : i
\;/
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「ファフニール! あのデカブツを食い止めろ! 残りはスカアハに集中!
サマナーは俺がやる!」
護衛対象に逃げるよう促し、短刀を抜く。護衛をつける余裕はない。
一人でも抜ければ、待っているのは死だ。
ファフニールが召喚され、地面が胎動するかのように揺れる。
フェンリルもファフニールを視認すると同時に飛びかかり、青い炎を浴びせた。
だが、ファフニールも頑丈さでは自分の仲魔の中でも一番だ。
怯むことなく、鋼鉄の鉤爪を飛びかかってきたフェンリルの腹へと叩き込むのが見える。
一方、スカアハは落ち着いた様子で、どこからか取り出した剣を構えていた。
視線の先にはメイヴがいる。
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365: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:32:55 ID:fgrERJQI0
// _ / / |irf}三=ニニ二二二ニニ=-≧x >、三三三ハ \三ニ==一
}/ / :/ i { {{ハi{\\ \ 三ニニ=-≧xト、 \三三三≧=-ニ二彡'
{ / { Ⅵ :V { \≧=一>、≧==-≧xミx ハ三三三ハ ー<
ー‐=ニ二x' i iト、 ヘ Vハ\\\\ :\二ニ=-==\三三三三≧=-'
// ィ / | i {ハ 、ヽ}\ \\>、 :\≧===x\ヽ三三三三\__,
i | 〃} i , |ij { Ⅴハ, :{ ト\ Ⅵ\ \_ \≧==--一ヘ\i )Ⅴ三三三八__
レ | Ⅵ/ }i| iハ Ⅴハi { Ⅴ\ハ{:\.V≧xハー=-三三三三/ ヽ三三三三{二´
{ / ノii| |い Ⅴハ∧iV三≧三ヘ\迅ミ三三ニr='¨¨ :}三三三三ヒミx
ーニ __xf ハ {i::ハ Ⅴヘハ }r  ̄ ̄≧x三}三八三三≧ }三三三三三ヘィt_
,--r‐} iハ:Ⅳ }\ 八{ ≧x, :f_) /三ニ/ V三≧x___/三三三三三三三二二ニ=-
,__{ :ハーヘ{ V\ヾ \ \i≧=== '/三/ ヽ三三三三三三三三三三三三三三三
r-{ \ ヽ_ハ ヾハxヘ\ー=、 ー= ¨¨ }i }三三三三三三三三三三三三三三三
{__ \r‐ヘェr' Vニ} :\≧ヘ ノ三ニ='三三三三三三三三三三三三三三三
__ __ /:::::::Y:::::::/ヽ 、ノ::>x≦ヲ三≧、 /三三三三三三>'  ̄ ̄ー=三三三三三三三
_/ ` ' ヽく:::::::::::::::::ィ } \ ヽハ三≧==='三三三三三>'゚ ー=ァ三三三三三
__/ ヽ { {::::::::::/ ヽ=ニ一 ` Ⅵ三三三三三三三>'゚ \三三三三
{ }i } |i V::ハ \ー }rx三三三三三>'゚ }三三三三
i} } {i' \ ーニニニ彡'三三三/ ノ三三二=-
} j{ \ \ヽ三三三/ , ャ<:::7/::::::::::::
/::} _ レ‐…===ニ:/、 \_ _ /¨ // ヤ゚:::::::::::::::::::::::://::::::::::::::
{_:::::::::/ r======≧L... __ry'¨¨/ / :// __ ャ 7::::::::::::r:':::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::::
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ヨシツネが地面を駆け、スカアハへと斬りかかる。
振り上げられた渾身の一太刀は、吸い込まれるように剣の腹で受け止められた。
続けてもう一撃、更に一撃とヨシツネが追撃を加えるが、その尽くがいなされる。
パイモンが補助魔法を詠唱し、仲魔たちの素早さと筋力が爆発的に強化されるが、
加速したヨシツネの斬撃でも、スカアハの守りは抜けなかった。
鉄と鉄がぶつかり合う音が閑静な住宅街に響き渡るが、騒がれる様子もない。
パイモンが感じていたのは人払いの結界の類か。
メイヴの電撃がスカアハの側面を捉えるが、スカアハの衝撃魔法による
竜巻に阻まれる。
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366: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:35:13 ID:fgrERJQI0
‐  ̄ ̄ 、
' __
/ -==ニニニ==- \
,: /: : : : :、 : : : : : : : : _: :\ 丶
i 、-‐=' : : : : : : : \: : : : : : : : : ‐:f、 \
、 厶: : : : : : 、:: : : : ::\`‐====:_:_:_:_:≧=-- :)
\ i: i}\ : : : : \\: :`ー≠、: : : : i: : : :l /
i: i}: :个、 : : : : :.、ヽ/__ィfi: : : :}_ : ::.i_彡'
i: i}: : i.__才㍉:: : :.、 弋zリi: : : : i l: : : ::.
i: i}: ::ム __ \ rf´ ̄ i: : : : {丿 : : : :.
i: i}: ::圦_弋ッ`ー'、 __ ィi: : : : |: : : : : : ::.
