【真・女神転生デビルサマナー】雇われサマナーキル夫2
- 2018/09/10
- 12:21
84: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:55:01 ID:MSskQ0760
/||ミ
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85: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:07 ID:MSskQ0760
、 - ‐‐ -,
,´: : : : : : : : :
゙i : : : :○ ○゙i
}: : : : : : : _ _ _| 第二話が書きあがったんで投下するよ。
|: : : :-=´_ _,´
y' : : : : :_: : : : :i ところで、もう少し投下の間隔をあけた方がいいかな?
/ : : : : : : :┌─┐
i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ それとも今までどおりドバーっと一気に投下しちゃう?
r : : : : :ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ ま、意見の方待ってるよ。
と_ : : : : : : ノ : :ノ
 ̄ ̄ ̄  ̄
86: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:24 ID:MSskQ0760
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│ 第二話『獣たち』 ....│
│ │
└───────────┘
87: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:37 ID:MSskQ0760
~市内のとある廃工場~
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呻き声が響き渡る。
かつて自動車工場だったこの廃工場で、少年たちはお楽しみの時間を
過ごしていた。
仲間の一人が拾ってきた小さなコンピューターと、それによって召喚される
悪魔によって、少年たちの退廃的な生活はがらりと変わった。
高校にも行かず、半グレ集団にもなれず、鬱憤を晴らすだけの日々は、
突如として刺激に満ちた非日常へと変貌を遂げたのだ。
廃工場に集まった仲間は五人。
今日はエネミーソナーで探し当て、捕まえた低級悪魔を検分していた。
捕まえた悪魔は天使エンジェル。
西洋のシスターのような衣装を着ているが、背中に生えた白い翼が
彼女が人ならざる者であることを主張していた。
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88: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:53 ID:MSskQ0760
八::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\-、
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,、 {:::::::::::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ お、おやめなさい、このような……
_} \__ }::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::::::_:_:_:_::::::.
/ ___){ゞ====|::::::::::::::::::::/ ̄::::゚。::| ̄
\/: :/}:::::::::::::::}::::_:_:_:_/:::::::::::: ̄`ヽ、
. { : :{:::{:::::::\::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄`` <
∨{::ハ::::::::::::V≧=--::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
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、::乂:_:_ノ} ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::-=≠⌒::::::::::::::::∨
'、::::::::::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::::::::::::.
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∨:::::ゝ:::::::_::::::イ:::::}:::`¨´:::::::::::::
{:::::::::::\::::::::::::{::::::{::::::\::::::__ノ
'.:::::::::::::ハ::::::::::\::|:::::::/⌒::::::|
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その姿は立派な成人女性のそれだった。
丸みを帯びた臀部に、引き締まった腰つきと、それに相反するかのような乳房。
少年たちの欲望を刺激するには余りある女性らしさを、悪魔は備えていた。
腕と足は鉄パイプで滅多打ちにされ、骨は砕け、肉も潰れて無残な黒色に
なっている。エンジェルは芋虫のように体を揺すりながら、少年たちに嘆願した。
神の子らであるのならば、人の道を外れようと、心の奥底に慈悲の情を
持っているはず。そう思っての行為ですらも、少年たちには獲物の命乞いにしか
聞こえず、また欲望の火に薪をくべるも同等の行為であった。
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89: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:57:37 ID:MSskQ0760
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少年たちの夜は続く。
これからこの悪魔は五人分の相手をさせられた後、体が消滅するまで
サンドバッグ代わりにロープで吊るされることとなるだろう。
少年たちは悪魔の恐ろしさを知っていた。既に一人の仲間が大けがをしている。
しかし、それでも悪魔から手を引かないのは、ひとえに幼さから来るものだろう。
少年たちはこの悪魔の体で楽しむだけ楽しんだ後、復讐を警戒して
息の根を止めるつもりでいた。
絹を裂くような悲鳴が響き渡る。
夜はまだ始まったばかり。つまり、地獄もまだ始まったばかりなのだ。
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90: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:58:02 ID:MSskQ0760
~TIPS~
『悪魔』
人ならざる者。妖怪、神、天使、妖精、悪霊などもこれに含まれる。
本来は神話の世界である魔界にしか存在できない筈なのだが、異界と呼ばれる「魔界化」した場所においては
自由に姿を現し、迷い込んだ人間を食い殺す。
体は生体マグネタイトという高密度のエネルギーで形成されており、これがなくなると消滅する。
生体マグネタイトを集める方法は二つ。一つは、人を食い殺すこと。
生体マグネタイトは悪魔や人間といった強い感情を持った生物が多く体内に保有しているため、
人を食らうことで悪魔は生き長らえ、現実世界に留まることができる。
もう一つは、信仰を集めること。
生体マグネタイトとは、いわば感情がエネルギーと化したものであり、
信仰とは生体マグネタイトを特定の神格に捧げるも同義なのである。
ゆえに、信仰を広く集めている神格を持つ悪魔などは、徒に人を捕食することは少ない。
物質界に来訪する理由は主に生体マグネタイトの収集であるため、人間は格好の餌となっている。
十年前に進んで悪魔退治を行う葛葉一派もいなくなってしまったがために
各地の異界化が深刻化したため、六年前から各国政府が一定以上の力を持つ悪魔に対して懸賞金をかけることになった。
『生体マグネタイト』
感情をエネルギー化したもの。人間や悪魔など、強い感情を持つ者が多く保有している。
異界や魔界には空気中にも含まれているが、そこに存在する人間や悪魔を強化するほどの量は
空気中に留まることはなく、結晶化する。
人間はこの生体マグネタイトを液体にして保存する技術を持っている。
悪魔はこの生体マグネタイトを接種することで存在の維持や強化を可能としている。
人間も同様で、悪魔などを倒して生体マグネタイトを浴びると、体内の生体マグネタイトの保有量が増加し、身体能力が向上する。
91: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:58:18 ID:MSskQ0760
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/ (●) (●) \ え、まじで?
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
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手渡された千円札をまじまじと見つめ、呟く。
これは今月の自由費の総額ということだった。
家賃や光熱費、ガス代などの計算はメイヴが行っている。
一応食費は喜留夫が預かっているが、自由費だけは別だ。
生活費を熟慮したうえで、メイヴが余剰分を喜留夫に渡す形になっている。
「本来は千円もないわ。これは慈悲よ」
メイヴの視線は氷よりも冷たく鋭かった。
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92: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:58:36 ID:MSskQ0760
ィ⌒ヽ
) __
iV/r' ´  ̄ ` ' 、 ,-、
ィv┘./ / ` 、 .r'´
r >イテ i \/v
>フ/ / l l l {人レ、
, ィ' ´ / / l l i l .i ゞV/廴
/ / ./ i _ l l :l ! l l ハ`´ ヽ
/ / ./ィ r'´ ` il ト 、 .| i l | | i .| _V )
/ イl/ イ.イ 廴 _ 人 .ハ ヾ ト +- 、| .|i ./ .l .| rヘ
{ .i l / il il ≧iVハi .\ _V_ハ /.i V .∧ ヘ 先月は赤字、つまり生活費を貯金を切り崩して
V il . / / ノ Ⅶt人ァ ヽ \ィ≧テ-L/ /ili .V ',
V \/ / ./ ハミY /ノ , ┴=斗/ ./ 人 V .', 補ったってことなのよ? 誰かさんのせいでね?
V./ / ./ i ゝ ) """ / イ / l i ト
/i . / ./ .イ┌人il ` ー ' .//././ l ヽ 「痛い痛い痛い! 的確に乳首を引っ張らないで!」
./ .レ / i / lr )、 \、 イ // ̄ス─-┐ i \
イ/ / i ∧ 、_// 入 ≧- イ⌒i l / /、 l \
../i / イ ./ V>- ⌒) Y. { :l | イ ./ /、 i l ト
il V./ / :l ./ < `ー─┐ ィつ i r弋、─-─≦ イ | V\
y / { \_ `i i<`  ̄>i i \ >イi | i .\
../ / i Yゝ 彡 } . l l>><<l.l r ' ´ ̄ ヘ i l ヽ
. { / ゝ イ.. l l< >l.l ∧ヾ Y l ヘ
/ .V / > /i┌ ‐/>><<l.l / } l )
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メイヴに凄まじい力で抓られながら、謝罪する。
確かに、先月の稼ぎはあまり良くなかった。
貯金も多いわけではない。喜留夫がこうして仲魔に頼ることが多い反面、
他のサマナーよりもMAGの消費は多いのだ。
加えて、十年前に葛葉というデビルサマナーの組織が雲隠れして以来、
サマナーの需要が上がると共にMAGの価値も高騰している。
今やMAGのレートは過去とは比べ物にならないものとなっているのだ。
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93: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:14 ID:MSskQ0760
,.ィィi/⌒i,,ii,_`7/
.i.i i //.{往ヨ}i'l‐=''三 ̄`''‐‐--,__
.}!' '' 7'.ミl彡’ `ゝ、_ ,_,,__
.// i-/__-) ) i .! !''-!..=_ ))_ヾ、ゝ
iνl ∥ / .i′/ -=彡) K包ミi''i' i 、
..}/ //i /// i i , .i .!ニ=彡i il ii`i
__ __ / ./ .i i/ ii / i ,.. -、___,))i=〃 .il.|
i'i'' ̄// / i / /i / i i .i i .i i l l i`ii / /!-,-/i.| 嫌なら稼ぐことね。
!!////./i /il ii /i | | | .| i| il il ) | i | | Y// /| .|||
iイ ノ / / ι‐'´/ // |i l (( /'''``!)) .|i.| | .| ! .i | // | | .| |,/ il .i| ! | | DDSに何か依頼は載ってないの?
___,_/,/,/ i | / .i ! ii ハ | | !^}.Y笹ョ iヽ| |i ! | !,,ハ__//i / il | Y ./ i |∧ .! i
./, ‐‐=7 / / ,ノ / /i |.|i | ゝl{ Y i廻ト/'' < !! l l レl ,_ `''=-/l./ |/ / / i/ }.i ! l 「うーん、サマナー殺しとか
l ./,-イィ ./ / /,, /i l `ii`''-i !\,ミ=-=彳,,| 灯不気, il .|i ..// i l / |\
l l / / ⌒ /,,ィイ彡 ,!/ }ii| ,} i i iゞ-'``'"′ 弋ニ汐´“/i | / / ./ / ) iヽ! 魔王退治とかろくなもんがねえぞ」
..i'' i i i /´´ ,,ィ''"′ // !、ゝ、 i入 )) ' // ,. .|// / /i i }|
..| | ! i| .ii i / ,-'とイ \===-、,ヽヾ、ヽゝ、 . `.ー- / / / |Y ,..ィ'iiイ//i .i },l ……まあ、命あってのなんとやら、ね。
..| i ! i| i ! | ./ /i >_";,tェ ,___>、 iヽ、ゞヽヽ ,/ / / / ii i''i (( ii l .|| !ィ´´
..\ ii |i \\| i {| ,-' '``'⌒'”'''->=l | i ) )ハ、._ -‐''.フ/// / l l l |i__, - 、.{ { ヽ! ! 無理はしちゃだめよ。
i \ \ \\| .|.{ .フ , 、ゞi.l |i | i y^Y ´`l,,l / i li | \彡=、 .゛l \ Y\
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DDS-netを開き、依頼の欄を見てみるが、どうも今日は物騒なものが多い。
恨みのある同業者の殺害や、政府の息がかかっていると思しき魔王退治の依頼
などばかりが掲載されていた。いつもはピンキリなのだが、今日は危険な依頼が
多い。
サマナーの仕事にも色々とある。悪魔退治から仲魔の斡旋、異界の除去、
危険なものでは特定の個人を害する依頼も多い。
そういったものの相場は一人数百万に及び、サマナー相手ともなれば
数千万はくだらない、が、危険だ。
中にはサマナー殺しを専門とするサマナーもいるらしいが、喜留夫は違う。
喜留夫はあくまでもサマナーなのだ。殺し屋ではない。
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94: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:29 ID:MSskQ0760
__「 ̄  ̄`< ̄\
| r冖 \ ヽ
|/ }  ̄ ̄( )\
/ -─‐- \
/ / ∩ ∩ヾ}
/ / ∪ ∪
Y / ─‐v─‐v‐ァ|i ヒーホー!
| i \ / 八
_八_O__人 ー─ '∠ ノ
ーァ=/ / ̄`ヽ─=≦ / ̄`ヽ ひょいっ
___/__ムイ ヽ ∨ \/しヘ l !____
ーヘ__ 人_ノ ̄ ̄ ̄ ー' ー'
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そんな時、事務所に闖入者が現れた。
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95: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:41 ID:MSskQ0760
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96: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:54 ID:MSskQ0760
r─- r‐-
/ `ー<_ \
/  ̄( )ヽ
__/ /入 -─-\
_| _/__/ / / r r ヽ
\| \/ / J J
/ / ──v─v‐ァ i ヒーホー! ここってさまなーのじむしょなんだホ?
/ / 丶 / /
 ̄{ ○ / `ー-‐'r‐ 、 オイラの依頼を受けてほしいんだホー。
乂___人 / > \
/ ≧=─-- < /、 )
 ̄/ /| ヘ ___\Y /
_// l | / 丶 /ヽ ` /
【妖精ジャックフロスト Lv12】
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メイヴの召喚によって部屋にMAGが存在していたからか、
妖精ジャックフロストは唐突に実体化した。
最初は喜留夫もメイヴも驚き、臨戦態勢を取ったが、どうも敵対する雰囲気では
ない。青いフードを被った雪だるまといった姿のジャックフロストは愛らしく、
ヒーホーヒーホー話しかけてくるところからして攻撃が目的というわけでは
なさそうだった。
「最近、悪魔をとっつかまえて、連れ込んでいじめてる奴がいるんだホ。
オイラの友達のランタン君もそいつらに酷い目に遭わされたんだホ。
こらしめるのを手伝ってほしいんだホ! デビルバスターバスターだホ!」
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97: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:00:13 ID:MSskQ0760
_,,、---、 /`ー---、_
, ._,、-― ' ´ `´((,、_ ,ィ-、`!
,、((._,ィ'´ ー.'二==テイト、ォハ´`))!ヽ
/`/ト、`))  ̄__,ィ /乂Yノ少((. ヽ
,イ ./ノ少、' l .l i ((ゞ'´ ` l ヽ,
l 弋トン" / l | l! l! l! l! )) l l l l
. /! )) ./ / l l! .l l l!.l .l! l l l!l l! ´ l! .l l .l
ノ l. (( / .′l l! .l l! i!.l i! l!.l l!l.l l! i! l .l!.l l!
./ l /./ l! l! l.l l .l l l! l l! i!l.l l! l! l! l l .l! l l! /
./ / l .l! l! l! l! ! ll! .l l!.l l!l.l .l! ll! l.l!l! l l l! l l .l l / l あら、かわいいわね。
! / / ./ i! i!-=ミ.、 l! l l.l((.l!i!.l! l!.l-十十‐!-i! l! l! l l! l l!/./ l!
/ / / .l l.l l! .))l_l! l l ))l l! l!l l从==ュ. l! l .l! / l.l /././ `ー 報酬はちゃんとあるのかしら?
/ / / l! l ll! .ィーイ_,`ヽ.'イ l!l!l .l!イん::ハ.ヽ l l! / ./ //! __
./.| /.| l! .i! .,イ´`'Z`メ! ヽ 乂z:ソ. './ ./ ./// /.l 「俺の仲魔ながらちゃっかりしてやがる」
./ヽ. l l l!、 i! フ 〈、Yノ ノ .l  ̄ / ,′/ / ./ l
ヽ! .l! i!ヘ i! >`、´ 、,ノ ' l .l / /l
l i! ヽ l ヘ .| i!ヽヽ-イ)) _ ヽ, ヽ .l! .l l!
l .l! l! ト、 l l ヘ ((  ̄ ,ィ‐、ィ‐、 ヽl! 、l l
l l l ヽ l. ヽ l!l i> , ゝ,. `´ | リ__ `ー
./ .l l ヽ i l ヽ.i! l! >__ , _ , ィ`l´ / / .`ー-
.l l ヽ .l! l l l /l .,ィ、_ノ  ̄ゝイ / /
.l!l l!.l! .l ./ / l/l .,、- `i | / /
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「ヒホ、オイラに用意できるのはこんなもんだホ。
あとは……かき氷くらいならできるホ?」
そう言ってジャックフロストが取り出したのは、メロンに似た何かだった。
「あら? まんだらメロンじゃないの。どうやって手に入れたの?」
「ヒーホー。友達フロストからお中元で貰ったんだホー。
今はこれくらいしかあげられないホ。勘弁するホー」
まんだらメロンとやらを受け取ったメイヴが、喜留夫の耳元で囁く。
吐息がかかりどきりとするが、何とか話題の方に意識を集中させる。
「これ、魔界の相当な珍味よ。ネットで出品すれば二百万は行くわ」
「よし、引き受けよう」
即断だった。ネットに転がっている依頼は危険なものばかり、
かといって事務所で寝転がっているわけにはいかない。
低級悪魔を乱獲して暴力を振るうような人間などたかが知れている。
それくらいの危険性で二百万であれば破格の報酬だ。
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98: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:00:30 ID:MSskQ0760
__「 ̄  ̄`< ̄\
| r冖 \ ヽ
|/ }  ̄ ̄( )\
/ -─‐- \
/ / ∩ ∩ヾ} 受けてくれてありがとだホ。
/ / ∪ ∪
Y / ─‐v─‐v‐ァ|i あいつらは夜になるとこの辺でうろちょろしだすホ。
| i \ / 八
_八_O__人 ー─ '∠ ノ 見つけ出してとっちめるホー。
ーァ=/ / ̄`ヽ─=≦ / ̄`ヽ
___/__ムイ ヽ ∨ \/しヘ l !____
ーヘ__ 人_ノ ̄ ̄ ̄ ー' ー'
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しかし、悪魔からの依頼とは珍しいこともあるものだ。
ヒーホーヒーホー言いながらひょこひょこ撥ねるジャックフロストを見ながら、
喜留夫は一人呟いた。
とにかく、仕事は仕事だ。受けた以上は完遂するのが喜留夫の主義だった。
早速支度を始める。夜になったら、早速行動開始だ。
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99: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:00:45 ID:MSskQ0760
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100: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:01:13 ID:MSskQ0760
| i| |i |
| i| |i |
| i| |i |
| i| |i |
| i| _______ |i |
| i| 〈: : : : `ーi .|i |
| rー- .. .._ jー-r- ._.{ :|i |
| .\/////≧=≧ー-=ミ} |i |
| i| ` <ノ.:弌__j:f⌒iー-≧.. __j___| 業魔殿へヨーソロー。
| i| 乂:.:.ハ .〈抃::刈イ(二ニ=-― "
| i| 从{∧ー弍イハ .|i | おお、お前か召喚師。待っていたぞ。
r=孑=≦:/ //辷セrく}: :ヽ |i |
.イ: : :: :: :: ::/ // }fメ{^´ {{: : :{`ー- .主_:! ほれ、頼まれていたソフトだ。
/. i : : : : ::/.//_ノ : 〈 .〃. : :j: : : : : : , : ハ
. /. : l: : : :/. ://. : : : : :∨. : : : {: : : : : :/. : : }
. /. : : : :./. : ://}. : :才.:::人: : : : }} . :: ::/. : : : {
}: : : : : : :\ : ///7f个ーイ}} : : :: ::}}. : ::イ. : : : : ハ
八rー-ミ: : : : >i/ }/ }才:i{.}}: :厶斗:/. : : : : : : ::{
ノ: : : :  ̄ : : /ニハハニニリ} : : ` .<. : : : : : :i: : : :{
__ ./. :_: : : : : : : />}ニ=ミv/. : : : : : : /. : : /⌒辷气乂
Y´三二ニミ.く: : :  ̄: ̄>j 才ニ=气}.∨_:: :: :: ::/⌒ヾ: : : :7!..|
}三二ニ==-_`_<: : : {{ { rーメ }}ハ: : ̄三二ニ≡=∧|
}三二ニ===ニ二三>乂rー-气=-イイiリ: : : : : : : : : : : : : : :}!
}三f´///`ヽr<_三三三≧=====イ: : : : : : : : :_:三二ニイ|
}三∨/////∨三三二二ニニ≡===-≧=≡ニ{ 〉〉
【???ヴィクトル Lv??】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
四階のフロントへは向かわず、一階のエレベーターホールから直接
地下の倉庫、つまりはヴィクトルの工房へと向かう。
工房のシャッターの前でCOMPを抜くと、自動的にシャッターが上がる。
その先に進めば、ヴィクトルの工房だ。
工房の中には大量の機械と巨大なビーカーのような硝子の容器、
それからそこらじゅうを這うように置かれたコードに、その中に鎮座する主人がいた。
この男こそがヴィクトルだ。この工房で悪魔の研究をしており、その成果、
つまりは悪魔の合体を行ってくれる他に、こうしてCOMPの調整もしてくれる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
101: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:01:29 ID:MSskQ0760
____
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/ \
/ (●) (●)\ おっ、サンキューヴィクトル。
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ / 「しかし、お前くらいのものだぞ? そのような代物を要求する輩は」
/ __|___
| l.. /l `l
ヽ 丶-.,/ |__ _|
/`ー、_ノ / ̄ ̄ ̄ ̄/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
千年の時を生きる吸血鬼だとか、体を乗り換え続けている錬金術師だとか
色々と噂はあるが、真偽のほどは定かではない。
「いわばセーブモードの追加だな。そのソフトを入れればCOMPに戦闘モードと
セーブモードが追加される。戦闘モードでは通常通りの出力で、セーブモードでは
通常の十分の一の出力で悪魔が召喚される。つまり、消費されるMAGも十分の一
というわけだ。活用するがいい」
活用、というのは皮肉だ。
知っての通り、喜留夫はサマナーとして悪魔を必要以上に召喚し、使役している。
本来ならば人間がやるべきことですらも悪魔に頼らざるを得ないため、
消費するMAGは他のサマナーの比ではない。メイヴの経理役がそうだ。
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102: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:01:46 ID:MSskQ0760
| { | ハ ' 乂込りイ、`ヽ
| ' | ミ、 i |ハ ゞ=彡ノ/z i
| ヽ .! ハ:}|i: ! { ' i ゞ=ソ i:!
.i | ハ:{. r=彡|{|ノi |. | ヽ 八
:| ! >ー从_}{ i ! |.川 i{ `ヽ | ! ハ 、 ゙
|{ / ーヽメ 八ハ!{ !ノj_z_j | .'{ ヽ
ハ 人ハr=ミ ハ ハ ノ从 7Zマ.く_ ' | {八 これで、家の中が賑やかになるわね。
/ }込八irくイ_ノ ノ i.i゙;;;}j ' ハk , ! i ヽ
{ :{ゞ=ミ_ノ/ , ゞー" / ノ/ |i ゝ 「ああ、そうだな」
.八 ∧ '' j:i '' ノ "″,イ./{ 八 `ー
. ヽ∧ 八{_ノ、_ ./rーミ八 `ー -
\ヽ.  ̄ ´ イハ }vー 、`ー -
`ヽ \> . ィ´,⌒´ ノ `ヽ
ハ \ ヽハ≧=彡} `ヽ `ヽ ハ
丶. \ }、 { / ノ }
\ ヽ ノ iト、∨ \ '
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
早速メイヴを召喚し、試してみる。
確かにレベルは十分の一程度になっているが、消費MAGも十分の一だ。
メイヴが嬉しそうに手を握ってくる。
無意識に、その手を握り返していた。人と変わらない温もりが伝わってきて、
喜留夫は安堵のため息を吐きそうになる。
「ところで、合体はしていかないのか?」
「いや、いい。じゃあな、ヴィクトル」
この男は合体大好きだが、自分はそうでもない。今までに何度か合体を利用したが、
仲魔集めから、集めた仲魔から承諾を得たりなんだりと大変なのだ。
パイモンともう一体の悪魔は合体で作ったが、メイヴだけは一度も合体には
かけずに十年付き合ってきた。
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103: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:02:18 ID:MSskQ0760
ヾ _ _ _ /ゝ
ノ } , - ' ´  ̄`ヽ <'´r‐' ,
/入y'´ ` ー 、_≧彡>┐、/ V}
/≧/ / ヾ廴{i}.」ヾil´"
V / ./i i ト=イ´ ト
/./ / .l l i i { r‐'´ i i
Ⅵ / l l l l ゞ、 il l
/ i _ .i l l i ハ .| :i | i ハヘ
i { ゝ、_ | l l l _ヘ. l .l | l i l ヘ
. { l ./ ハ l l 升´ i ヽi / / il V.ハ
| .l /.// >┐_ハ i .lハ il \/ Y/ i ハ それじゃ、行きましょうか。
K l .K<イ- 、 } ゝハヾハ_ ilヾ 人 // i . | .ヘ
/V ハ ト/ <=_ノ/K -===、i / / ./イil . l ∧ } 夜の支度はしてあるから、夕飯の材料だけ
. / i ハ Ⅶミ_,ィ┘ , "" ././i イi i. | V ノ
/ .l ゝ ミ ノ/ /ィ // |.l |. l レ'´ 買ってから帰りましょう?
. / i Kハハ \{< ー - -=彡 .// Ⅶ. i i
i // V /.\. イ.┤/.ハ i l. | 「お、おう」
l/ // /__.≧、_ < ヽ il\─ 、 l |. |
/ // i ̄ ̄\ i}=v| ̄ ̄ /_ ─< ヾ ハ
./. レ/'´\ > V / / Ⅶ⌒/ .ハ i
i. //人_ \-<_ ∧./ \_/ / / ` ヽ i .、 _ l
| // ヽ  ̄ >// // . / / <´⌒ヽ | |
| ノ.ハ / ゝ升、___升≦ ̄ ̄/∧__ > \ .l . ',
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悪魔にも色々な個体がおり、中には成長することで神格が変化するものもいる。
そういうのは大抵神話上の繋がりがあり、力を増すことで小さな悪魔から
巨大な悪魔へと姿を変貌させることもあるのだ。
こうして白い服の少女の姿をしているメイヴも、最初に出会った時は掌ほどの
大きさの妖精だった。
クイーンメイヴへと変化したのは、クイーンメイヴが妖精の女王ティターニアと
同一視されているためらしい。力を増した故に、妖精の枠をはみ出したのだとか。
メイヴに促され、業魔殿を後にする。
夜には調査を開始する。その前に腹ごしらえをするとしよう。
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104: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:02:33 ID:MSskQ0760
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┌┐
└┘
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・
105: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:03:38 ID:MSskQ0760
__ /\ __
.ヽ. / / \ .⌒>---. 、 _/ -
. \ /' \__ __/:イ:i:i:i:i:i\:i:\, ヘ \
. \ ヽ=ミ {ニ/:i/:i|:i:|:i:i:i:i:i:i:Ⅵ:i:i寸ミ7 ___ ´ \\ ノー
\ / /{......ヽ </:i:i:i:i:i:i|Ⅵ:i:i:i:i:i:ヽハ:i:i:i:i:iV\ /..........{\\ ´
__,ノ.............. ゝ--=ミ>- /:iイ:i:i:i:i:i十ヽ从才´ i:i:iⅥ::i:ミシ ノ......... 人 /
/:|.....................} < ヽ〃/:i:i:i:i:i:i:ix= 、ヾ=x|:i:i:iV:i:∧ / |、................\)
, :人.................∧ < { /:i:/:i:i:i:i:从 - v |:i:i:i:i:i:i:i∧ / |: \............./
: : : : : ̄ ̄:\:i| / /:i/ {:i:i:ii {∧ 乂:::::::/ 从:i:i/:i:i:|ヾ-'' ∨/\ ̄
i: : : : : : : : : : : i|  ̄\ ,:i:i' |:i:从 V_ ≧ - イィ }/:i:i从ハ :i / V: /: :.\
: : : :|: : : :/: : : i| 'i:/(八:i ヽ}洲洲洲洲{ ノ:i:i:/:i:i}:i:i:|,/' V: : : : :.:\
|: : : :|: : :/: : : : i| 、 >ヾ } | {´ /:i/:i:iヾ:i:/、 /! : : : : : : :.ヽ
|: : : :|: :/: : : : : i| ----- >\/≧=--=≦、// ヽ:i:i:Y:i:i} -=彡, : : : : : : : : : i
|: : :.:.し': : : : :.:.:i| ><: : : : : 人)/ ': :\八:i:i:i:ハ /: : : : : : : : : :.:|
|: : : :/: : : : :.:.:i| :≦i }\: : ̄(rァ ): : /:/ }ヽ:i:i:i:i}/: : : : : : : : : : : : ,
|: : , : : : : : : : :.八_ , 斗≦: : : : :| / ヘ ≧: : _: ≦ヘ: :{ ,八:i:i:i:}: : : : : : : : : : : : : :/
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「え、今日から僕も一緒にごはん食べていいの? やったー! 人間のごはん!」
パイモンが飛び跳ねる。早速セーブモードで召喚してみたが、体調が悪くなる
でもなく、いつも通りのパイモンだった。
もう一体の仲魔も召喚してやりたいところだが、いかんせんサイズが大きい。
この事務所の天井など優に突き破ってしまうだろう。ゆえに、COMPでお留守番だ。
ぶら下げていた買い物袋をメイヴが預かる。
あの後、スーパーで普通に買い物をし、普通に帰ってきた。
今日の夕飯はチキンピラフだ。
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106: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:03:54 ID:MSskQ0760
~喜留夫の簡単クッキング~
__
/ `rー- 、
_f ヽ
f´ ノ
ヽ T´ _ ●材料(三人前)
` ̄} ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'{ , ,::。¨'' 、,。 ・鶏もも肉一つ
f ------------i .・ 、゚;;,,;゚゙ ¨゙゚ ・キューブコンソメ一つ
i (●) (●l ,。 .;,; =- ’'' ; ・タマネギ1/2
八 トェェェェイ ノ _ i 、。.:.:。;:'゚ r;;;- . 。 ・マーガリン適量
≧==--=≦f了 ̄二_ う ,, :;;{____゚。_ ゚ ・塩コショウ適量
( rケ了  ̄ r===='≦三三三三三三三ミ、 ・米二合
`┐ ! ト_ r--、_了 ̄ヽ三三三三三三三三ソ ・ケチャップ適量
/ ヾニ'' \ `<三三三三三>´
_ィ、 _/\ > ノハ、 ノハ、 ノハ、
/ /_{{ >t――ァ'´ ((火))((火))((火))
{__/ `ヽー" }二i´ {二二}二二二二二}
/`-,,,,>、 i__i______/
`゙''ー‐‐"
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
まずは炊飯器に米と水、それからキューブコンソメを投入し、そのまま焚く。
炊き上がったら十分ほど蒸らし、その間に熱したフライパンにマーガリンを
伸ばしてから微塵切りにした玉ねぎを炒める。
107: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:04:14 ID:MSskQ0760
玉ねぎが茶色く焼け上がってきたら肉を投入し、更に焼く。
鶏肉に焦げ目がついたら米を投入し、ケチャップをかけながらフライパンの上を
すばやく三往復ほどさせる。白い部分がなくなり薄赤色になったら大丈夫だ。
あまりかけすぎるとケチャップ煮込みのようになってしまうので気をつけなければ
ならない。
それから適度に焦げ目がつくようにかき混ぜつつ、塩コショウで味を調える。
ケチャップの水気がなくなれば完成だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
108: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:04:31 ID:MSskQ0760
,ィ /uiu、
/ | ____ | |
| | / \ ヽ /
| | /( ●) (●) \. | |
ヽ.| / (トェェェェェェェェイ) \ | |
|.|_|. \ェェェェェ/ |⌒)
〈_ィ.\ / /
\ /
i /
| i
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「おら、できたぞ。皿もってけ」
できたチキンピラフをダイニングキッチンのカウンターに乗せ、
メイヴとパイモンに取らせる。
「ねえ、食べていい? 食べていい?」
「待ちなさい、パイモン。この国ではね、食べる時にいただきますというのよ。
食べる前のお祈りと言えば分かりやすいかしら」
「お祈りするの? 僕堕天使なのに?」
「なんでもいいから言いなさい」
「はいはい、いただきます」
喜留夫も三人分のスプーンと自分の分のチキンピラフを持ち、食卓に着く。
何気ない会話を交わしながら、初めての三人の食事は進んでいった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
109: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:04:52 ID:MSskQ0760
__
.───┐ / ...::::::..\
 ̄ ̄ ̄| | / ...::::::::::.\
| | ( ●) ...::::::::::.\ あー、確かに二百万超えてるな、まんだらメロンの相場。
| | ェェェェイ) ...:::::::::::::: |
| |. \ェ/ .....::::::::::::::::::/ なんだ、そんなに美味いのか?
二二二 」 _ _ ゞ ...:::::::丶
─┴┐ ⊆フ_)__./ ┌ヽ ヽ┐ 「悪魔には、ね。あと一部の人間」
二二二二二二l / | | | |
_l_____| / |_| |_| ……食うんじゃねえぞ、パイモン。
| / __, ノ |─l
|───/ /lニ/ /二ニ luul. 「食べないよ!」
| ___| | | |_|.
└─( )(ニ| |./二ニ)
 ̄ ̄ / )
`ー ´
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
食事を終え、皿洗いを済ませた後で、軽くパソコンを起動する。
夜までまだ時間はあった。
まんだらメロンの市場価格を調べてみると、確かに二百万を超える値がつけられて
いた。パイモンが物欲しそうに見つめていたのも頷ける。
とはいえ、今すぐネットに出品するわけにもいかない。依頼が失敗した場合は、
メロンは返さねばならないからだ。
あのジャックフロストは、終わったらお礼に来ると言っていた。
ちゃんとお礼を言ってもらえる展開になればいいのだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
110: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:05:17 ID:MSskQ0760
┌──────┐
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┌───┐
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┌─┐
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└─┘
┌┐
└┘
□
・
111: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:05:32 ID:MSskQ0760
|┃ ____
|┃ 三 / \
|┃ / \
|┃ . / (●) (●) \
|┃ 三 | (トェェェェェェェェイ) | でっぱつよ!
|┃ \ \ェェェェェ/ /
|┃ /ゝ "` ィ `ヽ.
|┃ 三 / \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄" y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´| | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
身支度を整え、装備の確認をしたのち、事務所を出る。
時刻は既に午後九時を回っていた。冬の空には月が出ており、白い息がもくもくと
上がっていった。
「寒くないか? メイヴ」
「ええ」
「ちょっと、僕の心配はなし?」
「お前はマントがあるだろうが」
今回は最初からメイヴとパイモンを召喚しての探索だった。
悪魔の気配を探るのであれば、エネミーソナーもそうだが、同じ悪魔に任せる
というのも一つの手だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
112: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:05:45 ID:MSskQ0760
___
,斗≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i≧.x
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>=ミ、
イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ニイ_{:iヾ\
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〈ニ/}ニ{:i:≧=、
/:i:i:i|:i:i:Ⅵ:i:i:i:iⅥ:斗=≦:iⅥ:}ニ{Ⅵ:iノ∧
/ {:i:i:i{:i:i,斗:i:i:i:∧\:i:iⅥ:i:iⅥニl. Ⅵ:i:i:∧
/ /{:i:i:i爪:i:i{\:i:i:i∧ _斗示ミ:l,弐 Ⅵ:i:i:∧
/ / .|:i:i:i:i:i:Ⅳ竺_\:i∧ / r 刋ソ:i:i:i:} {:i:i:i:i:∧
/ / !:i:i:i:i:i爪V心 \:i:. ゞ-' }:i:i:i:| {:i:i:i:i:i:iヽ へへーん、似合ってるでしょ?