ノイ: : : : :`ー ' i:. , |: :_:_::l : : : : : : : :. あら、欠伸が出るような電撃ですね。
/: : : : i: : : 、 ‐ i: :厂 ̄ ̄ ̄フ: : ::.
/: : : : : i: : : : :≧=- イ: :i _ヽ: : : :::. その程度では私には届きませんよ。
': : ::.ィ: : | : : :人 マ_「i|/:::_ノ ''"´ 、 : ::.
,': :/个才''" 、 ヽ 寸}: : i ` : : ::.
'.:, i《/ 、 ヽ 、`¨_,: :/ : : : :
l:' ム:.i ー 、 、ツ='/i/::/ }: : : :
il ,: :}:.i:.:.i:.:`ー'.:-、/i/::/ i: : : :
l ' : i.:{:.:.i:.:/ _iY: :/ : : ,'
::、 ,': :ハ}: 少'_,ィ劣才: :' ∨
ヾア: : `ー' `=≦i: : | 圦
,: : : : \ /:.:./:./:i: : } ヽ
': : : : : :/`i:.:.:.i:.:.i:.:i: ::{ __ヽ
,: : : : : :' i:.:.:i:.:.l.:.i: ::| _ ‐''"´ ̄`ヽ}
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
次はこちらの番と言わんばかりに、スカアハが構えを変える。
右手の剣でヨシツネと打ち合いつつ、左手を翳して真空の刃を飛ばしてきた。
「危ない!」
パイモンがメイヴを抱え跳躍する。が、それでも間に合わす、パイモンの右足が
ずたずたに引き裂かれていく。悲鳴を上げながらパイモンが転げ落ち、
一緒にメイヴも地面に叩き付けられた。
強い。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
367: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:36:15 ID:fgrERJQI0
\、ト、
ヽ乂_ノ::}:::〉、__ノ{
__ ノ:::::::::::::::/::::::::⌒ヽ
ー‐ァチ:::::::::::::::::::::::::::::::::⌒≧x
/::/::::/::::::::::::::::::::::::::::く⌒
/:::::/:::::::/:::::: /:::::::::/:::::::::::::::\
_「_\ /:::::::/:::/::/:::::::::/::::|:::::::::::::l「`
┌¬,’ '尓::/:::イ::/::::::/}八トヘ::::::::|
┌ _⌒ 犲l /:: イ 弋zソ :|:从ァ〟, _
_ =ニ气 {ム. |: ` ̄ ,リ_ノ / "'' ァ〟,
, 气ョ_㍉从_ /≧- _ i:. メ /l ノ i
, l| l ,lx '′x个=ゥ'/ 丁T ┬ ∠ノ / // ≦、 |
, l| l , r'′ ,x仝く 〈 l ,x<二> 丁T =≦仝=≦、⌒ l|
, l| l , r'′ ,x仝ェ__ 从r≦──‐く  ̄ミ 、 \ ll
/l , r'′ ,xく __ / r' ̄「 ̄´ 〕 ll
|, '′ ,xく __ __≧rf ノ/´{⌒}__ 〃
,xく( ___≧=干 ̄ 从 / / ̄ ]〕lト ,, イ
/ x=干 ̄ { \イ厂 「 〕lト--=====彡ll
|| \ 少'll \\ ll
ll \ |l 冫 丶 ll
从_ ○ ○__,八 〉li| ll
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 人\ li|: ll
/ \ ,/i| ||
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喜留夫も仲魔たちのサポートに回っている場合ではなかった。
短刀を構えた少年と対峙し、こちらも短刀を構える。
短い獲物同士の戦いは初めてだった。
最初にこちらから踏み込み、牽制の上段蹴りを入れるが、上体を逸らして避けられる。
それどころか、避ける間際に足を斬りつけられた。
ズボンが裂け、脛に赤い線が走る。
怯むわけにはいかない。怯んだら攻守が逆転する。そうなれば、
勝ちの目はどんどん薄くなる。
そのまま踏み込み、短刀を逆手に持ったまま右手で少年の目を狙うが、
肘で弾かれる。すかさず頭突きを繰り出すが、それも首を逸らされて避けられる。
上半身に意識を集中させたところで、下段蹴りで相手の足元を狙うが、
少年もそれに合わせて蹴りを入れてきた。足が交差し、鈍い痛みが走る。
踏ん張り、短刀を振り回す。一度は短刀で弾かれ、二度目は躱される。
三度目は腕自体を跳ねのけられ、踏み込んできた少年に腹を刺された。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
368: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:38:11 ID:fgrERJQI0
───‐‐‐. ,
───‐‐ ./ ./ ,k''"_,..-'"~~三'二...,,,____
─‐─‐‐ ,イ .l.!/,' .///:::::::::::::::::==ニニ.....__
──‐ !l l l レ'::::::"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__,,.二=-