, , .{:i:i:i:i:i:i:i:ヽゞ'' ヾ .}:i:i:i:| {:i:i:iⅥ∧
l{ .l{ {:i:i:i:i:i:i:圦 `_ ┐ 八:i:i}ノ从:i:i}:i:i∧ 「そういう店のボーイみてえだ」
r 、 r 、 l{ .l{. 八:i:i:i:i:i:i:i:i\ 、 ノ /}:i:i:/:i:}:i:i}:i:i}:i:i/:ハ
ヽ‘, :. .{{ .{{. \:i:i:iⅥ:i:i:i≧s _//}:i:i:{:i:/}:i/リ7:i:/}i;ハ あ、ひっどーい。
', } .} - 乂乂 `¨Y≧Ⅵ:i从:ハr彡 .|:i:iハ={'{_,彡' }∧
へ ゝ { / / }:i:i} Ⅵ从ヽ { /.|:i:i:ニニニ}. ',
. {--、} ノ' { }:Ⅳ Xニ /r' .}:/ニニニ; ',
八 ヽノ-v ノ }://ニニ/ ,j ./}'ニニニ; :{ ',
\_ -=≦ヽ /ニニニニ.{ f _r≦ニニニニニニ:{八 \ ',
_ ≦ { /ニニニニ/ニニニニニニニニニニニ_ \ /7
{ 。/ へ / }ニニ/ニニニニニニニニニニニニニ=_ ∧ =彡 {
{ ≦ノ r≦ }ニニニ} oニニニ oニニニニニニニニ=_/:i:i\ }
ゝ- ' \ } ) .}ニニ=jニニニニニニニニニニニニニニニリ-=ヘ. \
\ ノ / ,ニニ /ニニニニニニニニニニニニニニ /:i:i彡' \
、 / _ .jニニ,ニoニニニoニニニニニニニニ /=彡) \
乂__ r≦{:i:{ニニ}ニニニニニニニニニニニニニ ./:i:
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
メイヴには普段のドレスに、上から喜留夫のコートを着せている。
パイモンに関しては、前回メイヴだけに服を用意していたのが気に入らなかった
らしく、強くごねてきたので仕方なく服を買い与えていた。
よくあるシャツとスラックスにベストという組み合わせだったが、
元が美少年だからかよく似合っていた。執事のような高貴さがある。
それはともかくとして、探索はそれほど順調とはいえなかった。
二時間ほど町を回った後で、やはり情報が少なすぎたかと肩をすくめていた
その時、小規模な異界の存在をパイモンが感知した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
113: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:06:11 ID:MSskQ0760
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/ \
/ \
/ \
| (●) (●) |
\ fェェェェェェェェy /
/ ヽ
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/ ィ r \
| `|| |ヽ ヽ
/⌒ヾ| | |, |
ヾ___,ソl │(、__,ノ
| |
l Y´ /
ヽ, ( ,/
ヾ | |
≒;| |
(.("_`゙_)
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
蛇の道は蛇、というやつだ。
喜留夫達は異界へと迷いなく踏み込み、そこで悪魔たちに話しかけることにした。
悪魔への被害が広まっているならば、悪魔同士で噂も広まっていることだろう。
異界特有の淀んだ空気の中を歩いていると、一体の悪魔が喜留夫達の前に
躍り出た。凶鳥グルルだ。灰色の翼に人の体、髑髏の面のような頭部をした
この悪魔は、交渉には応じない類だった。
悪魔にも様々な種類がいる。その中でも、凶鳥や妖獣、外道や幽鬼、魔王などは
人間を餌としか見ていない節があり、交渉に持ち込むのは至難の業とされる。
喜留夫は無言で銃を抜き、近づいてくるグルルの翼に五発ほど銃弾を撃ち込んだ。
血をまき散らし、大きく怯むグルルに対し、メイヴとパイモンの魔法の追撃が
撃ち込まれる。
やがてグルルは動かなくなり、その体を緑の光に変えて消滅した。
散乱したMAGはCOMPが自動で取り込んでくれる。
これもまた、貴重な収入源であると同時に、サマナーの生命線でもある。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
114: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:06:26 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \ へい、そこの嬢ちゃん。ちょっと話してかねえか。
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) | 「いいよー、チャクラドロップある?」
\ \ェェェェェ/ /
(ヽ、 / ̄) | ぐっ……魔石で勘弁してくれ。
| ``ー――‐''| ヽ、. |
ゝ ノ ヽ ノ |
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ようやく話の通じる悪魔が見つかった。夜魔リリムだ。
同じ夜魔のメイヴがいるおかげか、同族のよしみで会話もスムーズに行った。
「人間が悪魔を襲う? そんなの日常茶飯事じゃない。私たちは人間を食べるし、
人間は悪魔を殺す、いつものことでしょ」
「それとは違うんだ。悪魔をとっ捕まえて、酷いことをしてる奴らがいるらしいんだよ。
そいつらの情報が知りたいんだよ」
「ふうん。そういうことなら、この近くにある廃工場に人間が集まって
悪魔を殺してるわよ。案内したげよっか?」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
115: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:06:41 ID:MSskQ0760
xァ ヽ;:::;;,:::::::\
/:/ _.......__ ',::;;;;,::::::::::\
/::::/ _,..:.:<.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:ヽ, }::::rハ::::::::::;;;;::,
//::::;::{ ,.:´.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ノ::::i/ハ:::::::{マム::,
//{:::ハ::'、 /.:.:.:.:.:.:,;.:.:.:.:.ト;.:.:.:.:.:.:マ:::::;;;;ノ ヾ:}::::::i `、:::,
,'::ハ::|ハ:::::ヽ_ノi.:.:.:.:.:.:.:.}{.:.:.:.:| ヽ.:.:、.:.:.マ´.:.ハ }∧:i ';:i
,'::;//{::l/ム;::r,、;::i.:.:.:.:.:.:.:}iハ.:.:.:| , -<K.:.'v=、:', l::i l:| l:|
;:{//ハ マ/ハマ{ `i.:i.:.:i.:.斗ニ';:.:.| 彳ハテハ.:i<}}.:.i リ || リ
';:'/ハム’トム'::i ';:、.:|;,:.:ケ心;.:i ¨´ ';:i.:|,/:/ {
∧{{ ヾ}::'、 ヽ{ ヽ}:|:ヾ{`~ リハ _ l:i:|:.:/ はい、じゃあわたしはここまで。
ヾ, ヽ::、 ` }ハト;:ヽ ´ `_.. :フ ,クハ:{
`' _ ヾミ.:> ,,` ニ´/ ',ハiリ 頑張ってね、正義の味方……でもないか。
,. -ァ / `ヽヾ从.:}`T´, i ',
_,..-z-''´/ / ::..... ‐-ミ、__`_ ` ヽ, 悪魔の味方さん?
,,...:-::';-:::て-'´ i ::: ::... `;, '´  ̄`'ヽ,
,.;;':::_::-::'':::::;;/ '、 ',i `''':::::.. , ',
/::<;:/::::/::{ ', || _....._ :::.. i ', ト、
.:':::////':::::::/:::::{ _ -}_ィ-‐―''フ;;;;; ; ; ; ; ; ; ''; ;=-、', ' i ',_
////::/}:::/::::::::', ≦ ,ィ/ィ; ;;;;;;;; ; ; ; ; ;,ハ; ; ; ; ; ; t、/ ト''´:,
////:://i::,':::rz;::::'、 z≦ ,/ /.:.:.:.:.:|; ; ';;;,, ; ; ; ;/ '; ; ; ; ; ;} ヽ }::::::;:',
///::///|::{:://ハ::::::'、 ´7イク/}rヽ-、:.:;; ;,ヽ;;;;;;;;;;;;i! /;;; ; ; ;/ t` ,}:::::::.';:',
//i:::i///i::{:::{//ム::::::ヽ, ,に二''ニ ヾ}; ;;,; `.;,;';';';'';, /;;;;; ; ;/,ヘハ{ ,':::;i:::::.';.',
//|:::i//ム:::{:i///ム::::::::t、 ゝ{{.:.:.:.:.:.:./; ; ;;;;;;;;;;;,,, ; ; ;/; ; ; ; i,/ ,'::/;}:::::::';:',
マ/i:::i///i:::マ////ハ::::::::::::z:.,、 ___>‐ ̄ヽ:/; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;, ;/'; ; ; ; ;:j _ /:://;::;}:::::';:',
マ}::i/ハム:::マ/////ム::::::::::::::::::::`了.:フ´⌒.:};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ; ; ; ;/:::'::::::::;///::/}::::::}i::',
∨{i ヾム::マ/////ア⌒`''-t、::::::>'.:.:.:.:.:.:.:i;':';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ; ;/:::::::::::;ノ//::://i:::::;ii|:::',
.∨, ヾ;:::マ/ム´ ∠,ノ`ヽ;.:.:.:i.:.:';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,/'⌒<////:::///:::://:::::',
ヾ:マ/{ ん-、,ィヽ';.:.:.:}.:.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/.:{ }//::///;::://'}::::::',
\ム ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{.:.:i i/:::/⌒'i::::i//}::::::::',
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しかし、夜魔だけあって人を惑わす体つきをしているものだ。
リリムは少女の姿でありながら、それでいて蠱惑的な体格をしていた。
胸は小振りだが形がいい。すらりと伸びた足は健康的な白さだ。
と、じろじろ見ていると隣からメイヴに足を踏んづけられた。
とにかく、これで目的地に辿り着いた。
今一度装備を確認し、件の廃工場へと向かう。
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116: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:07:02 ID:MSskQ0760
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117: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:07:20 ID:MSskQ0760
~TIPS~
『デビルサマナー』
悪魔召喚師。かつては悪魔を召喚する術を持つ魔術師や陰陽師のことを指したが、
現在では単にCOMPを所持している者のことを言う。
十年前までは葛葉という由緒正しき平安から存在する、日本を悪魔の脅威から守るデビルサマナーと、
利益や私欲のために動くダークサマナーの二種類があったが、現在では正式なデビルサマナーは絶滅しており、
ほとんどがダークサマナーである。本作の主人公である喜留夫も、一応はダークサマナーである。
最近ではフリーサマナーとメシアサマナーの二つに分かれている。
レベル10くらいで駆け出し、レベル20でそれなり、レベル30~40で中堅、レベル50代でベテラン級。
たまにそれ以上の凄腕のサマナーもいるが、冗談抜きで世界に数人程度しかいない。
仕事の報酬の相場は、簡単なもので十万程度、悪魔退治などはピンキリ、
サマナーの殺害や要人暗殺などの危険なものは数百万から数千万近くに上る。
118: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:05 ID:MSskQ0760
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.′ ` マー-=}ヽ ` <
i `r - ', .メ..、 ヽ
{ ー≧=´i`¨~⌒ ー- . >--- <. ',
} /^.J / `゙''ー- ..__ / ',
': { { ./ / ̄ ̄ У }
八 し __ノ / { .′
ヽ .>'= --..、 .イ 八 /
\ / `''ー―´-- 、_ ヽ ./
≧z.. _ ,,..ィ', `ヽ ', {
ヽ ノニー ' } V
> .. / ーy-’ ′ ヽ
≧ ⌒ 、 イ ニy´ /.. -― -- .. ` <
` ̄ ̄ ー' / ` <
{ \
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廃工場へと足を踏み入れた途端、喜留夫は悪臭に顔をしかめた。
「酷い匂いね」
メイヴが溜息を吐く。どこかで嗅いだことのあるような異臭は、工場の奥から
漂ってきていた。
奥へ進む。工場はだいぶ前に廃棄されたのか、手入れなどはされておらず、
機械の類もほとんど撤去されずに放置されていた。
かつて人で溢れていたであろう作業場は機械だけが静かに鎮座するだけであり、
ゴーストタウンのような寂しさがあった。
そして、喜留夫はその風景に直面した。
匂いの大本は、血と汗、そして人の精液だった。
作業場の奥には電池ランタンを囲むようにして五人の少年が座り込んでおり、
その傍では、裸の女が横たわっていた。腕と足は無残に潰され、黒ずんでいる。
エネミーソナーが反応しているところからして、低級の女性悪魔だろう。
そこまで判別できたところで、喜留夫は自分の中の琴線が切れる音を聞いた。
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119: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:25 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \ ……よお、ガキ共。
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ /
, -―― 、
/ \
/ ヽ
/ ヽ
/ , --‐__二 ̄二二ニヽ、.l
l ,r' , -l 7^/ /'!ll ̄\、 、 ミヽ、〉 _
.|/' / /, ',r'/- 、ゝl, , ,r'''_ ヽ>--'" _ ` r,、 _ な……なんだてめえ! 何入ってきてやがんだよ!
ノ、rv'ー' ''/_ / / f'l____=・= '、,. r-’''^^゙l>-、'"`= <'_ ヽ
,フ 彡イ.,l'"''l、 ノ ^'!__ ,ノ! ト、l フ、' l___ ,ヽ ああ!?
ミ ,::::::::' l/ | |、 `---' -、_,r' ̄_ ! ヽ-、 ,〉'"l ヽ
\::::ィ l、゙ ,____,_ , -r--ァ /.lミゝ|l, ,└ '" l、゙ヽ
ヽリ _rll f_ `'' '-ー'' ^´ / l、l l | 、_、 r ' .|
ハヽヾ- 、  ̄ l'リ::::::ヽ 〉、_ r | ノ
"\' l、 `ヽ____、 /:::::::::::::::-' '::::::::::::`- -'
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
声をかけると、少年たちのリーダー格と思しき男が真っ先に立ちあがった。
誰か、ときたか。きっとこの単語すら、この少年たちは知らないだろう。
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120: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:40 ID:MSskQ0760
____
/ ::::::::::::::::\
/ :::::::::::::::::::::::\
/ ::::::::::::::::::::::::::::::\
| (〇)::::(〇):::::::::::| デビルサマナーだ。覚えておけ。
\ (トェェェェェェェェイ)::/
/ ..:::::::::::::::::::::::::ヽ
. / /| ..::::::::::::::::::::::i::::::i
____/ /__| ..:::::::::::::::::::::/|::::::|
___,廴j__ヽ r::::::::/ ハ::::,) ‐┐ _
ヽ |/ ‐┴ ―┐ . . .
>__ノ;:::......