l::ヽl::::::::::::::::,,へ...___,,,,,ノ:::::::::::::::::::::::::::二=-
`==::;- 、_,,.ゝ::`:::::::::::::,;: `-=='二__,,:::::::::::::::::::::::二=-
_,,..-‐‐'`. ゝ:::::ヾ:::::::::::::iメ,---‐‐'":::::::ヾ::::::::::::::::::::::::二=-
==‐___,.::::::::::::::::,:::::::::::,/!l::;、:ヾミ::::\;::ゝ:::_;;::_::::::::::::::二=-
 ̄ ̄/::::::::::::/::::::::::/,' |!\.`:::::::::::,__..../_, `j、::::::::::::二=-
/:::,y::::::/:::::::::::://,く´`. `jl ,-'" _,,..丿:::::::::::::
///::::/:://::::!lレ'ヘソ _,; .┌'┐ ):::::::::::::::: おおおおっ!
./´ /, '/!/i./::::/!!ヾ "~ l! .! ^ヽ ;-'^k
."|/ .l! |l:/ .リ! ,.._ l!_,,j /"~~ `;;ヘ.
.ヽ|`=7 / ヽ. 〈 l::::::::::..... ´\
リ\`ヘ .Y ,`-Y´:::::::::::::::..... .ミ
_ .`.、 .ヽ/ユ_,;l .、/ ./ヽ:::::::::::::::::::::::.... \
/.:::`ヽ/´`\\ `='" /`/ ,;'ゝ,::::::::::::::::::::::::::.....
\:::::::::\ ;`、`-‐,-ヘ" ._-'";;;;;ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::...
=‐-=:.,-‐=-'"`k-、 y-'.......::|_'";;;;;;;;;;;;;;;}\ |:::::::::::::::::::::::::...
/ , ' , {_ |::::.....:::...``‐--┐/::::::ヾ!:::::::::::::::::::::::::::::::....
7=-/ / ,イ / 〉 l!`:::::..............::::: l .|;::::::::丿::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
`=フ // ./ ./:::::..............:::....:::::: l .>::::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
し, '" 、7 ../...,_;;;;;;;;;........,,,,;;;::::::l |:::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
`'"/ ,/! `i..............::::::::::/ /':::::::::::::::::::::::::::::::::::.....
(___,/ l` -:',,,,,,,;;;;;;;.....::,_|ヨ |;':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....
| |:::::;:;::::::::::::;;;,,,,,;_|ヨ |; :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......
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続けざまに二度、三度と腹を刺される。
自分の喉から、自分のものではないようなくぐもった声が漏れる。
短刀を引き抜くと、少年はまた呪文を口にし、構えを変えた。
左手を虚空に添え、右手に持った短刀の刃先を斜めに構える。
「喜留夫っ!」
後ろからメイヴの声がする。メイヴのことだ、すでに回復魔法の準備に
入っているだろう。指示は必要ない。あったとしても、する余裕もないが。
少年の持った短刀が翡翠色の淡い光を帯び、それが棒状に伸びていく。
生体マグネタイトの槍、とでもいうべきか。
少年は槍を構えたまま一度飛び退き、そして突っ込んできた。
狙いは首か。そう直感し、伏せる。無様だが、一番効果的だ。
予想通り、槍の穂先が喜留夫の首があったところを一閃した。
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369: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:39:36 ID:fgrERJQI0
:,: :(::)
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ヽ::::::::';''' ''`` 。
τ'::/ .;:
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,!,,,、( /::τ ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
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,,、.. // ノ' //'''`'`'` ` ..,,.. _,,,.、 ・ ,, ...:・..