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
COMPを抜き、キーボードを叩く。
召喚するのは自分が持つ中でも最大の火力と耐久力を持つ悪魔だ。
多人数を相手にする上ではこれ以上頼もしい存在はいない。
緑の光が舞い上がり、その悪魔の足を、爪を、牙を形作っていく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
121: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:50 ID:MSskQ0760
ヾ.ー'\、
\ \ ,
>ー マ ヘ , -´ 'ー─--──ァ
`ヽ/l ヾ ヘ , - ´ /´
Σl: :l ヽ ヽ 、 / /
くl: : l , ヘ / 〉 / :::::::::::::::/
l : : l. / | ヘ / / /l/ ..::::::::::::;;;;;/_,
l: : : l,-┴┴=ニ二ー-、 , - ‐' ./ /∨ ..:::::/'ー‐´  ̄` ー─ -、
l, r´ : : : : : l: : : : :_|_: : :l´l l , - ´ / ..::, -´ ,、 ,,-'''-、  ̄>
l: : : : : : : : : :l: : lニo::): : ゝ-‐、' /, -=‐- 、 / , - ‐´ ノ 〉  ̄`" _,,,,,, -´
. l: : : : : : : : : :l: : : : :|: : : : : : _ノ´_ ニ <ニ_/, < ` ̄ _ , ─、´  ̄ ̄
l: : :rニ二二ニ∨二ヽ,/、`ヾー= ̄`ー、, < _,,,-─一 ´、_
ヽ/`, , , , ,:::::::::::::::::::::l ヾ、 二‐ /  ̄`', /::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄二ー - 、
ヽ/::::::::〉´ / `ー、〈´l l/:::::::`ヽ=ニ二> 、ー、 `ー、
ム/l,ヘ_ノヽィ _ , -´ ,ィ´/ .l l l`ー、l`ー─--=、 , -─ ´
ヽ二_ , -´ 〉ニニニ-‐´ ヽ / .l  ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ "l ヾ: : : : : : : ',: : : _,ィl lゝ、 ___
, - ´ :::lー----─'ヘ,ィ /`ー一'ヘ 、  ̄ ̄ ヽ
_/ , - '´l`ー----‐─一': : : : Ξ: :l ヽ l
, r‐ニ ̄ ,r ´ヽ、| ',:_:_:_:_:_:_:_:_:_:/: : : : : : : : :l::::::ヽ /l /
,r´ /ヽ_ /ヽ、 .::', : : : : : : : /: : : : : : : : :/:::/::::\ l /
l _l ∨:::::::/`ー-` .:::::ヽ: : : : : ∧: ,、: : : : : :/::/-, / ヘ ̄ ̄
l/ /`> l .:::::::::,r´ヽ、:/ : 〉 : ∨ヽ: / ∠ -' ノ l
l/ マ ..::-く / : /: : : /: : :/ ≡ l
ゝ、 .:::::::ヘ / : /: : : /: : :/ヽ /
, -=l ̄ ..:::::::::::l / : /: : : /: : :/ ゝ─ --─´ヽ
r´_,r´ ̄ヘ ___/ l:/l: : :/ |: :/ ノヽ ,-、::::::,r ヽ
 ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ l : l ∨ / l´ ::::l:::l ::::l
\l ´ ̄ ヽ、/ ヽ/
【邪龍ファフニール Lv56】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「我を呼んだか、人間」
そうして現れたのは、巨大な竜だった。
ただの竜ではない。黄色の腕や腹、頭部に鉄を纏った翼竜だ。
身の丈は大人三人分以上はくだらない。
四肢は丸太のように太く長く、尻尾は大蛇のように荒れ狂っていた。
ファフニールは大げさに咆哮するでもなく、ただ静かに獲物を見据えた。
竜の眼光に射竦められ、少年たちが小さな悲鳴を漏らす。
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122: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:09:05 ID:MSskQ0760
iヽ
i)::ヽ
i)::ヽ
r⌒ヽ、 / ̄ ̄ ̄ ̄\
\ \ / \
ヽ / ( ● )三( ●)ヽ
ヽ | (トェェェェェェェェェェェイ)
ヽ,\ \ェェェェェェ/ /
) ,-'
/ i、 \
ヽ ⌒ヽ / ヽ ヽ
/ ) ノ \_ノ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「ん、んだよ、てめえも悪魔使えるってのかよ、上等だくそったれ!」
啖呵を切った少年が、がさがさとリュックサックを漁り、一つのノートパソコンを
取り出した。どうやら、あの中に悪魔召喚プログラムがインストールされている
らしい。
つまり、まずはあれを破壊するところからだ。
喜留夫は拳銃を抜き、少年の手元に狙いを定めて撃った。
弾丸は少年の腕辺りを射抜き、血肉をその場に撒き散らした。
悲鳴が廃工場に響き渡り、ノートパソコンが地面へと叩き付けられる。
「この野郎っ」
残った四人がほぼ同時に飛びかかってくる。
それらを掻い潜るようにして躱し、すれ違いざまに手を斬りつける。
仲間の手傷に激昂した少年たちは勢いを増すが、喜留夫にとっては
御しやすくなっただけだった。
掴みかかってきた腕を掴み返して投げ飛ばし、殴りかかってきた腕を避けて
掴み、突き刺す。
気づいたころには、五人は揃って床に伏せていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
123: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:09:36 ID:MSskQ0760
、 _ _
iヽ ,.ィ:::/ ,.r::´:::ィ __
i::ヘ: :.\ /:::/,.r、_i::::::,ィ´ __r::´:::,:r'´
ゞ::ヘ!::::::ヾ、!、 r.、 ,、 /::::://::::::::::/ ,..r::´:::::,.r ´
ソ::::::_:.:.:.:.|.ヘ .! ヘ / ! .,r/::::::::./::::::::::::イ /:::::::r=イ
ヾー=、 ヾ:.:ヘ`ヾリ ヘ .| i,./ |/ .|::::::::::::;:::::::::イ::::i´,rッ:::::::ゝ __
.`ー、::ヽ=、ヾ:ヘ ヾ、 ヘ| i ./ / /:!/::::::/:::::/_ノ:::/ ,,..r:::::'´::::::,::r=イ
.ヾ;,、 .ゝ;::rヾ ̄`ヾ_i._._i /,イ,ィ.,/_,イ:/::ゝイ:::,:::::::::::::く,..r:::r´ニソ:::::r=イ
!ヘ`ー`ニ》,イ / `r==iッ'´i_i_,:ィ,イ=、:::::::::;:::'´:::::::_;_;_;_;_r=イ
ヾヽーッ::// ̄/ .ヘ_ _,.ィ´_< i. : . : トく:::::::_:_:_,:r´
ヘ:.\. i´! / ̄`ヽ rッ'∨ヽ、`≧ソ!ゝ=イ! .(`Y .,r=.、イ
_ヾ: : ゞ、yイ. ,沙リ乍! ',ヘリ , | ヘ ヘ__i,ィッ、/
´.ヾ_∧: : : :l` ヽ、 iイソ__|ii iヾ´ ,ィ====||ゝ=イ/ィi
/_イ\:/: ./ヾく_/ソ∨!_/ r /二二二||ノ_|::::i三i
.トイ .,ィ´.,ツ /!:::r',,ィ.|_|:::::::::::::::!i: : :`ヾ、:ヘ、
. ,〈 ̄`ー==乍、ツ /:::::::/:::::::::|_;_;_;_;_;_|:::::: ::::::::;ヘ_>、
/イゝ=イ ,r`ー ´>=/:ri::: : : : ∧: : :.:.:.: :|ヘ:: :::ヘ二ヘ
〉,ゝ=イ ,ィ´ ヘ.|/: : :|::: : : /:i:ヘ: : ::.:.: :!: ヘ:: :::! : _ヘ
´ ,ィノ _ _/: : : :|::: :../:::i:..:ヘ: ::::. :.|:: : ヘノ Y .ヘ
| /: : : :.:.|:.:. :.|:::::!: : ヘ: ::: ::!:: : :.ヘ ./\
>=-/: : : :.:.:.:|、_;_:|::: !: : : :ヘ,r.〈; : : : :ヘ= イ_ ./`ヽ、
,.r'´ヽr='./: : : :.:.:.:/__/`|::::.|: : : :/ \: : : :ヘ / `ヽ_ ヽ
`∠_,.r' ヽ.i: : : :::.: / !:::::i: : : | ヾ; : : トイ、::、 ヘ . ̄
´ー´ | :.:.:.:. / i:::::!: : :.| ヾ: .リ `ゝイ
| : :./ ヘ:::i : : :! ヾ
|/ ヘ:: : : i
\;/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
すると、一番奥で倒れ込んでいる少年の周囲でMAGの光が巻き起こった。
どうやら、ノートパソコンが生きていたらしい。
少年の周囲に次々と低級悪魔が召喚される。
幽鬼ガキ、外道ブロブ、悪霊クイックシルバーといった面子がぞろりと並ぶ。
まさに魑魅魍魎といったところだが、この程度の悪魔はファフニールにとっては
塵芥にも等しい。
ファフニールはその巨大な鋼鉄の腕を振りかぶると、
悪魔たちがいた地面へと叩き付けた。
轟音と共に地面が揺れ、悪魔たちは悲鳴を上げる間もなく霧散する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
124: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:09:51 ID:MSskQ0760
___
. , ´ `丶
/ 丶
/ _... - ._ヽ
,' , -‐_ ̄/{ ゝ丶丶 ヽ
. i/ ∠__ ゞ ,, ,=ヾ ,.. -´`ー _
,-,.ーー> ,∠_ ┸-、 r‐゚―ヽー<,-、 ひっ……
> m / /i ',_ ノ~~ゝ.__ ∠`y´
7 r´ヾ 7 l i  ̄ `ー´ lヽ`〉
〉 `ー、〉 l `=王王ソ /
ミ ヾ ヾ`ー、 /
`ー、、.,, ヾヽ `ー― ,,´
/ ''''ーーー----ヽ iヽ
/ / ̄ ゙̄ ー-、 丶 i i
ヽ / 丶 ヾ=i/
〉 丶 ヽ
i
____
/ \
/ \ よお、おめえら。どうも随分と楽しんでたみてえだな。
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) | 気持ちよかったかよ? 気持ちよかったついでによ。
\ \ェェェェェ/ /
125: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:06 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \
/ (●) (●) \ お前らも同じ目に遭っていけ。
| (ト----イ) |
\ \___/ /
パ カ ー ー - ン
126: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:19 ID:MSskQ0760
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└── ── ─
/__7 /''7 / ̄/ ./''7 /__7 /''7 / ̄/ ./''7
/__7 ./ / __/"7  ̄ / / /__7 ./ / __/"7  ̄ / /
___ノ / / __, ̄| ___ノ / ___ノ / / __, ̄| ___ノ /
/____,./ 7__/ヾ/ /____,./ ./____,./ 7__/ヾ/ /____,./
/__7 /''7 / ̄/ ./''7
/__7 ./ / __/"7  ̄ / /
___ノ / / __, ̄| ___ノ /
/____,./ 7__/ヾ/ /____,./
\\ ____
/ / \\. / \ .\、ノし/
/ /' / r⌒ヽ、 / \ | .Σ:. て えろいむえっさいむえろいむえっさいむ!
,// / L < / (●) (●)\ \、_ノし /^Y\
/' ヽ \| (トェェェェェェェェイ) | `)(´ A あぐらえいめん!あぐらえいめん!
ヽ \ \ェェェェェ/ / .//^´ _ノて. ̄\__
ヽ <Y^\..======>
 ̄\__/ ̄
||
||
127: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:35 ID:MSskQ0760
ニ==―- -- _
〃 //
{( .//
\ ,..、 {^! ,-、
__ヾ X! .i/ /,,=‐, ヾ
'ー// ,=‐''´ ) }
/≠} { ___ __, ' /
/≠--- -―=ニ-- ‐ ― ´
`' i ! ___
! ..!/´ `ヽ
i !(●) (●) \
} .{トェェェェェェェェイ) ヽ ギャルのパンティおくれーーーーっ!
i !\ェェェェェ/ |
{ .ヾ /
ゝ \ .,、
ヽ \ //
} ∧ //
! ./ / //
| | ∠__//
! i 、 .r/ヽ
} { ヽ /
/ i、 ` ̄
/ \
128: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:49 ID:MSskQ0760
/ / l | i
l / イ /|
l ヽ> > l
| \ > >|
/ //
l \ \ ヽ |
/ / > > ||
i \ \ ヽ
l < < > >| l
/ /! / l
| \ \ヽ |l
/ //l
| \ \ヽ |
/ //l i
| / / /l l
! || ヽ \ |
/ \ i
\ 、`(;´⌒;'从; /
\,. ノ、!i;(;゙⌒);/´⌒)//
\(⌒;;从⌒) ;:、), )//
;.i,.,/ 'y';`ヾ/ 从)人/
_ -───- _
, '´ `ヽ
/ \ ウ
/ ヽ ホ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ ッ
' 「 ´ {ハi′ } l !
| | | | い
| ! | | い
| │ 〈 ! 男
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ ・
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! ・
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l | ・
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ'
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / |
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐- 、,_
129: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:11:04 ID:MSskQ0760
, -―― 、
/ \
/ ヽ
/ ヽ
/ , --‐__二 ̄二二ニヽ、.l
l ,r' , -l 7^/ /'!ll ̄\、 、 ミヽ、〉 _
.|/' / /, ',r'/- 、ゝl, , ,r'''_ ヽ>--'" _ ` r,、 _
ノ、rv'ー' ''/_ / / f'l____=・= '、,. r-’''^^゙l>-、'"`= <'_ ヽ ひっ、いやだ、死にたくない、死にたくな…………
,フ 彡イ.,l'"''l、 ノ ^'!__ ,ノ! ト、l フ、' l___ ,ヽ
ミ ,::::::::' l/ | |、 `---' -、_,r' ̄_ ! ヽ-、 ,〉'"l ヽ
\::::ィ l、゙u, ,____,_ , -r--ァ /.lミゝ|l, ,└ '" l、゙ヽ
ヽリ _rll f_ `'' '-ー'' ^´ / l、l l | 、_、 r ' .|
ハヽヾ- 、  ̄ l'リ::::::ヽ 〉、_ r | ノ
"\' l、 `ヽ____、 /:::::::::::::::-' '::::::::::::`- -'
_,,-i、
_,,―''"` ゙l, __
_,,-‐'″ ゙l、 /| `゙'''ー-〟
,,,,-‐"` _ |、 ,i´l゙ .l゙
.,,-''"` _,/"| ,li、 丿 .l゙ ,l゙
..〔 _,,,-'"゛ .| ,"|、 ,/ │ │
`ヽ .,,-'"` ,,,-, ,l゙ │ ゙l、 ,/ ,| ,i´
ヽ ,/ ./′ ゙ッ′ 丿 .゙l ,/ ,l゜ │
゙'ヽ、 ヽ .,/_,,,,,,,,-←i、 ,,-‐i、 丿 l゙ ,l゙
`'-,、 ゙i、 .,,/` ゙l | .゙l ゙l ゙l .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ィニ,,,,,,,、 .| ./
`'-、 ゙l ゙レ、 ゙l .゙l .゙l | .| .l゙゙l | .| │
`''-| | \ │ .゙l ゙l .| .l .| ,←―――――-r",,-“',,,Z″
/ | `'i、l,--←'''''゙l / .l│l゙ ,,-ンシ广゛ l゙
丿 .| ゙'ミヽ.__,,,,-'" .,iト|│ ,,/ンシ'゛ .l゙ .|
,i´ / `!|、 ,l゙l゙|.l゙ ,,r'/シ'".,,/゙~゙゙二''"
`'ヽ,、 .,/ ゙゙l,_,,,,-''"` ||,l゙ .,,/゙lソ'゙,,-'"_,,,-‐'″
`'ヘ-,,,、 `'i、 ,lリ .,,,ji!'彡‐,ン‐'"
`゙''ー-_ `ヽ .l|" ,,,il|リニン''″
`゙'''ー-,,,,\ ,リ,,,終゙‐'
130: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:11:21 ID:MSskQ0760
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□
・
131: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:11:39 ID:MSskQ0760
__「 ̄  ̄`< ̄\
| r冖 \ ヽ
|/ }  ̄ ̄( )\
/ -─‐- \
/ / ∩ ∩ヾ}
/ / ∪ ∪ 一つ思ったんだけど、なんでそこまでしてくれるんだホ?
Y / ─‐v─‐v‐ァ|i
| i \ / 八 君は人間なんだホー? いや、悪魔っぽい顔はしてるホね。
_八_O__人 ー─ '∠ ノ
ーァ=/ / ̄`ヽ─=≦ / ̄`ヽ 「うるせえ」
___/__ムイ ヽ ∨ \/しヘ l !____
ーヘ__ 人_ノ ̄ ̄ ̄ ー' ー'
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
調査のいきさつを話すと、ジャックフロストは満足げに頷いてくれた。
これで依頼完遂、ということになる。
無事完了ということで、報酬であるまんだらメロンのネットへの出品手続きを
メイヴに頼んでいる間、ジャックフロストにこんな質問をされていた。
「なぜ悪魔のためにそこまでするのか、お前は人間なのに」
といった内容の質問だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
132: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:12:22 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ ヽ 人間も悪魔もねえよ。
/ ( ー) (ー)'
| (トェェェェェェェx ,--、 ムカつく奴はぶん殴る。助けたい奴は助ける。
\ \ェェェ< ヾ zヽ
____/ \/| | そこは俺の自由だ、そうだろ?
| | / / __ノ
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「なんだかとってもカオスな答えなんだホー。もしかして、悪魔が好きなのかホ?」
コーヒーを吹きだしそうになり、慌てて口を押える。
「馬鹿野郎、どうしてそうなる。メイヴとはそんなんじゃねえからな」
「ヒホー」
とにかく、これで依頼達成だ。この調子で依頼をこなしていけば、
今月の財布事情も少しは楽になるだろう。
喜留夫はメイヴが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、
ジャックフロストが満足して帰るまで相手をした。
尚、この後でパイモンがまんだらメロンをつまみ食いしていたことが発覚し、
結局もう一つまんだらメロンを貰い受けるのはまた別の話である。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
133: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:13:33 ID:MSskQ0760
- = -
/ / , - __ ヽ
_./ ∠ / `ヽヽィx
/ニミx/ニ} / _ -i | 、', ∨i
{ニニニリ /ィ ノi l iヽ ヽ', ∨ /
{ニァマニ} i,zzzzzz.l ,' ノzzx_i_l ∨/
.}¨/___¨ i i:.:.i:.:l i_.ノi_ イ:.:i:.:l | .|__ヽ
; } _ i , ;. ゞ:_ノ ゞ:_ノ l .l
_ノ / _ヽ i ',⊃ ___` ⊂⊃i !`ヽ
.ゝー{ ゝ 八 ', \/ ノ.ノ'._ノ
¨ヽ ヽ_ヽ≧x。____。xィ-イ/ノ
ノ:ヽ..._ ¨´ `¨¨ iー::T´
/:::::::::::::/ l:::::::::ヽ
/:::::::::::::::::i , .l:::::::::::::::>-
´ ̄`ヽ::::::::::┝=..、_ ノ::::_:::∠ --───ァ
` ̄ .ゝ、 `゙゚ァ=- ¨¨_ -- ¨¨_ - ´
_ ,。_ム `{_ノ¨⊃¨ _ - ´
彡彳 { (ニニゝ {´_ - ¨
彡彳 `´ \__{
彡´
.T 田 小 牛 _l_ヽ¨.ナ ヽ .l ヽ
土 .土 i 土 / ) d- し }
~また次回~
/||ミ
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|:::::::::::::::|| 、 - ‐‐ -,
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|:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l ハロー。
|:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
|:::::::::::::::||___ : : :丿
|::::::::::::::(_____ノ´||
|::::::::::::::(_ノ / . . . ||
|:::::::::::::::||/ ||
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\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
\ ::::||
\||
85: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:07 ID:MSskQ0760
、 - ‐‐ -,
,´: : : : : : : : :
゙i : : : :○ ○゙i
}: : : : : : : _ _ _| 第二話が書きあがったんで投下するよ。
|: : : :-=´_ _,´
y' : : : : :_: : : : :i ところで、もう少し投下の間隔をあけた方がいいかな?
/ : : : : : : :┌─┐
i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ それとも今までどおりドバーっと一気に投下しちゃう?
r : : : : :ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ ま、意見の方待ってるよ。
と_ : : : : : : ノ : :ノ
 ̄ ̄ ̄  ̄
86: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:24 ID:MSskQ0760
┌───────────┐
│ │
│ 第二話『獣たち』 ....│
│ │
└───────────┘
87: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:37 ID:MSskQ0760
~市内のとある廃工場~
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呻き声が響き渡る。
かつて自動車工場だったこの廃工場で、少年たちはお楽しみの時間を
過ごしていた。
仲間の一人が拾ってきた小さなコンピューターと、それによって召喚される
悪魔によって、少年たちの退廃的な生活はがらりと変わった。
高校にも行かず、半グレ集団にもなれず、鬱憤を晴らすだけの日々は、
突如として刺激に満ちた非日常へと変貌を遂げたのだ。
廃工場に集まった仲間は五人。
今日はエネミーソナーで探し当て、捕まえた低級悪魔を検分していた。
捕まえた悪魔は天使エンジェル。
西洋のシスターのような衣装を着ているが、背中に生えた白い翼が
彼女が人ならざる者であることを主張していた。
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88: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:56:53 ID:MSskQ0760
八::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\-、
\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\'.
/::::∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
,、 {:::::::::::∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ お、おやめなさい、このような……
_} \__ }::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::::::_:_:_:_::::::.
/ ___){ゞ====|::::::::::::::::::::/ ̄::::゚。::| ̄
\/: :/}:::::::::::::::}::::_:_:_:_/:::::::::::: ̄`ヽ、
. { : :{:::{:::::::\::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄`` <
∨{::ハ::::::::::::V≧=--::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
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、::乂:_:_ノ} ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::-=≠⌒::::::::::::::::∨
'、::::::::::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::::::::::::.
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∨:::::ゝ:::::::_::::::イ:::::}:::`¨´:::::::::::::
{:::::::::::\::::::::::::{::::::{::::::\::::::__ノ
'.:::::::::::::ハ::::::::::\::|:::::::/⌒::::::|
|:::::::::/:::∧:::::::::::::ヽ:::::{::::::::::::::.
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その姿は立派な成人女性のそれだった。
丸みを帯びた臀部に、引き締まった腰つきと、それに相反するかのような乳房。
少年たちの欲望を刺激するには余りある女性らしさを、悪魔は備えていた。
腕と足は鉄パイプで滅多打ちにされ、骨は砕け、肉も潰れて無残な黒色に
なっている。エンジェルは芋虫のように体を揺すりながら、少年たちに嘆願した。
神の子らであるのならば、人の道を外れようと、心の奥底に慈悲の情を
持っているはず。そう思っての行為ですらも、少年たちには獲物の命乞いにしか
聞こえず、また欲望の火に薪をくべるも同等の行為であった。
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89: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:57:37 ID:MSskQ0760
:,: :(::)
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τ'::/ .;:
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少年たちの夜は続く。
これからこの悪魔は五人分の相手をさせられた後、体が消滅するまで
サンドバッグ代わりにロープで吊るされることとなるだろう。
少年たちは悪魔の恐ろしさを知っていた。既に一人の仲間が大けがをしている。
しかし、それでも悪魔から手を引かないのは、ひとえに幼さから来るものだろう。
少年たちはこの悪魔の体で楽しむだけ楽しんだ後、復讐を警戒して
息の根を止めるつもりでいた。
絹を裂くような悲鳴が響き渡る。
夜はまだ始まったばかり。つまり、地獄もまだ始まったばかりなのだ。
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90: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:58:02 ID:MSskQ0760
~TIPS~
『悪魔』
人ならざる者。妖怪、神、天使、妖精、悪霊などもこれに含まれる。
本来は神話の世界である魔界にしか存在できない筈なのだが、異界と呼ばれる「魔界化」した場所においては
自由に姿を現し、迷い込んだ人間を食い殺す。
体は生体マグネタイトという高密度のエネルギーで形成されており、これがなくなると消滅する。
生体マグネタイトを集める方法は二つ。一つは、人を食い殺すこと。
生体マグネタイトは悪魔や人間といった強い感情を持った生物が多く体内に保有しているため、
人を食らうことで悪魔は生き長らえ、現実世界に留まることができる。
もう一つは、信仰を集めること。
生体マグネタイトとは、いわば感情がエネルギーと化したものであり、
信仰とは生体マグネタイトを特定の神格に捧げるも同義なのである。
ゆえに、信仰を広く集めている神格を持つ悪魔などは、徒に人を捕食することは少ない。
物質界に来訪する理由は主に生体マグネタイトの収集であるため、人間は格好の餌となっている。
十年前に進んで悪魔退治を行う葛葉一派もいなくなってしまったがために
各地の異界化が深刻化したため、六年前から各国政府が一定以上の力を持つ悪魔に対して懸賞金をかけることになった。
『生体マグネタイト』
感情をエネルギー化したもの。人間や悪魔など、強い感情を持つ者が多く保有している。
異界や魔界には空気中にも含まれているが、そこに存在する人間や悪魔を強化するほどの量は
空気中に留まることはなく、結晶化する。
人間はこの生体マグネタイトを液体にして保存する技術を持っている。
悪魔はこの生体マグネタイトを接種することで存在の維持や強化を可能としている。
人間も同様で、悪魔などを倒して生体マグネタイトを浴びると、体内の生体マグネタイトの保有量が増加し、身体能力が向上する。
91: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:58:18 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \
/ (●) (●) \ え、まじで?
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ /
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
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手渡された千円札をまじまじと見つめ、呟く。
これは今月の自由費の総額ということだった。
家賃や光熱費、ガス代などの計算はメイヴが行っている。
一応食費は喜留夫が預かっているが、自由費だけは別だ。
生活費を熟慮したうえで、メイヴが余剰分を喜留夫に渡す形になっている。
「本来は千円もないわ。これは慈悲よ」
メイヴの視線は氷よりも冷たく鋭かった。
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92: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:58:36 ID:MSskQ0760
ィ⌒ヽ
) __
iV/r' ´  ̄ ` ' 、 ,-、
ィv┘./ / ` 、 .r'´
r >イテ i \/v
>フ/ / l l l {人レ、
, ィ' ´ / / l l i l .i ゞV/廴
/ / ./ i _ l l :l ! l l ハ`´ ヽ
/ / ./ィ r'´ ` il ト 、 .| i l | | i .| _V )
/ イl/ イ.イ 廴 _ 人 .ハ ヾ ト +- 、| .|i ./ .l .| rヘ
{ .i l / il il ≧iVハi .\ _V_ハ /.i V .∧ ヘ 先月は赤字、つまり生活費を貯金を切り崩して
V il . / / ノ Ⅶt人ァ ヽ \ィ≧テ-L/ /ili .V ',
V \/ / ./ ハミY /ノ , ┴=斗/ ./ 人 V .', 補ったってことなのよ? 誰かさんのせいでね?
V./ / ./ i ゝ ) """ / イ / l i ト
/i . / ./ .イ┌人il ` ー ' .//././ l ヽ 「痛い痛い痛い! 的確に乳首を引っ張らないで!」
./ .レ / i / lr )、 \、 イ // ̄ス─-┐ i \
イ/ / i ∧ 、_// 入 ≧- イ⌒i l / /、 l \
../i / イ ./ V>- ⌒) Y. { :l | イ ./ /、 i l ト
il V./ / :l ./ < `ー─┐ ィつ i r弋、─-─≦ イ | V\
y / { \_ `i i<`  ̄>i i \ >イi | i .\
../ / i Yゝ 彡 } . l l>><<l.l r ' ´ ̄ ヘ i l ヽ
. { / ゝ イ.. l l< >l.l ∧ヾ Y l ヘ
/ .V / > /i┌ ‐/>><<l.l / } l )
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メイヴに凄まじい力で抓られながら、謝罪する。
確かに、先月の稼ぎはあまり良くなかった。
貯金も多いわけではない。喜留夫がこうして仲魔に頼ることが多い反面、
他のサマナーよりもMAGの消費は多いのだ。
加えて、十年前に葛葉というデビルサマナーの組織が雲隠れして以来、
サマナーの需要が上がると共にMAGの価値も高騰している。
今やMAGのレートは過去とは比べ物にならないものとなっているのだ。
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93: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:14 ID:MSskQ0760
,.ィィi/⌒i,,ii,_`7/
.i.i i //.{往ヨ}i'l‐=''三 ̄`''‐‐--,__
.}!' '' 7'.ミl彡’ `ゝ、_ ,_,,__
.// i-/__-) ) i .! !''-!..=_ ))_ヾ、ゝ
iνl ∥ / .i′/ -=彡) K包ミi''i' i 、
..}/ //i /// i i , .i .!ニ=彡i il ii`i
__ __ / ./ .i i/ ii / i ,.. -、___,))i=〃 .il.|
i'i'' ̄// / i / /i / i i .i i .i i l l i`ii / /!-,-/i.| 嫌なら稼ぐことね。
!!////./i /il ii /i | | | .| i| il il ) | i | | Y// /| .|||
iイ ノ / / ι‐'´/ // |i l (( /'''``!)) .|i.| | .| ! .i | // | | .| |,/ il .i| ! | | DDSに何か依頼は載ってないの?
___,_/,/,/ i | / .i ! ii ハ | | !^}.Y笹ョ iヽ| |i ! | !,,ハ__//i / il | Y ./ i |∧ .! i
./, ‐‐=7 / / ,ノ / /i |.|i | ゝl{ Y i廻ト/'' < !! l l レl ,_ `''=-/l./ |/ / / i/ }.i ! l 「うーん、サマナー殺しとか
l ./,-イィ ./ / /,, /i l `ii`''-i !\,ミ=-=彳,,| 灯不気, il .|i ..// i l / |\
l l / / ⌒ /,,ィイ彡 ,!/ }ii| ,} i i iゞ-'``'"′ 弋ニ汐´“/i | / / ./ / ) iヽ! 魔王退治とかろくなもんがねえぞ」
..i'' i i i /´´ ,,ィ''"′ // !、ゝ、 i入 )) ' // ,. .|// / /i i }|
..| | ! i| .ii i / ,-'とイ \===-、,ヽヾ、ヽゝ、 . `.ー- / / / |Y ,..ィ'iiイ//i .i },l ……まあ、命あってのなんとやら、ね。
..| i ! i| i ! | ./ /i >_";,tェ ,___>、 iヽ、ゞヽヽ ,/ / / / ii i''i (( ii l .|| !ィ´´
..\ ii |i \\| i {| ,-' '``'⌒'”'''->=l | i ) )ハ、._ -‐''.フ/// / l l l |i__, - 、.{ { ヽ! ! 無理はしちゃだめよ。
i \ \ \\| .|.{ .フ , 、ゞi.l |i | i y^Y ´`l,,l / i li | \彡=、 .゛l \ Y\
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DDS-netを開き、依頼の欄を見てみるが、どうも今日は物騒なものが多い。
恨みのある同業者の殺害や、政府の息がかかっていると思しき魔王退治の依頼
などばかりが掲載されていた。いつもはピンキリなのだが、今日は危険な依頼が
多い。
サマナーの仕事にも色々とある。悪魔退治から仲魔の斡旋、異界の除去、
危険なものでは特定の個人を害する依頼も多い。
そういったものの相場は一人数百万に及び、サマナー相手ともなれば
数千万はくだらない、が、危険だ。
中にはサマナー殺しを専門とするサマナーもいるらしいが、喜留夫は違う。
喜留夫はあくまでもサマナーなのだ。殺し屋ではない。
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94: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:29 ID:MSskQ0760
__「 ̄  ̄`< ̄\
| r冖 \ ヽ
|/ }  ̄ ̄( )\
/ -─‐- \
/ / ∩ ∩ヾ}
/ / ∪ ∪
Y / ─‐v─‐v‐ァ|i ヒーホー!
| i \ / 八
_八_O__人 ー─ '∠ ノ
ーァ=/ / ̄`ヽ─=≦ / ̄`ヽ ひょいっ
___/__ムイ ヽ ∨ \/しヘ l !____
ーヘ__ 人_ノ ̄ ̄ ̄ ー' ー'
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そんな時、事務所に闖入者が現れた。
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95: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:41 ID:MSskQ0760
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└┘
□
・
96: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 01:59:54 ID:MSskQ0760
r─- r‐-
/ `ー<_ \
/  ̄( )ヽ
__/ /入 -─-\
_| _/__/ / / r r ヽ
\| \/ / J J
/ / ──v─v‐ァ i ヒーホー! ここってさまなーのじむしょなんだホ?
/ / 丶 / /
 ̄{ ○ / `ー-‐'r‐ 、 オイラの依頼を受けてほしいんだホー。
乂___人 / > \
/ ≧=─-- < /、 )
 ̄/ /| ヘ ___\Y /
_// l | / 丶 /ヽ ` /
【妖精ジャックフロスト Lv12】
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メイヴの召喚によって部屋にMAGが存在していたからか、
妖精ジャックフロストは唐突に実体化した。
最初は喜留夫もメイヴも驚き、臨戦態勢を取ったが、どうも敵対する雰囲気では
ない。青いフードを被った雪だるまといった姿のジャックフロストは愛らしく、
ヒーホーヒーホー話しかけてくるところからして攻撃が目的というわけでは
なさそうだった。
「最近、悪魔をとっつかまえて、連れ込んでいじめてる奴がいるんだホ。
オイラの友達のランタン君もそいつらに酷い目に遭わされたんだホ。
こらしめるのを手伝ってほしいんだホ! デビルバスターバスターだホ!」
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97: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:00:13 ID:MSskQ0760
_,,、---、 /`ー---、_
, ._,、-― ' ´ `´((,、_ ,ィ-、`!
,、((._,ィ'´ ー.'二==テイト、ォハ´`))!ヽ
/`/ト、`))  ̄__,ィ /乂Yノ少((. ヽ
,イ ./ノ少、' l .l i ((ゞ'´ ` l ヽ,
l 弋トン" / l | l! l! l! l! )) l l l l
. /! )) ./ / l l! .l l l!.l .l! l l l!l l! ´ l! .l l .l
ノ l. (( / .′l l! .l l! i!.l i! l!.l l!l.l l! i! l .l!.l l!
./ l /./ l! l! l.l l .l l l! l l! i!l.l l! l! l! l l .l! l l! /
./ / l .l! l! l! l! ! ll! .l l!.l l!l.l .l! ll! l.l!l! l l l! l l .l l / l あら、かわいいわね。
! / / ./ i! i!-=ミ.、 l! l l.l((.l!i!.l! l!.l-十十‐!-i! l! l! l l! l l!/./ l!
/ / / .l l.l l! .))l_l! l l ))l l! l!l l从==ュ. l! l .l! / l.l /././ `ー 報酬はちゃんとあるのかしら?
/ / / l! l ll! .ィーイ_,`ヽ.'イ l!l!l .l!イん::ハ.ヽ l l! / ./ //! __
./.| /.| l! .i! .,イ´`'Z`メ! ヽ 乂z:ソ. './ ./ ./// /.l 「俺の仲魔ながらちゃっかりしてやがる」
./ヽ. l l l!、 i! フ 〈、Yノ ノ .l  ̄ / ,′/ / ./ l
ヽ! .l! i!ヘ i! >`、´ 、,ノ ' l .l / /l
l i! ヽ l ヘ .| i!ヽヽ-イ)) _ ヽ, ヽ .l! .l l!
l .l! l! ト、 l l ヘ ((  ̄ ,ィ‐、ィ‐、 ヽl! 、l l
l l l ヽ l. ヽ l!l i> , ゝ,. `´ | リ__ `ー
./ .l l ヽ i l ヽ.i! l! >__ , _ , ィ`l´ / / .`ー-
.l l ヽ .l! l l l /l .,ィ、_ノ  ̄ゝイ / /
.l!l l!.l! .l ./ / l/l .,、- `i | / /
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「ヒホ、オイラに用意できるのはこんなもんだホ。
あとは……かき氷くらいならできるホ?」
そう言ってジャックフロストが取り出したのは、メロンに似た何かだった。
「あら? まんだらメロンじゃないの。どうやって手に入れたの?」
「ヒーホー。友達フロストからお中元で貰ったんだホー。
今はこれくらいしかあげられないホ。勘弁するホー」
まんだらメロンとやらを受け取ったメイヴが、喜留夫の耳元で囁く。
吐息がかかりどきりとするが、何とか話題の方に意識を集中させる。
「これ、魔界の相当な珍味よ。ネットで出品すれば二百万は行くわ」
「よし、引き受けよう」
即断だった。ネットに転がっている依頼は危険なものばかり、
かといって事務所で寝転がっているわけにはいかない。
低級悪魔を乱獲して暴力を振るうような人間などたかが知れている。
それくらいの危険性で二百万であれば破格の報酬だ。
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98: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:00:30 ID:MSskQ0760
__「 ̄  ̄`< ̄\
| r冖 \ ヽ
|/ }  ̄ ̄( )\
/ -─‐- \
/ / ∩ ∩ヾ} 受けてくれてありがとだホ。
/ / ∪ ∪
Y / ─‐v─‐v‐ァ|i あいつらは夜になるとこの辺でうろちょろしだすホ。
| i \ / 八
_八_O__人 ー─ '∠ ノ 見つけ出してとっちめるホー。
ーァ=/ / ̄`ヽ─=≦ / ̄`ヽ
___/__ムイ ヽ ∨ \/しヘ l !____
ーヘ__ 人_ノ ̄ ̄ ̄ ー' ー'
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しかし、悪魔からの依頼とは珍しいこともあるものだ。
ヒーホーヒーホー言いながらひょこひょこ撥ねるジャックフロストを見ながら、
喜留夫は一人呟いた。
とにかく、仕事は仕事だ。受けた以上は完遂するのが喜留夫の主義だった。
早速支度を始める。夜になったら、早速行動開始だ。
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99: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:00:45 ID:MSskQ0760
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100: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:01:13 ID:MSskQ0760
| i| |i |
| i| |i |
| i| |i |
| i| |i |
| i| _______ |i |
| i| 〈: : : : `ーi .|i |
| rー- .. .._ jー-r- ._.{ :|i |
| .\/////≧=≧ー-=ミ} |i |
| i| ` <ノ.:弌__j:f⌒iー-≧.. __j___| 業魔殿へヨーソロー。
| i| 乂:.:.ハ .〈抃::刈イ(二ニ=-― "
| i| 从{∧ー弍イハ .|i | おお、お前か召喚師。待っていたぞ。
r=孑=≦:/ //辷セrく}: :ヽ |i |
.イ: : :: :: :: ::/ // }fメ{^´ {{: : :{`ー- .主_:! ほれ、頼まれていたソフトだ。
/. i : : : : ::/.//_ノ : 〈 .〃. : :j: : : : : : , : ハ
. /. : l: : : :/. ://. : : : : :∨. : : : {: : : : : :/. : : }
. /. : : : :./. : ://}. : :才.:::人: : : : }} . :: ::/. : : : {
}: : : : : : :\ : ///7f个ーイ}} : : :: ::}}. : ::イ. : : : : ハ
八rー-ミ: : : : >i/ }/ }才:i{.}}: :厶斗:/. : : : : : : ::{
ノ: : : :  ̄ : : /ニハハニニリ} : : ` .<. : : : : : :i: : : :{
__ ./. :_: : : : : : : />}ニ=ミv/. : : : : : : /. : : /⌒辷气乂
Y´三二ニミ.く: : :  ̄: ̄>j 才ニ=气}.∨_:: :: :: ::/⌒ヾ: : : :7!..|
}三二ニ==-_`_<: : : {{ { rーメ }}ハ: : ̄三二ニ≡=∧|
}三二ニ===ニ二三>乂rー-气=-イイiリ: : : : : : : : : : : : : : :}!