π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ ;,;;( ):::::;. c::── '`'''::::::::::;''
):::::::::::::::::::::::::::/ '''''` ` '` ⌒ ` !.:::τ'' ``
τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ :'`'``:!
(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`' 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ ・
:::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"
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そのまま槍を回しつつ、回転に巻き込むような形で殴打が加えられる。
柄が顔を捉え、惨たらしい音を立てながら喜留夫を吹き飛ばした。
空中に飛ぶ自分の血飛沫を視界の端に移しながら、地面に叩き付けられる。
しめた。この距離は銃の距離だ。
痛みに思考を持っていかれそうになりながらも、必死に冷静さを保ち、
喜留夫は拳銃を抜いた。
ダットサイトを覗き込むこともせず、出鱈目に少年に向けて銃弾を撃ち込む。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
370: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:41:38 ID:fgrERJQI0
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\
/u (トェェェェェェェェイ) \
| ヽ!!il|!|!l|!!ii|i/. u |
\u ヽェェェェェ/ /
/ ヽ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
発射された銃弾は十五発。弾倉が空になるまで引き金を引いたのだから
間違いはない。
その撃ち出された銃弾のうち、数発は少年の胴体を捉えていた。
筈だった。
なんと少年は槍を前方に構えると、目にもとまらぬ速さでそれを振り回し、
自分に命中する弾丸を弾き落としたのだ。
人間業ではない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
371: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:42:15 ID:fgrERJQI0
___
_,. '´  ̄`、
/ u. \
| (●)ililili (●) u, | メイヴっ! パイモン! ヨシツネ!
、 トェェェェェェェイ /
,"ヽ、 ヽェェェェェ/ '´ `、
/ ゙ヽ、
| `-、、 ヽ
\ ヽ ハ
ヽ l l
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
後ろでメイヴの悲鳴が聞こえる。
振り返ると、ヨシツネは膝を突き、パイモンは地に伏せていた。
メイヴは肩を剣で突き刺され、そのまま民家の壁に縫い付けられている。
フェンリルとファフニールの戦いは拮抗しているようだったが、
押し負けるのは時間の問題に思えた。
「畜生! 畜生っ!」
銃を構え、スカアハを撃とうとするが、腕を突き刺されて止められた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
372: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:42:46 ID:fgrERJQI0
\丶、
_. -‐::::::: ̄:::\:::\ }ヽ
--==ニ::-‐::::::::::::::::::::::::::::::_:::ヾ::::}
..:::´:::::::::::::::::::::::::::::_:::::::::´::::レ1::ノ――‐-
/::::::::::::::::::::::_.:.-‐::::´:::::::::::::::::::::|´:::\::::\ー-ヽ
/:::::::::::::::::::::::/:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::: ノ::::::::::;}\:::ヽ
/:::/:::::::::::::/:.:.::::::::/:.:::::::::::::::::/:::::::::::〃::::ヽソ
//:::/::::/:::ノ::::::/:::::::/:::::::/::/:::.:.:::://:ヽ::::::.
//::::/:::::::::/::/::::/::/::::::/::::::/:.:.:.:.:/:/ヽ:::::;:::i::, 「く……そ……てめえ、何者なんだよ……」
/::::/::::::/:://:::::/:::::/:://__.ィ/..:..:..:/:/ハ::::';:::i::ト:::、
l:::/:::::イ/::/ /:::::/::::/´/ャテミ lッ:/:,イ:/jソ l ;::i:::|リ ` …………。
|∧::::::ヽ/ /:/::/:::::l:::/ 込ソ |::// レ{´ | リソ
_. -┐ rハ:::::/:\!/:::イ::::/レ' l〃 ヽ l
! VL Vヽ::::::ヽヘl::/ _.ン/
ヽゝ `7} ';:::::i::ハ ヾ ´_. /
ヾ:、ヽ {、ヽ ___ハ/ソ } \ '" 二 /
_ ̄ \ / \ 丶 /l
/ ヽ }∧ 丶.__ ` ーr---‐ } |
/ / ヾ-∧ ヽ  ̄ ̄ ̄「|// 〉
/ / \ \ l | /
/ィ::::::::::/::::::::::::/::/::::::::::::::::::::}::::::::::::::\:::::::::::::ム
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,.:::/::::/::::::::::::::/:::/':::::::::::::::::ア:/::/ V:::::::::::::v:::::::::::::i ヽ
,.:/ ':::::/:::::::::::::/}::/,':::::::::::::::ア// j'_,.斗ミ::::::::::::::}::::::::::::::!