}三f´///`ヽr<_三三三≧=====イ: : : : : : : : :_:三二ニイ|
}三∨/////∨三三二二ニニ≡===-≧=≡ニ{ 〉〉
【???ヴィクトル Lv??】
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四階のフロントへは向かわず、一階のエレベーターホールから直接
地下の倉庫、つまりはヴィクトルの工房へと向かう。
工房のシャッターの前でCOMPを抜くと、自動的にシャッターが上がる。
その先に進めば、ヴィクトルの工房だ。
工房の中には大量の機械と巨大なビーカーのような硝子の容器、
それからそこらじゅうを這うように置かれたコードに、その中に鎮座する主人がいた。
この男こそがヴィクトルだ。この工房で悪魔の研究をしており、その成果、
つまりは悪魔の合体を行ってくれる他に、こうしてCOMPの調整もしてくれる。
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101: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:01:29 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \
/ (●) (●)\ おっ、サンキューヴィクトル。
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ / 「しかし、お前くらいのものだぞ? そのような代物を要求する輩は」
/ __|___
| l.. /l `l
ヽ 丶-.,/ |__ _|
/`ー、_ノ / ̄ ̄ ̄ ̄/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
千年の時を生きる吸血鬼だとか、体を乗り換え続けている錬金術師だとか
色々と噂はあるが、真偽のほどは定かではない。
「いわばセーブモードの追加だな。そのソフトを入れればCOMPに戦闘モードと
セーブモードが追加される。戦闘モードでは通常通りの出力で、セーブモードでは
通常の十分の一の出力で悪魔が召喚される。つまり、消費されるMAGも十分の一
というわけだ。活用するがいい」
活用、というのは皮肉だ。
知っての通り、喜留夫はサマナーとして悪魔を必要以上に召喚し、使役している。
本来ならば人間がやるべきことですらも悪魔に頼らざるを得ないため、
消費するMAGは他のサマナーの比ではない。メイヴの経理役がそうだ。
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102: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:01:46 ID:MSskQ0760
| { | ハ ' 乂込りイ、`ヽ
| ' | ミ、 i |ハ ゞ=彡ノ/z i
| ヽ .! ハ:}|i: ! { ' i ゞ=ソ i:!
.i | ハ:{. r=彡|{|ノi |. | ヽ 八
:| ! >ー从_}{ i ! |.川 i{ `ヽ | ! ハ 、 ゙
|{ / ーヽメ 八ハ!{ !ノj_z_j | .'{ ヽ
ハ 人ハr=ミ ハ ハ ノ从 7Zマ.く_ ' | {八 これで、家の中が賑やかになるわね。
/ }込八irくイ_ノ ノ i.i゙;;;}j ' ハk , ! i ヽ
{ :{ゞ=ミ_ノ/ , ゞー" / ノ/ |i ゝ 「ああ、そうだな」
.八 ∧ '' j:i '' ノ "″,イ./{ 八 `ー
. ヽ∧ 八{_ノ、_ ./rーミ八 `ー -
\ヽ.  ̄ ´ イハ }vー 、`ー -
`ヽ \> . ィ´,⌒´ ノ `ヽ
ハ \ ヽハ≧=彡} `ヽ `ヽ ハ
丶. \ }、 { / ノ }
\ ヽ ノ iト、∨ \ '
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早速メイヴを召喚し、試してみる。
確かにレベルは十分の一程度になっているが、消費MAGも十分の一だ。
メイヴが嬉しそうに手を握ってくる。
無意識に、その手を握り返していた。人と変わらない温もりが伝わってきて、
喜留夫は安堵のため息を吐きそうになる。
「ところで、合体はしていかないのか?」
「いや、いい。じゃあな、ヴィクトル」
この男は合体大好きだが、自分はそうでもない。今までに何度か合体を利用したが、
仲魔集めから、集めた仲魔から承諾を得たりなんだりと大変なのだ。
パイモンともう一体の悪魔は合体で作ったが、メイヴだけは一度も合体には
かけずに十年付き合ってきた。
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103: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:02:18 ID:MSskQ0760
ヾ _ _ _ /ゝ
ノ } , - ' ´  ̄`ヽ <'´r‐' ,
/入y'´ ` ー 、_≧彡>┐、/ V}
/≧/ / ヾ廴{i}.」ヾil´"
V / ./i i ト=イ´ ト
/./ / .l l i i { r‐'´ i i
Ⅵ / l l l l ゞ、 il l
/ i _ .i l l i ハ .| :i | i ハヘ
i { ゝ、_ | l l l _ヘ. l .l | l i l ヘ
. { l ./ ハ l l 升´ i ヽi / / il V.ハ
| .l /.// >┐_ハ i .lハ il \/ Y/ i ハ それじゃ、行きましょうか。
K l .K<イ- 、 } ゝハヾハ_ ilヾ 人 // i . | .ヘ
/V ハ ト/ <=_ノ/K -===、i / / ./イil . l ∧ } 夜の支度はしてあるから、夕飯の材料だけ
. / i ハ Ⅶミ_,ィ┘ , "" ././i イi i. | V ノ
/ .l ゝ ミ ノ/ /ィ // |.l |. l レ'´ 買ってから帰りましょう?
. / i Kハハ \{< ー - -=彡 .// Ⅶ. i i
i // V /.\. イ.┤/.ハ i l. | 「お、おう」
l/ // /__.≧、_ < ヽ il\─ 、 l |. |
/ // i ̄ ̄\ i}=v| ̄ ̄ /_ ─< ヾ ハ
./. レ/'´\ > V / / Ⅶ⌒/ .ハ i
i. //人_ \-<_ ∧./ \_/ / / ` ヽ i .、 _ l
| // ヽ  ̄ >// // . / / <´⌒ヽ | |
| ノ.ハ / ゝ升、___升≦ ̄ ̄/∧__ > \ .l . ',
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
悪魔にも色々な個体がおり、中には成長することで神格が変化するものもいる。
そういうのは大抵神話上の繋がりがあり、力を増すことで小さな悪魔から
巨大な悪魔へと姿を変貌させることもあるのだ。
こうして白い服の少女の姿をしているメイヴも、最初に出会った時は掌ほどの
大きさの妖精だった。
クイーンメイヴへと変化したのは、クイーンメイヴが妖精の女王ティターニアと
同一視されているためらしい。力を増した故に、妖精の枠をはみ出したのだとか。
メイヴに促され、業魔殿を後にする。
夜には調査を開始する。その前に腹ごしらえをするとしよう。
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104: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:02:33 ID:MSskQ0760
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┌───┐
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│ :: │
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┌┐
└┘
□
・
105: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:03:38 ID:MSskQ0760
__ /\ __
.ヽ. / / \ .⌒>---. 、 _/ -
. \ /' \__ __/:イ:i:i:i:i:i\:i:\, ヘ \
. \ ヽ=ミ {ニ/:i/:i|:i:|:i:i:i:i:i:i:Ⅵ:i:i寸ミ7 ___ ´ \\ ノー
\ / /{......ヽ </:i:i:i:i:i:i|Ⅵ:i:i:i:i:i:ヽハ:i:i:i:i:iV\ /..........{\\ ´
__,ノ.............. ゝ--=ミ>- /:iイ:i:i:i:i:i十ヽ从才´ i:i:iⅥ::i:ミシ ノ......... 人 /
/:|.....................} < ヽ〃/:i:i:i:i:i:i:ix= 、ヾ=x|:i:i:iV:i:∧ / |、................\)
, :人.................∧ < { /:i:/:i:i:i:i:从 - v |:i:i:i:i:i:i:i∧ / |: \............./
: : : : : ̄ ̄:\:i| / /:i/ {:i:i:ii {∧ 乂:::::::/ 从:i:i/:i:i:|ヾ-'' ∨/\ ̄
i: : : : : : : : : : : i|  ̄\ ,:i:i' |:i:从 V_ ≧ - イィ }/:i:i从ハ :i / V: /: :.\
: : : :|: : : :/: : : i| 'i:/(八:i ヽ}洲洲洲洲{ ノ:i:i:/:i:i}:i:i:|,/' V: : : : :.:\
|: : : :|: : :/: : : : i| 、 >ヾ } | {´ /:i/:i:iヾ:i:/、 /! : : : : : : :.ヽ
|: : : :|: :/: : : : : i| ----- >\/≧=--=≦、// ヽ:i:i:Y:i:i} -=彡, : : : : : : : : : i
|: : :.:.し': : : : :.:.:i| ><: : : : : 人)/ ': :\八:i:i:i:ハ /: : : : : : : : : :.:|
|: : : :/: : : : :.:.:i| :≦i }\: : ̄(rァ ): : /:/ }ヽ:i:i:i:i}/: : : : : : : : : : : : ,
|: : , : : : : : : : :.八_ , 斗≦: : : : :| / ヘ ≧: : _: ≦ヘ: :{ ,八:i:i:i:}: : : : : : : : : : : : : :/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「え、今日から僕も一緒にごはん食べていいの? やったー! 人間のごはん!」
パイモンが飛び跳ねる。早速セーブモードで召喚してみたが、体調が悪くなる
でもなく、いつも通りのパイモンだった。
もう一体の仲魔も召喚してやりたいところだが、いかんせんサイズが大きい。
この事務所の天井など優に突き破ってしまうだろう。ゆえに、COMPでお留守番だ。
ぶら下げていた買い物袋をメイヴが預かる。
あの後、スーパーで普通に買い物をし、普通に帰ってきた。
今日の夕飯はチキンピラフだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
106: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:03:54 ID:MSskQ0760
~喜留夫の簡単クッキング~
__
/ `rー- 、
_f ヽ
f´ ノ
ヽ T´ _ ●材料(三人前)
` ̄} ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'{ , ,::。¨'' 、,。 ・鶏もも肉一つ
f ------------i .・ 、゚;;,,;゚゙ ¨゙゚ ・キューブコンソメ一つ
i (●) (●l ,。 .;,; =- ’'' ; ・タマネギ1/2
八 トェェェェイ ノ _ i 、。.:.:。;:'゚ r;;;- . 。 ・マーガリン適量
≧==--=≦f了 ̄二_ う ,, :;;{____゚。_ ゚ ・塩コショウ適量
( rケ了  ̄ r===='≦三三三三三三三ミ、 ・米二合
`┐ ! ト_ r--、_了 ̄ヽ三三三三三三三三ソ ・ケチャップ適量
/ ヾニ'' \ `<三三三三三>´
_ィ、 _/\ > ノハ、 ノハ、 ノハ、
/ /_{{ >t――ァ'´ ((火))((火))((火))
{__/ `ヽー" }二i´ {二二}二二二二二}
/`-,,,,>、 i__i______/
`゙''ー‐‐"
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
まずは炊飯器に米と水、それからキューブコンソメを投入し、そのまま焚く。
炊き上がったら十分ほど蒸らし、その間に熱したフライパンにマーガリンを
伸ばしてから微塵切りにした玉ねぎを炒める。
107: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:04:14 ID:MSskQ0760
玉ねぎが茶色く焼け上がってきたら肉を投入し、更に焼く。
鶏肉に焦げ目がついたら米を投入し、ケチャップをかけながらフライパンの上を
すばやく三往復ほどさせる。白い部分がなくなり薄赤色になったら大丈夫だ。
あまりかけすぎるとケチャップ煮込みのようになってしまうので気をつけなければ
ならない。
それから適度に焦げ目がつくようにかき混ぜつつ、塩コショウで味を調える。
ケチャップの水気がなくなれば完成だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
108: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:04:31 ID:MSskQ0760
,ィ /uiu、
/ | ____ | |
| | / \ ヽ /
| | /( ●) (●) \. | |
ヽ.| / (トェェェェェェェェイ) \ | |
|.|_|. \ェェェェェ/ |⌒)
〈_ィ.\ / /
\ /
i /
| i
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「おら、できたぞ。皿もってけ」
できたチキンピラフをダイニングキッチンのカウンターに乗せ、
メイヴとパイモンに取らせる。
「ねえ、食べていい? 食べていい?」
「待ちなさい、パイモン。この国ではね、食べる時にいただきますというのよ。
食べる前のお祈りと言えば分かりやすいかしら」
「お祈りするの? 僕堕天使なのに?」
「なんでもいいから言いなさい」
「はいはい、いただきます」
喜留夫も三人分のスプーンと自分の分のチキンピラフを持ち、食卓に着く。
何気ない会話を交わしながら、初めての三人の食事は進んでいった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
109: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:04:52 ID:MSskQ0760
__
.───┐ / ...::::::..\
 ̄ ̄ ̄| | / ...::::::::::.\
| | ( ●) ...::::::::::.\ あー、確かに二百万超えてるな、まんだらメロンの相場。
| | ェェェェイ) ...:::::::::::::: |
| |. \ェ/ .....::::::::::::::::::/ なんだ、そんなに美味いのか?
二二二 」 _ _ ゞ ...:::::::丶
─┴┐ ⊆フ_)__./ ┌ヽ ヽ┐ 「悪魔には、ね。あと一部の人間」
二二二二二二l / | | | |
_l_____| / |_| |_| ……食うんじゃねえぞ、パイモン。
| / __, ノ |─l
|───/ /lニ/ /二ニ luul. 「食べないよ!」
| ___| | | |_|.
└─( )(ニ| |./二ニ)
 ̄ ̄ / )
`ー ´
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
食事を終え、皿洗いを済ませた後で、軽くパソコンを起動する。
夜までまだ時間はあった。
まんだらメロンの市場価格を調べてみると、確かに二百万を超える値がつけられて
いた。パイモンが物欲しそうに見つめていたのも頷ける。
とはいえ、今すぐネットに出品するわけにもいかない。依頼が失敗した場合は、
メロンは返さねばならないからだ。
あのジャックフロストは、終わったらお礼に来ると言っていた。
ちゃんとお礼を言ってもらえる展開になればいいのだが。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
110: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:05:17 ID:MSskQ0760
┌──────┐
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└──────┘
┌───┐
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└───┘
┌─┐
│ :: │
└─┘
┌┐
└┘
□
・
111: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:05:32 ID:MSskQ0760
|┃ ____
|┃ 三 / \
|┃ / \
|┃ . / (●) (●) \
|┃ 三 | (トェェェェェェェェイ) | でっぱつよ!
|┃ \ \ェェェェェ/ /
|┃ /ゝ "` ィ `ヽ.
|┃ 三 / \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄" y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´| | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
身支度を整え、装備の確認をしたのち、事務所を出る。
時刻は既に午後九時を回っていた。冬の空には月が出ており、白い息がもくもくと
上がっていった。
「寒くないか? メイヴ」
「ええ」
「ちょっと、僕の心配はなし?」
「お前はマントがあるだろうが」
今回は最初からメイヴとパイモンを召喚しての探索だった。
悪魔の気配を探るのであれば、エネミーソナーもそうだが、同じ悪魔に任せる
というのも一つの手だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
112: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:05:45 ID:MSskQ0760
___
,斗≦:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i≧.x
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>=ミ、
イ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ニイ_{:iヾ\
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〈ニ/}ニ{:i:≧=、
/:i:i:i|:i:i:Ⅵ:i:i:i:iⅥ:斗=≦:iⅥ:}ニ{Ⅵ:iノ∧
/ {:i:i:i{:i:i,斗:i:i:i:∧\:i:iⅥ:i:iⅥニl. Ⅵ:i:i:∧
/ /{:i:i:i爪:i:i{\:i:i:i∧ _斗示ミ:l,弐 Ⅵ:i:i:∧
/ / .|:i:i:i:i:i:Ⅳ竺_\:i∧ / r 刋ソ:i:i:i:} {:i:i:i:i:∧
/ / !:i:i:i:i:i爪V心 \:i:. ゞ-' }:i:i:i:| {:i:i:i:i:i:iヽ へへーん、似合ってるでしょ?