/ |:::/:::::::::::::/≧x,':::::::::/:/_/孑示ミx }:/::::}::/ ヽ::::::ト:、
/!/,':::ハ:::::〈乂hタ:::::::/:/ /' 乂hタ丿j' !:::ハ' ノ }|::{:リ
| ハ::ハ::{ ` ̄,::://' ` ̄ ´ .|/ /⌒ 八j' ……雷堂。
' v! /´ :/ / r‐' ,.イ!::/
八 〈 r‐彡/.j/
、 ` / /:!ハ{、
ヽ '  ̄ ヽ メ .イ :|' } i
/ \ ~´ // |ノ |
/_ iヽ ,。s≦ / \
/⌒v |  ̄ /ヽ、 v-、
>'", , / j ハ {ヽ ヽ'<
>'"´ , /, { , ,:ム ', ヽ \
/' / / / :ト、 , -! /'" ヽ ,
373: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:43:10 ID:fgrERJQI0
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/ィ:.:.:.:.::.:://忙テY;:.:.:.:./≧イ忙テYテ ';.:|:.:.从ハ:.:.:.:i
|:.:./:.::/V∧ゞzンィ:.:.〃 /ゝ弋zンノ .}:.i:.:.:ハリ }ハ: |
| /|:./ i  ̄ //.}:  ̄ j:∧/ / ハ! 十六代目、葛葉雷堂。
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|ヽ  ̄ // ,'/
/ ̄リ \ ., ィ ハ>.
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,.< \ У. ∧
【人間 十六代目葛葉雷堂 Lv73】
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「……目的は達した。お前たちにもう用はない」
少年の槍が光を失い、短刀へと戻っていく。
手には無線機が握られていた。護衛対象が別の人間にやられたのか。
「仕留めないのですか?」
「この程度の相手なら問題ない。復讐に来ても退けられる」
「あらあら、案外優しいのね。奪わなくて済む命なら奪いたくない、と。
でも、私は好きですよ?」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
374: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:43:23 ID:fgrERJQI0
/ ̄ ̄ ̄ \
./ u. \
./ (○)ililil(○)i
| u. .(トェェェェェェェェイ)| クソッ……
\ \ェェェェ//
/ ⌒ヽ (
/ ,_ \ \ /\ \ て
と___)_ヽ_つ ヾ_つ. そ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
情けをかけるというのか。
葛葉雷堂と名乗った少年は悪魔を管へと封印した後、喜留夫に背中を向けた。
撃ってみろ、ということだろう。撃とうとした瞬間、こいつはとどめを刺しに来る。
人間とはいえこの強さだ。銃弾一発程度で倒れるとは思えない。
そもそも弾丸は撃ち尽くしたところだ。再装填をするそぶりを見せた時点で
振り返って殺しに来るだろう。
こうして、喜留夫は一人、血まみれになりながら取り残された。
護衛対象の死体が上がったのは、その一時間後だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
375: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:43:46 ID:fgrERJQI0
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376: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:45:27 ID:fgrERJQI0
~TIPS~
『葛葉』
平安の世に宮廷に仕えた陰陽師集団の末裔たちによるデビルサマナーの組織。
かつては日本の霊的守護を担い、陰の秩序として機能していたが、十年前の災厄により全滅している。
葛葉の里は焼き払われ、葛葉四天王の四家も全滅、直系の葛葉の召喚師の生存は現在は確認されていない、
と思われている。
今作ではテンプルナイトの前身として扱われる。
『ヤタガラス』
日本の秩序を霊的な側面から守護するための天津神の系譜に連なる機関。
過去に葛葉を傘下に従えていたことがあり、かつては葛葉のサマナーと協力して世界を崩壊の危機から守った。
天使たちの干渉により、十年前の事件よりもっと前にメシア教会に吸収される。
377: ◆x0SRSoJXe. :2018/03/09(金) 21:46:23 ID:fgrERJQI0
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二二ニ≧ ̄ ( i: : :\: :| ト、 \ヽ_________.. ----‐‐‐.´
二ニ/ l r フ ∨: : : :.:l.ノ: : :`: :.、 ` 、
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,イ:": : : : : : : : : : : : ,イ☆))S /イ ノ |: : : ノ: / ∨/ : :|
~また次回~
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