, , .{:i:i:i:i:i:i:i:ヽゞ'' ヾ .}:i:i:i:| {:i:i:iⅥ∧
l{ .l{ {:i:i:i:i:i:i:圦 `_ ┐ 八:i:i}ノ从:i:i}:i:i∧ 「そういう店のボーイみてえだ」
r 、 r 、 l{ .l{. 八:i:i:i:i:i:i:i:i\ 、 ノ /}:i:i:/:i:}:i:i}:i:i}:i:i/:ハ
ヽ‘, :. .{{ .{{. \:i:i:iⅥ:i:i:i≧s _//}:i:i:{:i:/}:i/リ7:i:/}i;ハ あ、ひっどーい。
', } .} - 乂乂 `¨Y≧Ⅵ:i从:ハr彡 .|:i:iハ={'{_,彡' }∧
へ ゝ { / / }:i:i} Ⅵ从ヽ { /.|:i:i:ニニニ}. ',
. {--、} ノ' { }:Ⅳ Xニ /r' .}:/ニニニ; ',
八 ヽノ-v ノ }://ニニ/ ,j ./}'ニニニ; :{ ',
\_ -=≦ヽ /ニニニニ.{ f _r≦ニニニニニニ:{八 \ ',
_ ≦ { /ニニニニ/ニニニニニニニニニニニ_ \ /7
{ 。/ へ / }ニニ/ニニニニニニニニニニニニニ=_ ∧ =彡 {
{ ≦ノ r≦ }ニニニ} oニニニ oニニニニニニニニ=_/:i:i\ }
ゝ- ' \ } ) .}ニニ=jニニニニニニニニニニニニニニニリ-=ヘ. \
\ ノ / ,ニニ /ニニニニニニニニニニニニニニ /:i:i彡' \
、 / _ .jニニ,ニoニニニoニニニニニニニニ /=彡) \
乂__ r≦{:i:{ニニ}ニニニニニニニニニニニニニ ./:i:
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メイヴには普段のドレスに、上から喜留夫のコートを着せている。
パイモンに関しては、前回メイヴだけに服を用意していたのが気に入らなかった
らしく、強くごねてきたので仕方なく服を買い与えていた。
よくあるシャツとスラックスにベストという組み合わせだったが、
元が美少年だからかよく似合っていた。執事のような高貴さがある。
それはともかくとして、探索はそれほど順調とはいえなかった。
二時間ほど町を回った後で、やはり情報が少なすぎたかと肩をすくめていた
その時、小規模な異界の存在をパイモンが感知した。
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113: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:06:11 ID:MSskQ0760
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| (●) (●) |
\ fェェェェェェェェy /
/ ヽ
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/ ィ r \
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ヾ___,ソl │(、__,ノ
| |
l Y´ /
ヽ, ( ,/
ヾ | |
≒;| |
(.("_`゙_)
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
蛇の道は蛇、というやつだ。
喜留夫達は異界へと迷いなく踏み込み、そこで悪魔たちに話しかけることにした。
悪魔への被害が広まっているならば、悪魔同士で噂も広まっていることだろう。
異界特有の淀んだ空気の中を歩いていると、一体の悪魔が喜留夫達の前に
躍り出た。凶鳥グルルだ。灰色の翼に人の体、髑髏の面のような頭部をした
この悪魔は、交渉には応じない類だった。
悪魔にも様々な種類がいる。その中でも、凶鳥や妖獣、外道や幽鬼、魔王などは
人間を餌としか見ていない節があり、交渉に持ち込むのは至難の業とされる。
喜留夫は無言で銃を抜き、近づいてくるグルルの翼に五発ほど銃弾を撃ち込んだ。
血をまき散らし、大きく怯むグルルに対し、メイヴとパイモンの魔法の追撃が
撃ち込まれる。
やがてグルルは動かなくなり、その体を緑の光に変えて消滅した。
散乱したMAGはCOMPが自動で取り込んでくれる。
これもまた、貴重な収入源であると同時に、サマナーの生命線でもある。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
114: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:06:26 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \ へい、そこの嬢ちゃん。ちょっと話してかねえか。
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) | 「いいよー、チャクラドロップある?」
\ \ェェェェェ/ /
(ヽ、 / ̄) | ぐっ……魔石で勘弁してくれ。
| ``ー――‐''| ヽ、. |
ゝ ノ ヽ ノ |
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ようやく話の通じる悪魔が見つかった。夜魔リリムだ。
同じ夜魔のメイヴがいるおかげか、同族のよしみで会話もスムーズに行った。
「人間が悪魔を襲う? そんなの日常茶飯事じゃない。私たちは人間を食べるし、
人間は悪魔を殺す、いつものことでしょ」
「それとは違うんだ。悪魔をとっ捕まえて、酷いことをしてる奴らがいるらしいんだよ。
そいつらの情報が知りたいんだよ」
「ふうん。そういうことなら、この近くにある廃工場に人間が集まって
悪魔を殺してるわよ。案内したげよっか?」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
115: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:06:41 ID:MSskQ0760
xァ ヽ;:::;;,:::::::\
/:/ _.......__ ',::;;;;,::::::::::\
/::::/ _,..:.:<.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:ヽ, }::::rハ::::::::::;;;;::,
//::::;::{ ,.:´.:.:.:.:.:.}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ ノ::::i/ハ:::::::{マム::,
//{:::ハ::'、 /.:.:.:.:.:.:,;.:.:.:.:.ト;.:.:.:.:.:.:マ:::::;;;;ノ ヾ:}::::::i `、:::,
,'::ハ::|ハ:::::ヽ_ノi.:.:.:.:.:.:.:.}{.:.:.:.:| ヽ.:.:、.:.:.マ´.:.ハ }∧:i ';:i
,'::;//{::l/ム;::r,、;::i.:.:.:.:.:.:.:}iハ.:.:.:| , -<K.:.'v=、:', l::i l:| l:|
;:{//ハ マ/ハマ{ `i.:i.:.:i.:.斗ニ';:.:.| 彳ハテハ.:i<}}.:.i リ || リ
';:'/ハム’トム'::i ';:、.:|;,:.:ケ心;.:i ¨´ ';:i.:|,/:/ {
∧{{ ヾ}::'、 ヽ{ ヽ}:|:ヾ{`~ リハ _ l:i:|:.:/ はい、じゃあわたしはここまで。
ヾ, ヽ::、 ` }ハト;:ヽ ´ `_.. :フ ,クハ:{
`' _ ヾミ.:> ,,` ニ´/ ',ハiリ 頑張ってね、正義の味方……でもないか。
,. -ァ / `ヽヾ从.:}`T´, i ',
_,..-z-''´/ / ::..... ‐-ミ、__`_ ` ヽ, 悪魔の味方さん?
,,...:-::';-:::て-'´ i ::: ::... `;, '´  ̄`'ヽ,
,.;;':::_::-::'':::::;;/ '、 ',i `''':::::.. , ',
/::<;:/::::/::{ ', || _....._ :::.. i ', ト、
.:':::////':::::::/:::::{ _ -}_ィ-‐―''フ;;;;; ; ; ; ; ; ; ''; ;=-、', ' i ',_
////::/}:::/::::::::', ≦ ,ィ/ィ; ;;;;;;;; ; ; ; ; ;,ハ; ; ; ; ; ; t、/ ト''´:,
////:://i::,':::rz;::::'、 z≦ ,/ /.:.:.:.:.:|; ; ';;;,, ; ; ; ;/ '; ; ; ; ; ;} ヽ }::::::;:',
///::///|::{:://ハ::::::'、 ´7イク/}rヽ-、:.:;; ;,ヽ;;;;;;;;;;;;i! /;;; ; ; ;/ t` ,}:::::::.';:',
//i:::i///i::{:::{//ム::::::ヽ, ,に二''ニ ヾ}; ;;,; `.;,;';';';'';, /;;;;; ; ;/,ヘハ{ ,':::;i:::::.';.',
//|:::i//ム:::{:i///ム::::::::t、 ゝ{{.:.:.:.:.:.:./; ; ;;;;;;;;;;;,,, ; ; ;/; ; ; ; i,/ ,'::/;}:::::::';:',
マ/i:::i///i:::マ////ハ::::::::::::z:.,、 ___>‐ ̄ヽ:/; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;, ;/'; ; ; ; ;:j _ /:://;::;}:::::';:',
マ}::i/ハム:::マ/////ム::::::::::::::::::::`了.:フ´⌒.:};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ; ; ; ;/:::'::::::::;///::/}::::::}i::',
∨{i ヾム::マ/////ア⌒`''-t、::::::>'.:.:.:.:.:.:.:i;':';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, ; ;/:::::::::::;ノ//::://i:::::;ii|:::',
.∨, ヾ;:::マ/ム´ ∠,ノ`ヽ;.:.:.:i.:.:';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,/'⌒<////:::///:::://:::::',
ヾ:マ/{ ん-、,ィヽ';.:.:.:}.:.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/.:{ }//::///;::://'}::::::',
\ム ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{.:.:i i/:::/⌒'i::::i//}::::::::',
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しかし、夜魔だけあって人を惑わす体つきをしているものだ。
リリムは少女の姿でありながら、それでいて蠱惑的な体格をしていた。
胸は小振りだが形がいい。すらりと伸びた足は健康的な白さだ。
と、じろじろ見ていると隣からメイヴに足を踏んづけられた。
とにかく、これで目的地に辿り着いた。
今一度装備を確認し、件の廃工場へと向かう。
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116: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:07:02 ID:MSskQ0760
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117: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:07:20 ID:MSskQ0760
~TIPS~
『デビルサマナー』
悪魔召喚師。かつては悪魔を召喚する術を持つ魔術師や陰陽師のことを指したが、
現在では単にCOMPを所持している者のことを言う。
十年前までは葛葉という由緒正しき平安から存在する、日本を悪魔の脅威から守るデビルサマナーと、
利益や私欲のために動くダークサマナーの二種類があったが、現在では正式なデビルサマナーは絶滅しており、
ほとんどがダークサマナーである。本作の主人公である喜留夫も、一応はダークサマナーである。
最近ではフリーサマナーとメシアサマナーの二つに分かれている。
レベル10くらいで駆け出し、レベル20でそれなり、レベル30~40で中堅、レベル50代でベテラン級。
たまにそれ以上の凄腕のサマナーもいるが、冗談抜きで世界に数人程度しかいない。
仕事の報酬の相場は、簡単なもので十万程度、悪魔退治などはピンキリ、
サマナーの殺害や要人暗殺などの危険なものは数百万から数千万近くに上る。
118: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:05 ID:MSskQ0760
__
> ´ ` < ,. --- 、
> ´ `<> ´ ',
/ ` く i .}
./ ヽ J ノ
′ \イ
j \
ム 、
/` ,.. ` <
/ ',:.*.:. ` <
.′ ` マー-=}ヽ ` <
i `r - ', .メ..、 ヽ
{ ー≧=´i`¨~⌒ ー- . >--- <. ',
} /^.J / `゙''ー- ..__ / ',
': { { ./ / ̄ ̄ У }
八 し __ノ / { .′
ヽ .>'= --..、 .イ 八 /
\ / `''ー―´-- 、_ ヽ ./
≧z.. _ ,,..ィ', `ヽ ', {
ヽ ノニー ' } V
> .. / ーy-’ ′ ヽ
≧ ⌒ 、 イ ニy´ /.. -― -- .. ` <
` ̄ ̄ ー' / ` <
{ \
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
廃工場へと足を踏み入れた途端、喜留夫は悪臭に顔をしかめた。
「酷い匂いね」
メイヴが溜息を吐く。どこかで嗅いだことのあるような異臭は、工場の奥から
漂ってきていた。
奥へ進む。工場はだいぶ前に廃棄されたのか、手入れなどはされておらず、
機械の類もほとんど撤去されずに放置されていた。
かつて人で溢れていたであろう作業場は機械だけが静かに鎮座するだけであり、
ゴーストタウンのような寂しさがあった。
そして、喜留夫はその風景に直面した。
匂いの大本は、血と汗、そして人の精液だった。
作業場の奥には電池ランタンを囲むようにして五人の少年が座り込んでおり、
その傍では、裸の女が横たわっていた。腕と足は無残に潰され、黒ずんでいる。
エネミーソナーが反応しているところからして、低級の女性悪魔だろう。
そこまで判別できたところで、喜留夫は自分の中の琴線が切れる音を聞いた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
119: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:25 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \ ……よお、ガキ共。
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) |
\ \ェェェェェ/ /
, -―― 、
/ \
/ ヽ
/ ヽ
/ , --‐__二 ̄二二ニヽ、.l
l ,r' , -l 7^/ /'!ll ̄\、 、 ミヽ、〉 _
.|/' / /, ',r'/- 、ゝl, , ,r'''_ ヽ>--'" _ ` r,、 _ な……なんだてめえ! 何入ってきてやがんだよ!
ノ、rv'ー' ''/_ / / f'l____=・= '、,. r-’''^^゙l>-、'"`= <'_ ヽ
,フ 彡イ.,l'"''l、 ノ ^'!__ ,ノ! ト、l フ、' l___ ,ヽ ああ!?
ミ ,::::::::' l/ | |、 `---' -、_,r' ̄_ ! ヽ-、 ,〉'"l ヽ
\::::ィ l、゙ ,____,_ , -r--ァ /.lミゝ|l, ,└ '" l、゙ヽ
ヽリ _rll f_ `'' '-ー'' ^´ / l、l l | 、_、 r ' .|
ハヽヾ- 、  ̄ l'リ::::::ヽ 〉、_ r | ノ
"\' l、 `ヽ____、 /:::::::::::::::-' '::::::::::::`- -'
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
声をかけると、少年たちのリーダー格と思しき男が真っ先に立ちあがった。
誰か、ときたか。きっとこの単語すら、この少年たちは知らないだろう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
120: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:40 ID:MSskQ0760
____
/ ::::::::::::::::\
/ :::::::::::::::::::::::\
/ ::::::::::::::::::::::::::::::\
| (〇)::::(〇):::::::::::| デビルサマナーだ。覚えておけ。
\ (トェェェェェェェェイ)::/
/ ..:::::::::::::::::::::::::ヽ
. / /| ..::::::::::::::::::::::i::::::i
____/ /__| ..:::::::::::::::::::::/|::::::|
___,廴j__ヽ r::::::::/ ハ::::,) ‐┐ _
ヽ |/ ‐┴ ―┐ . . .
>__ノ;:::......
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
COMPを抜き、キーボードを叩く。
召喚するのは自分が持つ中でも最大の火力と耐久力を持つ悪魔だ。
多人数を相手にする上ではこれ以上頼もしい存在はいない。
緑の光が舞い上がり、その悪魔の足を、爪を、牙を形作っていく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
121: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:08:50 ID:MSskQ0760
ヾ.ー'\、
\ \ ,
>ー マ ヘ , -´ 'ー─--──ァ
`ヽ/l ヾ ヘ , - ´ /´
Σl: :l ヽ ヽ 、 / /
くl: : l , ヘ / 〉 / :::::::::::::::/
l : : l. / | ヘ / / /l/ ..::::::::::::;;;;;/_,
l: : : l,-┴┴=ニ二ー-、 , - ‐' ./ /∨ ..:::::/'ー‐´  ̄` ー─ -、
l, r´ : : : : : l: : : : :_|_: : :l´l l , - ´ / ..::, -´ ,、 ,,-'''-、  ̄>
l: : : : : : : : : :l: : lニo::): : ゝ-‐、' /, -=‐- 、 / , - ‐´ ノ 〉  ̄`" _,,,,,, -´
. l: : : : : : : : : :l: : : : :|: : : : : : _ノ´_ ニ <ニ_/, < ` ̄ _ , ─、´  ̄ ̄
l: : :rニ二二ニ∨二ヽ,/、`ヾー= ̄`ー、, < _,,,-─一 ´、_
ヽ/`, , , , ,:::::::::::::::::::::l ヾ、 二‐ /  ̄`', /::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄二ー - 、
ヽ/::::::::〉´ / `ー、〈´l l/:::::::`ヽ=ニ二> 、ー、 `ー、
ム/l,ヘ_ノヽィ _ , -´ ,ィ´/ .l l l`ー、l`ー─--=、 , -─ ´
ヽ二_ , -´ 〉ニニニ-‐´ ヽ / .l  ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ "l ヾ: : : : : : : ',: : : _,ィl lゝ、 ___
, - ´ :::lー----─'ヘ,ィ /`ー一'ヘ 、  ̄ ̄ ヽ
_/ , - '´l`ー----‐─一': : : : Ξ: :l ヽ l
, r‐ニ ̄ ,r ´ヽ、| ',:_:_:_:_:_:_:_:_:_:/: : : : : : : : :l::::::ヽ /l /
,r´ /ヽ_ /ヽ、 .::', : : : : : : : /: : : : : : : : :/:::/::::\ l /
l _l ∨:::::::/`ー-` .:::::ヽ: : : : : ∧: ,、: : : : : :/::/-, / ヘ ̄ ̄
l/ /`> l .:::::::::,r´ヽ、:/ : 〉 : ∨ヽ: / ∠ -' ノ l
l/ マ ..::-く / : /: : : /: : :/ ≡ l
ゝ、 .:::::::ヘ / : /: : : /: : :/ヽ /
, -=l ̄ ..:::::::::::l / : /: : : /: : :/ ゝ─ --─´ヽ
r´_,r´ ̄ヘ ___/ l:/l: : :/ |: :/ ノヽ ,-、::::::,r ヽ
 ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ l : l ∨ / l´ ::::l:::l ::::l
\l ´ ̄ ヽ、/ ヽ/
【邪龍ファフニール Lv56】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「我を呼んだか、人間」
そうして現れたのは、巨大な竜だった。
ただの竜ではない。黄色の腕や腹、頭部に鉄を纏った翼竜だ。
身の丈は大人三人分以上はくだらない。
四肢は丸太のように太く長く、尻尾は大蛇のように荒れ狂っていた。
ファフニールは大げさに咆哮するでもなく、ただ静かに獲物を見据えた。
竜の眼光に射竦められ、少年たちが小さな悲鳴を漏らす。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
122: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:09:05 ID:MSskQ0760
iヽ
i)::ヽ
i)::ヽ
r⌒ヽ、 / ̄ ̄ ̄ ̄\
\ \ / \
ヽ / ( ● )三( ●)ヽ
ヽ | (トェェェェェェェェェェェイ)
ヽ,\ \ェェェェェェ/ /
) ,-'
/ i、 \
ヽ ⌒ヽ / ヽ ヽ
/ ) ノ \_ノ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「ん、んだよ、てめえも悪魔使えるってのかよ、上等だくそったれ!」
啖呵を切った少年が、がさがさとリュックサックを漁り、一つのノートパソコンを
取り出した。どうやら、あの中に悪魔召喚プログラムがインストールされている
らしい。
つまり、まずはあれを破壊するところからだ。
喜留夫は拳銃を抜き、少年の手元に狙いを定めて撃った。
弾丸は少年の腕辺りを射抜き、血肉をその場に撒き散らした。
悲鳴が廃工場に響き渡り、ノートパソコンが地面へと叩き付けられる。
「この野郎っ」
残った四人がほぼ同時に飛びかかってくる。
それらを掻い潜るようにして躱し、すれ違いざまに手を斬りつける。
仲間の手傷に激昂した少年たちは勢いを増すが、喜留夫にとっては
御しやすくなっただけだった。
掴みかかってきた腕を掴み返して投げ飛ばし、殴りかかってきた腕を避けて
掴み、突き刺す。
気づいたころには、五人は揃って床に伏せていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
123: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:09:36 ID:MSskQ0760
、 _ _
iヽ ,.ィ:::/ ,.r::´:::ィ __
i::ヘ: :.\ /:::/,.r、_i::::::,ィ´ __r::´:::,:r'´
ゞ::ヘ!::::::ヾ、!、 r.、 ,、 /::::://::::::::::/ ,..r::´:::::,.r ´
ソ::::::_:.:.:.:.|.ヘ .! ヘ / ! .,r/::::::::./::::::::::::イ /:::::::r=イ
ヾー=、 ヾ:.:ヘ`ヾリ ヘ .| i,./ |/ .|::::::::::::;:::::::::イ::::i´,rッ:::::::ゝ __
.`ー、::ヽ=、ヾ:ヘ ヾ、 ヘ| i ./ / /:!/::::::/:::::/_ノ:::/ ,,..r:::::'´::::::,::r=イ
.ヾ;,、 .ゝ;::rヾ ̄`ヾ_i._._i /,イ,ィ.,/_,イ:/::ゝイ:::,:::::::::::::く,..r:::r´ニソ:::::r=イ
!ヘ`ー`ニ》,イ / `r==iッ'´i_i_,:ィ,イ=、:::::::::;:::'´:::::::_;_;_;_;_r=イ
ヾヽーッ::// ̄/ .ヘ_ _,.ィ´_< i. : . : トく:::::::_:_:_,:r´
ヘ:.\. i´! / ̄`ヽ rッ'∨ヽ、`≧ソ!ゝ=イ! .(`Y .,r=.、イ
_ヾ: : ゞ、yイ. ,沙リ乍! ',ヘリ , | ヘ ヘ__i,ィッ、/
´.ヾ_∧: : : :l` ヽ、 iイソ__|ii iヾ´ ,ィ====||ゝ=イ/ィi
/_イ\:/: ./ヾく_/ソ∨!_/ r /二二二||ノ_|::::i三i
.トイ .,ィ´.,ツ /!:::r',,ィ.|_|:::::::::::::::!i: : :`ヾ、:ヘ、
. ,〈 ̄`ー==乍、ツ /:::::::/:::::::::|_;_;_;_;_;_|:::::: ::::::::;ヘ_>、
/イゝ=イ ,r`ー ´>=/:ri::: : : : ∧: : :.:.:.: :|ヘ:: :::ヘ二ヘ
〉,ゝ=イ ,ィ´ ヘ.|/: : :|::: : : /:i:ヘ: : ::.:.: :!: ヘ:: :::! : _ヘ
´ ,ィノ _ _/: : : :|::: :../:::i:..:ヘ: ::::. :.|:: : ヘノ Y .ヘ
| /: : : :.:.|:.:. :.|:::::!: : ヘ: ::: ::!:: : :.ヘ ./\
>=-/: : : :.:.:.:|、_;_:|::: !: : : :ヘ,r.〈; : : : :ヘ= イ_ ./`ヽ、
,.r'´ヽr='./: : : :.:.:.:/__/`|::::.|: : : :/ \: : : :ヘ / `ヽ_ ヽ
`∠_,.r' ヽ.i: : : :::.: / !:::::i: : : | ヾ; : : トイ、::、 ヘ . ̄
´ー´ | :.:.:.:. / i:::::!: : :.| ヾ: .リ `ゝイ
| : :./ ヘ:::i : : :! ヾ
|/ ヘ:: : : i
\;/
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
すると、一番奥で倒れ込んでいる少年の周囲でMAGの光が巻き起こった。
どうやら、ノートパソコンが生きていたらしい。
少年の周囲に次々と低級悪魔が召喚される。
幽鬼ガキ、外道ブロブ、悪霊クイックシルバーといった面子がぞろりと並ぶ。
まさに魑魅魍魎といったところだが、この程度の悪魔はファフニールにとっては
塵芥にも等しい。
ファフニールはその巨大な鋼鉄の腕を振りかぶると、
悪魔たちがいた地面へと叩き付けた。
轟音と共に地面が揺れ、悪魔たちは悲鳴を上げる間もなく霧散する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
124: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:09:51 ID:MSskQ0760
___
. , ´ `丶
/ 丶
/ _... - ._ヽ
,' , -‐_ ̄/{ ゝ丶丶 ヽ
. i/ ∠__ ゞ ,, ,=ヾ ,.. -´`ー _
,-,.ーー> ,∠_ ┸-、 r‐゚―ヽー<,-、 ひっ……
> m / /i ',_ ノ~~ゝ.__ ∠`y´
7 r´ヾ 7 l i  ̄ `ー´ lヽ`〉
〉 `ー、〉 l `=王王ソ /
ミ ヾ ヾ`ー、 /
`ー、、.,, ヾヽ `ー― ,,´
/ ''''ーーー----ヽ iヽ
/ / ̄ ゙̄ ー-、 丶 i i
ヽ / 丶 ヾ=i/
〉 丶 ヽ
i
____
/ \
/ \ よお、おめえら。どうも随分と楽しんでたみてえだな。
/ (●) (●) \
| (トェェェェェェェェイ) | 気持ちよかったかよ? 気持ちよかったついでによ。
\ \ェェェェェ/ /
125: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:06 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ \
/ (●) (●) \ お前らも同じ目に遭っていけ。
| (ト----イ) |
\ \___/ /
パ カ ー ー - ン
126: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:19 ID:MSskQ0760
┌──────────────────────────────── ── ─
└────────────────────────── ── ─
┌──────────────────── ── ─
└──────────── ── ─
┌──────── ── ─
└── ── ─
/__7 /''7 / ̄/ ./''7 /__7 /''7 / ̄/ ./''7
/__7 ./ / __/"7  ̄ / / /__7 ./ / __/"7  ̄ / /
___ノ / / __, ̄| ___ノ / ___ノ / / __, ̄| ___ノ /
/____,./ 7__/ヾ/ /____,./ ./____,./ 7__/ヾ/ /____,./
/__7 /''7 / ̄/ ./''7
/__7 ./ / __/"7  ̄ / /
___ノ / / __, ̄| ___ノ /
/____,./ 7__/ヾ/ /____,./
\\ ____
/ / \\. / \ .\、ノし/
/ /' / r⌒ヽ、 / \ | .Σ:. て えろいむえっさいむえろいむえっさいむ!
,// / L < / (●) (●)\ \、_ノし /^Y\
/' ヽ \| (トェェェェェェェェイ) | `)(´ A あぐらえいめん!あぐらえいめん!
ヽ \ \ェェェェェ/ / .//^´ _ノて. ̄\__
ヽ <Y^\..======>
 ̄\__/ ̄
||
||
127: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:35 ID:MSskQ0760
ニ==―- -- _
〃 //
{( .//
\ ,..、 {^! ,-、
__ヾ X! .i/ /,,=‐, ヾ
'ー// ,=‐''´ ) }
/≠} { ___ __, ' /
/≠--- -―=ニ-- ‐ ― ´
`' i ! ___
! ..!/´ `ヽ
i !(●) (●) \
} .{トェェェェェェェェイ) ヽ ギャルのパンティおくれーーーーっ!
i !\ェェェェェ/ |
{ .ヾ /
ゝ \ .,、
ヽ \ //
} ∧ //
! ./ / //
| | ∠__//
! i 、 .r/ヽ
} { ヽ /
/ i、 ` ̄
/ \
128: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:10:49 ID:MSskQ0760
/ / l | i
l / イ /|
l ヽ> > l
| \ > >|
/ //
l \ \ ヽ |
/ / > > ||
i \ \ ヽ
l < < > >| l
/ /! / l
| \ \ヽ |l
/ //l
| \ \ヽ |
/ //l i
| / / /l l
! || ヽ \ |
/ \ i
\ 、`(;´⌒;'从; /
\,. ノ、!i;(;゙⌒);/´⌒)//
\(⌒;;从⌒) ;:、), )//
;.i,.,/ 'y';`ヾ/ 从)人/
_ -───- _
, '´ `ヽ
/ \ ウ
/ ヽ ホ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ ッ
' 「 ´ {ハi′ } l !
| | | | い
| ! | | い
| │ 〈 ! 男
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ ・
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! ・
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l | ・
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ'
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / |
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐- 、,_
129: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:11:04 ID:MSskQ0760
, -―― 、
/ \
/ ヽ
/ ヽ
/ , --‐__二 ̄二二ニヽ、.l
l ,r' , -l 7^/ /'!ll ̄\、 、 ミヽ、〉 _
.|/' / /, ',r'/- 、ゝl, , ,r'''_ ヽ>--'" _ ` r,、 _
ノ、rv'ー' ''/_ / / f'l____=・= '、,. r-’''^^゙l>-、'"`= <'_ ヽ ひっ、いやだ、死にたくない、死にたくな…………
,フ 彡イ.,l'"''l、 ノ ^'!__ ,ノ! ト、l フ、' l___ ,ヽ
ミ ,::::::::' l/ | |、 `---' -、_,r' ̄_ ! ヽ-、 ,〉'"l ヽ
\::::ィ l、゙u, ,____,_ , -r--ァ /.lミゝ|l, ,└ '" l、゙ヽ
ヽリ _rll f_ `'' '-ー'' ^´ / l、l l | 、_、 r ' .|
ハヽヾ- 、  ̄ l'リ::::::ヽ 〉、_ r | ノ
"\' l、 `ヽ____、 /:::::::::::::::-' '::::::::::::`- -'
_,,-i、
_,,―''"` ゙l, __
_,,-‐'″ ゙l、 /| `゙'''ー-〟
,,,,-‐"` _ |、 ,i´l゙ .l゙
.,,-''"` _,/"| ,li、 丿 .l゙ ,l゙
..〔 _,,,-'"゛ .| ,"|、 ,/ │ │
`ヽ .,,-'"` ,,,-, ,l゙ │ ゙l、 ,/ ,| ,i´
ヽ ,/ ./′ ゙ッ′ 丿 .゙l ,/ ,l゜ │
゙'ヽ、 ヽ .,/_,,,,,,,,-←i、 ,,-‐i、 丿 l゙ ,l゙
`'-,、 ゙i、 .,,/` ゙l | .゙l ゙l ゙l .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ィニ,,,,,,,、 .| ./
`'-、 ゙l ゙レ、 ゙l .゙l .゙l | .| .l゙゙l | .| │
`''-| | \ │ .゙l ゙l .| .l .| ,←―――――-r",,-“',,,Z″
/ | `'i、l,--←'''''゙l / .l│l゙ ,,-ンシ广゛ l゙
丿 .| ゙'ミヽ.__,,,,-'" .,iト|│ ,,/ンシ'゛ .l゙ .|
,i´ / `!|、 ,l゙l゙|.l゙ ,,r'/シ'".,,/゙~゙゙二''"
`'ヽ,、 .,/ ゙゙l,_,,,,-''"` ||,l゙ .,,/゙lソ'゙,,-'"_,,,-‐'″
`'ヘ-,,,、 `'i、 ,lリ .,,,ji!'彡‐,ン‐'"
`゙''ー-_ `ヽ .l|" ,,,il|リニン''″
`゙'''ー-,,,,\ ,リ,,,終゙‐'
130: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:11:21 ID:MSskQ0760
┌──────┐
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└┘
□
・
131: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:11:39 ID:MSskQ0760
__「 ̄  ̄`< ̄\
| r冖 \ ヽ
|/ }  ̄ ̄( )\
/ -─‐- \
/ / ∩ ∩ヾ}
/ / ∪ ∪ 一つ思ったんだけど、なんでそこまでしてくれるんだホ?
Y / ─‐v─‐v‐ァ|i
| i \ / 八 君は人間なんだホー? いや、悪魔っぽい顔はしてるホね。
_八_O__人 ー─ '∠ ノ
ーァ=/ / ̄`ヽ─=≦ / ̄`ヽ 「うるせえ」
___/__ムイ ヽ ∨ \/しヘ l !____
ーヘ__ 人_ノ ̄ ̄ ̄ ー' ー'
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
調査のいきさつを話すと、ジャックフロストは満足げに頷いてくれた。
これで依頼完遂、ということになる。
無事完了ということで、報酬であるまんだらメロンのネットへの出品手続きを
メイヴに頼んでいる間、ジャックフロストにこんな質問をされていた。
「なぜ悪魔のためにそこまでするのか、お前は人間なのに」
といった内容の質問だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
132: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:12:22 ID:MSskQ0760
____
/ \
/ ヽ 人間も悪魔もねえよ。
/ ( ー) (ー)'
| (トェェェェェェェx ,--、 ムカつく奴はぶん殴る。助けたい奴は助ける。
\ \ェェェ< ヾ zヽ
____/ \/| | そこは俺の自由だ、そうだろ?
| | / / __ノ
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「なんだかとってもカオスな答えなんだホー。もしかして、悪魔が好きなのかホ?」
コーヒーを吹きだしそうになり、慌てて口を押える。
「馬鹿野郎、どうしてそうなる。メイヴとはそんなんじゃねえからな」
「ヒホー」
とにかく、これで依頼達成だ。この調子で依頼をこなしていけば、
今月の財布事情も少しは楽になるだろう。
喜留夫はメイヴが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、
ジャックフロストが満足して帰るまで相手をした。
尚、この後でパイモンがまんだらメロンをつまみ食いしていたことが発覚し、
結局もう一つまんだらメロンを貰い受けるのはまた別の話である。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
133: ◆x0SRSoJXe. :2017/10/26(木) 02:13:33 ID:MSskQ0760
- = -
/ / , - __ ヽ
_./ ∠ / `ヽヽィx
/ニミx/ニ} / _ -i | 、', ∨i
{ニニニリ /ィ ノi l iヽ ヽ', ∨ /
{ニァマニ} i,zzzzzz.l ,' ノzzx_i_l ∨/
.}¨/___¨ i i:.:.i:.:l i_.ノi_ イ:.:i:.:l | .|__ヽ
; } _ i , ;. ゞ:_ノ ゞ:_ノ l .l
_ノ / _ヽ i ',⊃ ___` ⊂⊃i !`ヽ
.ゝー{ ゝ 八 ', \/ ノ.ノ'._ノ
¨ヽ ヽ_ヽ≧x。____。xィ-イ/ノ
ノ:ヽ..._ ¨´ `¨¨ iー::T´
/:::::::::::::/ l:::::::::ヽ
/:::::::::::::::::i , .l:::::::::::::::>-
´ ̄`ヽ::::::::::┝=..、_ ノ::::_:::∠ --───ァ
` ̄ .ゝ、 `゙゚ァ=- ¨¨_ -- ¨¨_ - ´
_ ,。_ム `{_ノ¨⊃¨ _ - ´
彡彳 { (ニニゝ {´_ - ¨
彡彳 `´ \__{
彡´
.T 田 小 牛 _l_ヽ¨.ナ ヽ .l ヽ
土 .土 i 土 / ) d- し }
~また次回~
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